VWのキャンピングカーが大進化！ 歴代初の両側スライドドア＆PHEVで2024年春デビューへ

フォルクスワーゲン（VW）は、2023年8月にドイツで開催された「キャラバンサロン2023」にて、キャンピングカーの「カリフォルニア・コンセプト」をワールドプレミア。コンセプトと付けられたものの、この時点でほぼ市販仕様だったが、“正真正銘”の市販仕様をスクープした。

◆初の両側スライドドア＆PHEVで広がるアウトドアの楽しさ

カリフォルニアは、VWの商用バンをベースとした『マルチバン』のキャンピングカー仕様だ。初代マルチバンは、1985年に商用バン『T3』をベースに登場し、以降「T4」、「T5」、「T6」と設定されてきた。2019年には「マルチバンT6.1」が発売されているが、いよいよ「T7」へ世代交代となる。これに合わせて、キャンピングカー仕様のカリフォルニアもバージョンアップするというわけだ。

そして注目はパワートレインにある。これまでカリフォルニアにはPHEVパワートレインを搭載したモデルはなかったが、8月のコンセプト発表時に、PHEVモデルが設定されることを明らかにしている。今回スクープしたプロトタイプ車両にも、フロントフェンダーに充電ポートが装備されていた。

PHEVパワートレインは「マルチバン eハイブリッド」で用意されているものと同様と考えて良いだろう。1.4リットルのガソリンエンジンとシングルモーターで構成され、システム合計の最高出力は218psと予想される。一方で、VWグループは現在新開発の1.5リットルハイブリッドエンジンを段階的に導入する計画を持っており、新型『パサート』や『ティグアン』に続いて採用される可能性もありそうだ。

新型カリフォルニアは、すでにコンセプトで発表されている通り、ホイールベースを延長し、全長、全幅も拡大。居住性や快適性が大幅に進化する。従来は車体左側にキッチンが固定されていたため、スライドドアの開閉は片側のみだったが、新型では歴代モデルで初の両側スライドドアを採用、車の内外からも利用できるキッチンを備えた新しい3ゾーンコンセプトを実現するなど、キャンピングカーとしての魅力を大幅に高めている。

PHEVの大きな利点は、より遠くまで出かけてアウトドアを楽しめること、そしてより多くの電力を蓄えることでさまざまなアクティビティに活用できることだ。とはいえ車両の価格帯も大幅増となることは避けられないため、従来のガソリンエンジン仕様とディーゼルエンジン仕様も用意されるはずだ。

新型カリフォルニアの市販デビューは、2024年春と予想される。