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パワフル走行必須? ミッション&デフオイルの温度対策~カスタムHOW TO~

レスポンス / 2023年11月11日 6時30分

ミッションオイルやデフオイルには冷却システムが無いのが普通。そこでレーシングカーではオイルクーラーを追加するのが一般的。しかし、サーキットを趣味で走るクルマにも必要なの!?


ミッションオイルはミッション内部を潤滑している。FR車の場合もFF車の場合も通常エンジンに接続されていて、そこからの熱が伝わってくるが、ミッション内部でなにかが燃えているわけではないのでそこまで高温にはならない。


しかし、サーキット走行で加減速を繰り返したりするとオイルが撹拌され発熱し、ギア同士が噛み合うことでここでも熱が発生。徐々にオイルの温度が上がってきてしまう。温度が上がってオイルの粘度が下がってきてしまうと、ギアが入りにくくなってシンクロナイザーにダメージを与えたり、潤滑切れからギア自体にダメージを与えてしまったりする。


デファレンシャルの場合も基本的には同じ。FR車やフロントエンジンの4WD車のリアデフはエンジンと接続されていないので、エンジンからの熱は関係ない。しかし、それでもオイルの撹拌とギアの摩擦でミッションオイル以上に温度が上がりやすいと言われている。


ちなみにFF車やフロントエンジンの4WD車の場合、ミッションオイルとフロントデフのオイルは共用なので、これもまた温度が上がりやすい。


車種にも寄るがミッションオイルもデフオイルもどちらもサーキットで連続走行をすると、150度以上にもなると言われている。こうなるとオイルもすぐに劣化してしまうし、温度が上がりすぎてオイルの潤滑切れも起こしやすい。


特に温度が上がりやすくなる理由もいくつかある。


◆1:タイヤのグリップが高い


デフオイルは特にタイヤのグリップが高くて、LSDが装着されていると内部でプレート同士が激しく摩擦するので温度が上がりやすくなる。太いタイヤを履かせた場合も同様。タイヤのグリップ力が高くなればその分温度が上がりやすくなる。


◆2:車高が低い


車高が低いとか、エアロパーツを装着していて地面とボディとの間を流れる走行風が入りにくい構造だと冷却されにくく温度が上がりやすい。最近増えているフロアがフラットになるようにアンダーパネルなどが装着されているクルマも同様で温度が上がりやすい。国内外のハイパフォーマンスカーでは、ミッションやデフキャリアに走行風が当たりやすくなるようにダクトやスリットが設けられていることが多い。


こういった理由でもオイルの温度が上がりやすくなる。そこで対策というわけである。オイルクーラーを取り付けることになるわけだがかなり面倒というのが正直なところ。その理由はポンプから取り付けないといけないから。エンジンオイルはそもそもオイルポンプで循環しているので、オイルクーラーを取り付けてもそこに噛ませるだけで循環できる。しかし、ミッションやデフオイルの場合、専用のオイルポンプが必要になる。


さらにそのオイルポンプの設置場所とクーラーコアの設置場所にも困るもの。そもそもフロアにはそういったものを取り付ける前提ではないためスペースがあまりない。とくに車高が低い車では難しい。デフオイルクーラーがリアタイヤ後方に来てしまい、バックでの駐車時に車止めに当たってしまうので注意が必要になるなんてこともある。


また、その制御もひとクセある。駆動系オイルは粘度が高く冷間時にオイルポンプのスイッチを入れて循環させようとすると、ポンプが故障してしまうことがある。そこで温度が上がってからスイッチを入れる必要があるのだが、サーキット走行時になると走行に夢中でついスイッチを入れ忘れることも多い。そこで最近では温度センサーを取り付けて、設定温度になったら自動的にスイッチがONになるようにすることもある。そんなセンサーや制御を取り付けなければならないのも結構手間なのである。


オイルクーラーコアとポンプだけなら15万円程度だが、そういった制御やホースを切って、フィッティングを付けてといった工賃を考えるとあっという間に30万円コースになってしまうのもミッション、デフクーラーの特徴なのだ。


そこでミッションではダクトを引いたりすることが多い。デフの場合は大容量デフケースにしてオイルの容量を増やして温度上昇をゆっくりにしようという試みも多い。そういった周辺パーツの対策でオイルクーラー装着を回避する方法もあるのだ。

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