EVはタイヤへの負担が意外と高い? ガソリンスタンドに行かなくなって気づくこと【日産 サクラ のメンテナンス】
レスポンス / 2024年1月28日 8時0分
EVのメンテナンスは難しいのか? ガソリン車とどう違うのか? 短期連載の1回目『EVの維持は簡単?「点検項目」ガソリン車との違いは?』では、一般的な日常点検の項目からそれぞれの違いをチェックした。2回目はタイヤに関する点検事項をとりあげる。
本稿では、筆者所有の日産『サクラ』を例にするが、一般的なEVについても重複する部分も多い。メンテナンスの詳細は、各車の取り扱説明書を必ず読んで、必要ならディーラー整備士などに相談しながら各自の責任で行ってほしい。
◆タイヤの空気圧からみてみよう
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日常のメンテナンスや整備は、EVも一義的にはディーラーや専門家、メーカー・ディーラー系のモバイルサービスにまかせるべきだが、自分できることは自分でやったほうがいい。法律でも車両の運行管理責任は所有者にある。
EVは、先ほど述べたようにタイヤへの負担が意外と高い。また、ランニングコストの安さと快適な動力性能から、EVオーナーはガソリン車を所有していたときより、走行距離が延びるという報告もある。EV移行期だから(相対的に楽しいと感じる)という側面もあるが、EVこそメンテナンスが重要ともいえる。そして、ガソリンスタンドを使わなくなるので、ちょっとした整備も自分でやらなければならない、自分でやったほうが楽、というシチュエーションもでてくる。
たとえば、タイヤの空気圧チェックは、ガソリン車なら給油のときにやってもらうことができる。だが、EVの場合、ディーラーに持ち込むか自分でやることになる。ガソリンスタンドもEVのエアチェックを拒否することはないはずだが、利用する側としては心理的なハードルではある。同様にスタッドレスタイヤの交換作業、ローテーション作業(タイヤの減りが早いEVにおいて、高価なタイヤを長持ちさせるために重要)も、ガソリンスタンドはお願いする対象からはずれる。
なお、サクラの規定空気圧は4輪とも240kPa。サクラはスペアタイヤは搭載されていないが、電動の空気入れがついている。本体が樹脂製で安っぽく感じるが付属エアゲージは意外と正確だ。このメーター読みで空気圧調整したあと、別のゲージで測ってもそれほど誤差なない。パンク時は応急修理キットで対応する。
◆EVタイヤ交換の注意点
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1972696.jpg)
EVオーナーなら、タイヤ交換を覚えておいて損はない。交換手順や注意点は他の車との違いはない。車両の取り扱い説明書などを参考に行えばよい。
自分で行う場合、ジャッキ、ホイールレンチ、トルクレンチは最低限用意しておくこと。ガレージジャッキなどで2輪以上を同時に持ち上げるなら、「当て馬」を使って安定させる。ホイールレンチはL字タイプより十字タイプのものがおすすめだが、電動のインパクトレンチがあると作業がかなり楽になる。車両取り扱い説明書に記載されたホイールの締め付けトルク(サクラは98Nm)を参考に100Nmから200Nmあたりのインパクトレンチを利用する。
最終的な締め付けトルクの確認はトルクレンチで行うこと。自分の持っているトルクレンチは古いタイプでマクロメーターのような目盛りでトルクを設定する。いまはデジタル表示のものがでているのでそちらがおすすめだ。レンチでの締め付けは「仮」とし、最後はすべてのナットをトルクレンチで締め付けること。「カチッ」と音がしたら規定トルクに達したので、そこで締め付けをやめる。何度もカチカチさせてはいけない(締めすぎになり、トルクレンチにもダメージを与える)。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1972687.jpg)
タイヤ交換でジャッキアップするとき、EVは細心の注意が必要だ。説明書で必ずジャッキアップポイントを確認し、その場所以外にジャッキをあてない。ジャッキも車両に付属のものを使う。フロア下部にはEVの心臓ともいえるバッテリーが設置されている。ジャッキを当てるポイントに注意してフレームやバッテリーケースに傷をつけないようにする。
サクラはエンジン車のデイズとシャシーフレームを共用(デイズ開発時にEVを想定していた)しているので、ジャッキアップポイントは従来からの車と違いはない。サイドシルの下をのぞくと、鋼板を貼り合わせたリブに目印の切込みがある。必ずこの場所にジャッキをあてること。
この説明でわからない人、不安がある人は迷わずディーラーにお願いすること。今の車は自分で整備できなくてもなんら恥じることはない。
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