簡単にできるクルマの健康管理! 日常点検整備の15ステップ ~Weeklyメンテナンス~
レスポンス / 2023年10月26日 6時30分
整備はディーラー任せとか車検ごとに整備をしているから大丈夫と思っているドライバーも多いのでは? しかし日常点検を実施することで愛車がより安全で長持ちになるので早速実践してみよう。
クルマのメンテナンスは難しくて面倒だと思っているユーザーも多いかも知れない。しかし整備の基本はドライバー自身が日頃から気を配っておくことだ。その代表的なものが日常点検整備なのだ。クルマに乗る際にはチェックしておくべき項目がまとめられているので、摩耗しやすい部分やトラブルにつながりやすい部分などが過去の経験値からまとめられた項目なのでピンポイントで点検するには信頼性があると言える。整備のアマチュアであるドライバー自身でも点検が可能な項目を知って愛車のメンテををはじめてみよう。
クルマの点検整備の代表的なものと言えば車検があるだろう。ご存じの通り乗用車の場合は新車時は3年、以降は2年に1度のサイクルだ。さらに12カ月点検などの定期点検があり、そしてもっともスパンの短い点検が日常点検整備なのだ。トラックやバスなどの事業用のクルマの場合は毎日の運行前に点検が求められている。その点検の指標となっているのが日常点検整備だ。それだけにクルマをプライベートで使っている場合でも自分のクルマの点検するには最重要内容なのだ。
日常点検整備のチェック内容は国土交通省のホームページにも掲載され、チェックシートも用意されているので、初めてのユーザーはプリントアウトしてひとつひとつ点検項目を実施していくのも良いだろう。しかも、実際に各項目を実施するとクルマの点検はそれほど難しくないことがわかってくる。どこにどんな装置が付いているのかも理解できる&意識するので愛車のことをもっと深く知るにも絶好だ。
点検項目は大きく3つに分かれている、ひとつはエンジンルーム内の点検項目、2つめはクルマの外観を見て判断する点検、そして3つめは運転席に座ってチェックする項目だ。最初にエンジンルームを開けて各部をチェック、その後クルマの外側をぐるりと回って点検した上でドライバーズシートに座って仕上げの点検を実施するという、点検行程を考えられた流れがあるのも特徴だ。
日常点検整備で点検する具体的な項目は以下の15項目だ。いずれも最初に点検するときには「それはどこをみれば良いの?」「どうなっているとNGなの?」ととまどうことも多いだろうが、チェック項目や判断の基準も国交省のホームページでしっかり指標が示されているので、これを基準にすると良いだろう。
(1)ブレーキ液の残量
(2)冷却水の量
(3)エンジンオイルの量
(4)バッテリー液の量
(5)ウインドウウォッシャー液の量
(6)ランプ類の点灯・点滅
(7)タイヤの亀裂や損傷の有無
(8)タイヤ空気圧
(9)タイヤの溝の深さ
(10)エンジンの掛かり具合
(11)ウインドウォッシャ液の噴霧状態
(12)ワイパーの拭き取り状態
(13)ブレーキの踏み残りしろと効き具合
(14)駐車ブレーキの引きしろ(踏みしろ)
(15)エンジンの低速・加速の状態
項目を見るとわかるとおり(1)~(5)はエンジンルームの中にある点検項目だ。ボンネット開けると車種ごとにレイアウトは若干異なるものの、ブレーキ液のリザーバータンク、冷却水のリザーバータンク、さらにはエンジンオイルのレベルゲージ、バッテリー、ウォッシャー液のタンクがエンジンルーム内にレイアウトされている。いずれも量が減っていることのチェック、オイルは汚れも点検する。各項目の点検は基本的には測定器などは不要で目視で確認できる項目なので在処さえ確認すればさっと点検できるので一度体験してみると良いだろう。
次に外観からチェックする項目が(6)~(9)だ。特にタイヤ回りの異常は走行時に大きなトラブルになりかねないので走行前には要チェックだ。さらに普段の走行中はドライバーがほとんど気にすることが無い後方の灯火類もこの機会にチェックして球切れなどが無いかをチェックしよう。
そして、運転席に座った上でチェックする項目が(10)~(15)だ。走り出してから異常を感じると危険なので、走行前に最低でもこれらの項目はチェックしておくのが安心だ。
日常点検で経年劣化のパーツや摩耗や減りなどをいち早く見つけてクルマを常に健康な状態に保つのが目的に日常点検。トラブルが発生してから修理するのでは無くトラブルを未然に防ぐ効果があるのでぜひ実施して欲しい。毎朝の通勤に使っているクルマなどの場合、毎日点検するのは難しいと思われるだろうが、例えば洗車や給油する際に点検を実施するといった自分のルールを決めておくのも良いだろう。定期的に愛車を点検することで“変化した点”“各部の減り”などには敏感に反応するようになるので愛車の状態を常に管理して置くことができるのも大きなメリットだ。
安全性はもちろん、クルマの寿命を延ばすという意味でも効果がある日常点検整備。自分の目で見て愛車の状態を知ることを習慣化すれば、クルマへの愛着もさらに生まれてくるもの。常に最良の状態で安全で快適なドライブを実施するために日常点検整備を実施しよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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