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軽量化だけじゃない! ボンネットに秘められたエンジン冷却の可能性~カスタムHOW TO~

レスポンス / 2024年1月20日 6時30分

軽量化といえばカーボンボンネットが一世を風靡した時代があった。最近あまり見ないが軽量化の効果はないのだろうか。また、ダクトで熱を排出すれば水温や油温もギュッと下げることができるのか。


◆カーボンボンネットは衰退したのか?
時代と共に移り変わるボンネットの世界


『頭文字D』の主人公藤原拓海のAE86は途中からボンネットがカーボン化された。その昔、大人気だったSPOONのEK9シビックタイプRは黄色いボディに黒いボンネットがセンセーショナルで、グランツーリスモシリーズにもそのまま収録されていた。


それほどまでにレーシングなチューン=カーボンボンネットだったが、最近はそれほど見なくなっている。もちろん、カーボンボンネットをボディ同色に塗って使っている人もいるので、黒いボンネットではないということもあるが、大きな理由は純正ボンネットが軽くなっていることにある。


AE86やシルビアの時代はボンネットは鉄製でずっしりとした重さがあった。ところが86/BRZなど今どきのスポーティカーは純正でアルミ製ボンネットが備わっている。AE86時代は16kgほどあったボンネットが、アルミ製となった86では約8kgと半分の重さになっているという。カーボンボンネットと呼ばれている一般的なウエットカーボン製のボンネットだと重量は約5kg前後。そうなるとAE86の場合は10kg以上の軽量化になるが、86の場合だとわずか3kgほどしか軽くならない。そういった費用対効果が薄れていることからボンネット交換をする人が少なくなったのだ。


◆今の時代はボディ側の軽量化がトレンド
ボンネット交換は効果が無いのか?


最近ではボディの軽量化がトレンドになっている。少しでも軽くすることが運動性能と低燃費の両立につながるからで、GRヤリスではボンネット、左右ドア、リアハッチがアルミ製。ルーフはカーボン製という組み合わせてでノーマルの状態で軽量に作られているのだ。それでも樹脂製ボンネットにすれば数kgではあるが軽量に仕上げることができる、とくに軽量なドライカーボンであればなおさらだ。


ドライカーボンはレーシングカーなどに使われる高価な材料で、カーボンのシートを高温高圧で焼いて成形してある。対する一般的にカーボンと呼ばれているウエットカーボンはカーボンのシートをプラスティックの液体で固めてあるもの。このカーボンのシートをガラス繊維のシートで作ればFRPと呼ばれるものになる。ドライカーボンに比べてどうしても重く、強度も落ちるのでレーシングカーのようにボディ自体を作ったりはできないが、外装パーツ程度であれば十分に使うことができるのだ。


カーボンボンネットやFRP製ボンネットには軽量化だけでなく、ボンネットにダクトを設けられる利点もある。エンジンルームの熱をダイレクトに逃がすダクトを設けることで、水温や油温を下げ、また吸気温度を下げることでエンジンパワーを低下を防ぐことができる。


このダクトの位置は各メーカーのノウハウが現れる部分だが、一般的に空気を抜くならストラットタワー付近に穴を開けたほうが抜けやすいと言われている。エンジンの真上あたりは意外と空力的には流速が速くない部分で、あまり内部の空気が抜けていかないそうだ。そういったダクトというメリットもあるので、アフターパーツのカーボンやFRP製ボンネットには軽さだけでないアドバンテージがあるのだ。


気をつけたいのは有名メーカーのものを選ぶことと、サーキットで使うならボンネットピンを使うこと。リーズナブルなアジア各国製のボンネットだと、キャッチ部分の作りが弱く、不意にキャッチが取れてボンネットが開いてしまうことがある。


有名メーカーでもサーキット走行時は予想以上の風圧が掛かるので、できるだけボンネットピンを取り付けて固定するようにしたい。ボンネットが開いてしまうと視界が遮られるだけでなく、フロントガラスは割れ、場合によってはルーフまで凹んでしまう。ルーフ張替えは事故車扱いになってしまう一大事なので、そういったトラブルを防ぐためにも面倒だがボンネットピンの使用が推奨される。

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