フィアット、新グローバルプラットフォームで新型車攻勢へ…2024年から毎年1車種ずつ
レスポンス / 2024年3月3日 17時30分
フィアットのオリビエ・フランソワCEOは2月25日、製品ラインナップの次のステップを明らかにした。常に変化する世界のモビリティ市場にフィアットは、『パンダ』にインスパイアされた製品コンセプトの新型車ファミリーを導入する。
◆パンダ、メガパンダ、ギガパンダ
新型車は共通のグローバルプラットフォームを共有し、電気、ハイブリッド、ICEパワートレインを用意して、世界中の顧客に提供される。2024年7月には新ファミリーの最初の車が発表され、その後3年間で毎年1車種ずつ新型車が発売される予定だ。
新しい製品群は、世界中のストリートを征服して、ブランドのラインナップを完成させる。グループの一員として、フィアットはステランティスの新開発グローバルプラットフォームを用いて、そこにイタリアの創造性、すなわち美しさとシンプルな機能性を組み合わせる。
フランソワCEOは「フィアットは2023年に130万台を販売し、世界の多くの地域でリーダーシップを持つ。私たちはグローバルなゲームに参加しており、次のステップは、世界中のすべての顧客に利益をもたらすグローバルな提供への移行だ。今から4か月後のブランド125周年記念の際に最初の車を発表する」と述べている。
◆グローバルプラットフォームとマルチエネルギー対応
新型車はいずれも「機能性は楽しくないと存在できない」というフィロソフィを共有し、いっぽうで単一のグローバルプラットフォーム技術をシェアしながら、投入される地域の特性に配慮しながら設計される。そして世界中のどこで作られても、世界中の顧客に届けることができる。またマルチエネルギー対応プラットフォームなので各種パワートレイン(電気、ハイブリッド、ICE)を搭載できる。
フィアットは、「より少ないことはより多いこと」のアプローチで、持続可能で、アフォーダブルな価格の車の開発に挑戦している。余分な部品を取り除き、クロム、合金、レザー、シートの発泡材などの汚染物質を減らし、空力性能に新た焦点を当てている。これはファストバック・コンセプトが好例だ。さらにモデュラー構造を展開して、インテリアも含めて、最大80%の部品を共有するという。
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紹介されたコンセプトカー群は以下の通り。
●City Car
プレゼンテーションでまず紹介されたのは新型シティカーだ。現行のパンダよりも大きく、「メガパンダ」と呼んでも良いこの車は、フィアットの発祥地であるトリノの象徴的なリンゴットビルディングとその屋上のテストトラックからインスピレーションを受けたデザインだ。屋上の「ラ・ピスタ500」トラックの長円形が、ダッシュボード、ディスプレイ、シートなど内装デザインのモチーフになっている。
さらに再生プラスチックや竹を原料にしたファブリックなど、サステイナブルな素材の使用を重視した。また「自己巻取りケーブル」を採用し、充電時のプラグ抜き差し作業を容易にすることで、BEV利用移行への障害を低減しようとしている。高い乗車位置と頑丈そうなスタイリングは、特に混雑した都市環境でのユーザーに好まれるものだ。同時に、週末や休暇の家族旅行に充分な広さと機能性を用意する。
●Pick-Up
次に紹介されたのはピックアップだ。フィアットは南米市場のリーダーであり、『ストラーダ』ピックアップはブラジル市場でのベストセラーだ。フィアットは、このタイプの車がヨーロッパを含む世界市場で成功すると期待している。新しいピックアップ・コンセプトは、ピックアップや商用バンの機能性と、SUVの快適さとを、都市環境に適したサイズの中で融合させる。フィアットは、アウトドア活動は趣味以上のものであり、新型ピックアップは個人のライフスタイルを最大限に拡大する、としている。
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●Fastback
ファストバックは、ブラジル向けの『ファストバック』と中東・アフリカ向けの『ティーポ』という、ヒット作の後継車であり、さらにはヨーロッパでも地位を確立することをめざしている。ファストバックは、パフォーマンスを犠牲にすることなく持続可能な目標を達成しようとする試み。ダイナミックなシルエットと空力的なパフォーマンスは、新鮮な印象と優れた燃費を狙ったものだ。
●SUV
4つ目のコンセプトは、広々としたファミリー向けSUVで、「ギガパンダ」とも呼ばれる。フィアットは、自身が「手頃な価格で革新的で持続可能な移動手段の先駆者」であるとの自負に沿って、ファミリーカー需要を重視していることを新型SUVによって改めて訴求する。安全性、多機能性、デザインというニーズに応え、室内の広さと堅牢な車体を用意するという。
●Camper
最後に紹介されたコンセプトはキャンピングカーだ。“万能車”であり、新しい“ドルチェヴィータ”スタイルを特徴とし、人々を結びつける。このコンセプトは、80年代のパンダを再解釈し、都市向けの車でありながらSUVの機能性を併せ持ち、ユーザーの信頼できる仲間になるという。
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