【VW ゴルフR 20 Years 新型試乗】歴代「R」最強ながら、望むままの走りを堪能させてくれる…島崎七生人
レスポンス / 2023年12月17日 17時0分
VW『ゴルフ』の初代「R32」の本国登場は2002年。そこから20年を迎えたのを機に登場したのがこの『ゴルフR 20 Years』だ。日本ではちょうど2003年の導入から20周年となる今年、特別仕様車として発売された。
◆歴代「R」最強の専用スペック
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1960042.jpg)
この20 Yearsだが、特別仕様ということでスペックも専用に仕立てられている。具体的には搭載する2リットル(1984cc)直列4気筒DOHCインタークーラーターボの最高出力が320ps(235kW)から333ps(245kW)に。この専用チューンにより、VWによれば0→100km/h加速はベース車に対しコンマ1秒速い4.6秒、最高速度も270km/hに高められたという。もちろん歴代R中では最強。
さらにDCC(アダプティブシャシーコントロール)に通常の3モードのコンフォート、スポーツ、レースに加え、ドリフト、スペシャルの2モードが加えられている。スペシャルはドイツ・ニュルブルクリンク(北コース)でテストされたモードだそうで、トラクション、安定性を重視しながらコーナリングスピードを向上させる各種パラメータが採用されているのだそうだ。ドリフトはトルクベクタリング付き4MOTIONとESCスポーツモードへの自動切り替えとの組み合わせでオーバーステアを作り出し、ドリフト走行を狙い通りに楽しめるモードだ。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1960040.jpg)
ほかにアクラポビッチ製チタンエクゾーストシステム、ブラック塗装の8J×19インチアルミホイール(試乗車は235/35R19・GYイーグルF1スーパースポーツを装着)などを装備。外装ではほかに専用の大型ルーフスポイラーも装着する。
インテリアではナッパレザーシート、リアルカーボンデコラティブパネルなどを備える。とはいえ、いたずらに主張や装飾が過ぎず、反対にストイック過ぎもしない落ち着いたムードは好感がもてる。
◆ドライバーの望む走りを堪能させてくれる
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1960036.jpg)
無論このクルマが本領を全幅で発揮、そのことを身をもって体感できるのはサーキット、もしくは然るべき場所だろう。が、少し足を伸ばせば辿り着くちょっとした峠道を少しいいペースで走っただけでも、特別仕様のこのRは、ドライバーに走らせる愉しみを十分に味わわせてくれた。
印象的なのは4MOTIONによるあくまで安定したライントレース性やロードホールディング、ベストな操舵感など。また乾いた排気音を伴いどこまでもパワーを発揮し続けるエンジンフィールも格別。それとアクセルを踏み込んだ時だけでなく戻していくときの、自分の右足が完璧にクルマと繋がったかのようなエンジン回転の下がり具合も印象深い。要は別格の高性能車でありながら、あくまでドライバーの意志に従順で、望む走りを堪能させてくれる……そんなクルマに仕上げられている。
ちなみに2名乗車時のタイヤ指定空気圧は前後とも320kPa。けれど街中の荒れた舗装路でも不快感はなかった。792.8万円(写真のラピスブルーメタリックのボディ色は4.4万円の有償オプション)の価格設定ながら、普段使いでも通用するクルマでもある。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1960043.jpg)
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ヒョンデ アイオニック 5 N(IONIQ 5 N)試乗記・評価 驚異の走りと脅威な価格
CORISM / 2024年7月14日 20時6分
-
VWが「初代ゴルフGTI」を今も大切にし続ける訳 ゴルフ50周年イベントで滲ませたストーリー
東洋経済オンライン / 2024年7月11日 10時0分
-
世界最速の量産フォルクスワーゲン車が誕生、『ゴルフR』改良新型 価格は5.4万ユーロに
レスポンス / 2024年7月8日 8時0分
-
【日産 アリア B9 新型試乗】雪道でなくとも安心感ある「e-4ORCE」の洗練と素性のよさ…島崎七生人
レスポンス / 2024年7月6日 12時0分
-
【ホンダ ヴェゼル 新型試乗】『WR-V』よりも“雰囲気”を求めたいユーザーに…島崎七生人
レスポンス / 2024年7月2日 12時0分
ランキング
-
1「再訪したい国」日本が世界首位 人気地域に人出集中する傾向
共同通信 / 2024年7月29日 16時51分
-
2エンジンを冷やす「冷却水」は“水道水”で代用できる? 漏れ「放置」は絶対NG! 経年車で起こるトラブルとは
くるまのニュース / 2024年7月29日 14時50分
-
3「1人で食事が常態化」現役世代の孤食という問題 コミュニティーディナーを始めた会社の意図
東洋経済オンライン / 2024年7月29日 14時0分
-
4「大谷翔平の新居バレ報道」は誰の責任なのか…アナウンサーに「謝罪係」を背負わせるテレビ局の特殊体質
プレジデントオンライン / 2024年7月25日 10時30分
-
5日銀の利上げで今後の住宅ローン金利は上昇傾向へ、それでも「変動金利」が有利な理由
マイナビニュース / 2024年7月29日 6時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)