愛車をパワーアップさせる“限界ギリギリ”チューニングとは~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2023年10月28日 6時30分
もっともっとパワーがほしい!! そんなときにはどんなカスタマイズがあるのか。過給器を取り付ける手もあれば排気量アップ、さらにはエンジンスワップという手法もあるのだ。
ノーマルのパワーではもの足りない!! もっとパワーが欲しいという人もいる。「そんなにパワーが必要なの?」という人もいるが、乗り物として考えれば軽自動車でもとりあえず移動はできる。軽自動車だからといって登れない坂はない。
でも嗜好品として考えればもっとパワーに余裕を持ってドライブしたいとか、サーキットでタイムを短縮したいという思いを持つ人もいる。マフラー交換やECU書き換えのようなプラスアルファのパワーではなく、大幅なパワーアップをしたい場合にはどんなカスタマイズがあるのだろうか。
1:ターボ、スーパーチャージャーの取り付け
ターボは排気ガスでタービンを回して、その回転力でエンジンに空気を押し込む装置。スーパーチャージャーはその動力をクランクシャフトの回転を利用する。どちらもエンジンの排気量以上に空気を押し込むことができ、たくさん押し込んだ酸素に合わせてガソリンを噴射すれば大きなパワーが取り出せる。
そもそもターボかスーパーチャージャーがついているクルマなら、そのブースト圧を高めるとか、タービンを大きなものにしてもっと空気を押し込むことでのパワーアップも可能だ。
NAエンジンのクルマの場合、あとからターボやスーパーチャージャーを取り付けることができる。理論上はほぼすべてのクルマに取り付けることができるが、実際にワンオフでイチからプロの手で付けるとなると工賃だけで数百万円は覚悟。なので現実的にはパーツメーカー製の取付キットを使うことになる。86/BRZやS2000などにはターボやスーパーチャージャーの取付キットがリリースされていて、キットで50万円前後。工賃で15~20万円くらい。70~80万円ほどの予算でノーマル+50~100psくらいを得られるのが現実的なところだ。
2:エンジン排気量アップ
エンジンの排気量を増やすチューン。シリンダーのボア径を拡大したり、クランクシャフトを交換してストローク長を長くして排気量をアップさせることでたくさんの空気を取り入れて燃やすことができる。
こちらも現実的にはキットを使わないと天文学的な金額が掛かる。86/BRZなら2.1Lキット、シルビアのSR20なら2.2Lキット、ランエボの4G63なら2.3Lキット、スカイラインGT-RのRB26なら2.8Lキットなどが定番。それ以上のものもあるが一般的に10~20%ほど排気量をアップさせる。
わずか10~20%に思えるが、これまで高回転でしか活用できなかったターボチャージャーを中回転から回せるようになるなど、意外とその恩恵は大きい。とはいえ、パワーが2倍や3倍になるわけではない。そのわりにコストは結局100万円近く掛かることが多く、費用は結構掛かる。
3:エンジンスワップ
日本ではイロモノ扱いだが、アメリカやオーストラリアなどでは数多く行われているのが他車種のエンジンを載せてしまうエンジンスワップ。シルビアのSR20に変わってRB26を積んでしまうの定番。4気筒から6気筒エンジンになるのでスペース的にはギリギリだが日本国内でも搭載例が多い。排気量が30%もアップさせられるのでかなりパワフルになることが期待できる。
D1GPやFDJのようなドリフト競技では現在ほとんどの車種でトヨタ・スープラやアリストに使われていた1J/2Jエンジンが使われている。2.5Lの1Jと3.0Lの2Jエンジンは直列6気筒でそのタフさには定評があり、多くが3.2や3.4L化などを施した上で大きなタービンを組み合わせて1000ps以上を発揮させている。
ここまで行くと市販車ではないので、気軽に市販車に1Jや2Jを積むことは難しいが、そういった手法もあるのだ。アメリカやオーストラリアでは現地ではよくあるV8 5.0LくらいのエンジンをFD3S・RX-7に積んだり、シルビアに積んでしまったりすることも多いのだ。
大掛かりなチューンになるが排気量の小さなベースエンジンを一生懸命いじるよりも、大排気量の別のエンジンを載せたほうがライトチューンで済むのでその分が節約できる。エンジン自体もライトチューンなので寿命が長いと、メリットは多い。最近は制御もLINKなど低価格なフルコンが普及しているので、比較的コストを抑えてのエンジンスワップも可能になっている。
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