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外部パワーアンプに“外部”という語句が付くのはなぜ!?…キーワードから読み解くカーオーディオ

レスポンス / 2023年11月30日 6時30分

カーオーディオという趣味の世界では、専門用語が度々使われる。当コーナーではそれらの意味を1つ1つ解説し、初級者の「?」の解消を目指している。今回からは「外部パワーアンプ」に関するワードの意味を説明していく。


◆「パワーアンプ」はオーディオシステムに不可欠。しかしカーオーディオでは…


最初に「パワーアンプ」とは何なのかを説明しておきたい。これはつまり、音楽信号を増幅するための機材だ。オーディオ装置にて音楽を楽しもうとする際にはまず、メディアから音楽信号が読み取られることとなる。で、そのときの音楽信号は微弱な状態なので、そのままではスピーカーを駆動できない。スピーカーに取り付けられている「振動板」を動かすには、磁気回路にある程度大きな電気を入力する必要があるからだ。


なので「パワーアンプ」が使われることとなる。これを用いれば、微弱な状態の音楽信号をスピーカーを駆動できるレベルにまで増幅できる。


かくして、ホームオーディオでもカーオーディオでも「パワーアンプ」はシステムの中で不可欠な存在なのだが、カーオーディオでは市販の「パワーアンプ」の使用はマストではない。なぜならば、純正・市販を問わず「メインユニット」の内部には「パワーアンプ」も組み込まれているからだ。


というのも「メインユニット」には、音楽を楽しむためのメカがほぼすべて入っている。これ1台で用が足りるようにするためだ。ないのはスピーカーだけで、ラジオチューナー、地デジチューナー、CD/DVDメカ、プロセッサー、そして「パワーアンプ」までオールインワンで完成されている。なお場合によっては地デジチューナーやCD/DVDメカは省かれることがあるが、「パワーアンプ」が省かれることはない。


◆「外部パワーアンプ」の使用はマストではないのに、愛好家の多くはこれを活用!


さて、このようにカーオーディオでは「外部パワーアンプ」の使用はマストではないのだが、カーオーディオ愛好家の多くはわざわざ「外部パワーアンプ」を導入している。


その理由は単純明快だ。「外部パワーアンプ」を使った方が音が良くなるからだ。実は「内蔵パワーアンプ」には、性能的に多くを望めない。そうであるポイントは2つある。1つは「大きさ的な制約があるから」で、もう1つは「かけられるコストが限定的だから」だ。


まず「パワーアンプ」は、性能を上げようとすると筐体が大きくなっていく。大きな出力を取り出そうとすれば大容量のパーツを使いたくなり、使用パーツの数も増える。結果、全体が大きくなる。一部、小型化が利く仕組みもあるが、そうはいっても「メインユニット」は1DINとか2DINという小さなサイズの中で完結させなくてはならない。「パワーアンプ」に割けるスペースはごくわずかにならざるを得ない。


対して「外部パワーアンプ」には、サイズ的な制約はほほない。もちろん、ある程度の小型化が目指される場合もあるが、それでも「メインユニット」よりは大きく作れる。


◆「外部パワーアンプ」は製造コストの大半を増幅回路に注入できる!


そして「メインユニット」の「内蔵パワーアンプ」には、かけられるコストも限定的だ。競争を勝ち抜くために価格はある程度抑える必要があり、しかも他のメカにも予算を割かなければならない。


対して「外部パワーアンプ」には、信号を増幅するための回路のみに製造コストを投じられる。また「外部パワーアンプ」は音にこだわる層に向けて作られるので、性能を追求することで製品代がある程度高額化しても受け入れられる。結果、「内蔵パワーアンプ」とは比べものならないほどの高性能な「外部パワーアンプ」がわんさかと存在している。カーオーディオ愛好家はその中から気に入ったモデルを選び出し、それだからこその美音を満喫している。


というわけで、「メインユニット」の「内蔵パワーアンプ」と市販の「外部パワーアンプ」は、メカ的な役割は同一ながらも性能的にはかなりの差があり、ゆえにこの2つはいわば“別モノ”と言って良い。なので単体の「パワーアンプ」には“外部”という語句を付け、「内蔵パワーアンプ」と差別化している、というわけだ。


今回は、ここまでとさえていただく。次回以降も「外部パワーアンプ」に関連したワードの解説を続行する。お楽しみに。

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