<新連載>[実践! 初めてのカーオーディオ]スピーカー、選ぶべきはどんなモデル?
レスポンス / 2023年12月11日 6時30分
音楽好きなドライバーの多くは、その音楽を今よりもっと良い音で楽しみたいと少なからず思っているに違いない。しかし、何をどうすれば良いのかが分からない……。そう感じている向きも一定数いるはずだ。当特集は、そこのとこをガイドしている。
◆カー用の「スピーカー」は大きく3タイプに分類できる。選ぶべきはどれ?
より良い音で音楽を楽しみたいと思ったとき、まず手を付けるべきものとして思い浮かぶのは「スピーカー」だろう。実際、純正オーディオシステムがシンプルなクルマほど、「スピーカー」交換は有効だ。音の出口である「スピーカー」の性能が上がれば、聴こえてくる音の質も良い方向へとガラリと変わる。
で、問題となるのは「どんなモデルを選べば良いか」だ。今回から数回にわたっては、そこのところを掘り下げていく。
ところで、市販「スピーカー」にはタイプ違いがいくつかある。大きくは3つに分類できる。「コアキシャルスピーカー」、「セパレート2ウェイスピーカー」、「セパレート3ウェイスピーカー」、これらだ。
ちなみに、「スピーカー」の理想形は「フルレンジスピーカー」だ。「フルレンジスピーカー」とは、超高音から超低音までを1つのユニットで再生できるもののことを指す。そうであればもろもろが合理的かつシンプルで、ゆえにまとまりの良いサウンドを再生可能だ。
しかし実際はそうもいかない。「スピーカー」は振動板の口径が小さくなるほど低音再生が苦手になり、逆に大きくなるほど高音再生が苦手になる。なのでホーム用カー用を問わず、「スピーカー」は「マルチウェイ」である場合が多い。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1961411.jpg)
◆「初めてのスピーカー」として向いているのは、「セパレート3ウェイ」以外の2つ!
さて、「マルチウェイスピーカー」とは、複数の「スピーカーユニット」を用いて音楽を再生しようとするものだ。で、先述した3タイプのスピーカーは基本的に、すべてが「マルチウェイスピーカー」だ。最初に挙げた2つは高音を再生する「スピーカー」であるツイーターと中低音を再生するミッドウーファーとの2ユニットで構成されていて(「コアキシャルスピーカー」の中には一部、「3ウェイ」も存在する)、「セパレート3ウェイ」はそこに中音再生のスペシャリストであるミッドレンジ(スコーカー)が足される。
なお「セパレート3ウェイ」は製品の価格が高くなりがちで、「スピーカーユニット」の数が増えるので取り付け費用もかさみ、その上サウンド制御も難しくなるので「初めてのスピーカー」としては不向きだ。ゆえに選ぶべきは、「コアキシャルスピーカー」もしくは「セパレート2ウェイ」、これらのうちのどちらかだ。
では、それぞれにはどのような特徴があるのかを説明していこう。まず「コアキシャルスピーカー」は、ツイーターとミッドウーファーが一体化している。ミッドウーファーの同軸上にツイーターが装着されているのだ。ちなみに「コアキシャル」という単語には「同軸」という意味があり、「コアキシャルスピーカー」はその言葉どおりの構造をしているというわけだ。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1961464.jpg)
◆取り付け性が高く音のまとまりが良いのは「コアキシャル」。しかし人気が高いのは…
「コアキシャルスピーカー」はそのような構造をしているがゆえに、取り付け性が高い。ツイーターとミッドウーファーを個別に取り付けなくても良いからだ。結果、トータルの導入コストを抑制しやすい。
そして「コアキシャルスピーカー」は、音の出どころが左右それぞれで1箇所ずつとなるのでサウンドがまとまりやすい。ここは利点として大きい。しかし、音像が低い位置で展開しがちだ。高音から低音までが低い位置から放たれることになるからだ。
対して「セパレート2ウェイ」はツイーターを高い位置に取り付けられるので、音像が目の前で展開しやすい。高音は真っ直ぐに進もうとする性質が強く出どころも分かりやすいので、高音が高い位置から聴こえてくると出どころが分かりにくい低音もそこから放たれているものと錯覚する。ゆえに「セパレート2ウェイ」では、サウンド全体が正面から聴こえてくる。
で、そこを利点として重視するユーザーが多く、ゆえに「セパレート2ウェイ」の方が製品バリエーションも多くなっている。多彩なモデルの中から気に入ったものを厳選したいと考えるなら、「セパレート2ウェイ」がアドバンテージを発揮する。
今回はここまでとさせていただく。次回も「初めてのスピーカー」の選び方を解説していく。お楽しみに。
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