タイヤ交換時にチェックするプラスワン! ホイールバランス調整の裏技とは?~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2024年2月24日 6時30分
タイヤを交換したときに行うホイールバランス調整。専用の計測器で測定することで重さが足りない点を計測。そこに重りを付けることでタイヤが回転したときに振動が出てボディやステアリングに伝わることを防いでくれる。
このときにプロは当然行っていることだが、タイヤとホイールを組む場所はその目安がある。多くのメーカーではタイヤを製造時に1本ずつ計測し、そのタイヤのもっとも軽い点が黄色いマークで示されている。
◆回転をスムーズにするバランスウエイトの装着位置とは
ホイール側はエアバルブがある場所がもっとも重いはずでその軽点マークとバルブの位置を合わせて組むのが定説とされている。そうすることで重さと軽さが打ち消しやすく、ホイールバランスウエイトを少なくできるという考えだ。
だが、その場所で組んだときにタイヤの丸さとホイールの丸さが必ずしもベストとは限らないことがあるのだ。そもそもタイヤも完全な真円ではない。ホイールも同様に完全な真円ではない。限りなく真円に近いがわずかにズレていることもある。その2つの円を組み合わせると場合によってはわずかにタイヤが回転したときに上下にフレることがある。ホイールバランス調整をするときに高速回転させるとわかるが、タイヤがグワングワンと上下に動いていることがあるのだ。
そういった場合に行うのが位相合わせと呼ばれる作業。これはタイヤとホイールの噛み合っている場所を変えること。一旦空気を抜いて、ビードを落としてから力を入れてタイヤだけを回すことでタイヤだけを回すもの。意図的に軽点マークとホイールのエアバルブの位置をズラすのだ。そうすることによって上下にグワングワンと動いてタイヤを真円に近づけることができる。しかし、その位置にすればいいか明確にはわからないので、ある程度ズラしてみて再び空気を入れてからタイヤを回転させて確認する作業が必要となる。
◆バランスウエイトは乗り心地に大きな影響をもつ
この位相合わせをバッチリすると確かに乗り心地が良くなる。これまでわずかにタイヤが上下にフレていたのが本来の乗り心地だと思っていたが、ほぼフレが無いまで位相合わせをすればフラットでしっとりとした乗り心地を感じられるのだ。
ならば、毎回それをやれば良いのだが問題はその手間。一旦タイヤとホイールを組んで回転させ、その回転を見て一度ビードを落としてズラして再度空気を入れて回転させて確認するという作業を4輪とも納得するまで行うと相応の時間がかかってしまう。そうなると必然的に工賃もかさむわけでなかなか現実的にはそこまでやってもらえるお店が少ない現状もある。だが、そういった徹底したタイヤの組み方を売りにしているお店もある。ホイールバランスだけでなくいかに綺麗に回転するかを追求しているプロの技を是非体感してもらいたいところ。
そんなきちんと組んだタイヤを装着するならホイールはぜひハブで支持してもらいたい。純正ホイールはその中心がハブ面の中心にガッチリ噛み合うようになっていて、スタッドボルトとナットはホイールを締め付ける役割で、荷重を受けるのはハブで受けるようになっている。
アフターパーツのホイールだとさまざまな車種に取り付けられるようにハブのホールが大きくなっていて、そのままでも取り付けられるがハブセンターによる支持ではなく、スタッドボルトとホイールナットによる支持になってしまう。こうなるとスタッドボルトで荷重を受けているので本来の設計とは異なるし、なによりホイールが中心からわずかにズレて取り付けられてしまうこともある。
◆社外ホイールを装着する場合にはハブリングは必須!?
そこでハブリングを装着し、ホイールとクルマのハブセンターがガッチリと噛み合うようにすることで、ホイールは確実に中心位置で回転することができる。せっかく位相合わせしたタイヤがちゃんと取り付けられることで正しく回転してくれるようになるのだ。
こうした取り付けや位相合わせ、ホイールバランス調整でタイヤは驚くほどフィーリングが変わる。ビシッとまっすぐ走るようになり、乗り心地もよくなる。そういったメリットがあるのでタイヤ交換時だけでなく、車検ごとや毎年こうした調整を行うのも手。数万円の出費で気持ちよく走れるようになるのであれば費用対効果はかなり高い。パーツを取り付けるだけがチューニングではなく、こうした調整、調律も立派なチューニングなのだ。
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