アメリカから筑波Attackに初参戦でいきなり歴代3位! 衝撃の51秒台を記録したコルベットの秘密に迫る
レスポンス / 2024年3月6日 11時0分
タイムアタックとはレースでいう予選と同じで、1周のタイムを競う競技。連続周回してその順位を競うのではなく、ベストタイムが速いほうが偉いという競技。
JAFやFIAのような組織による統一ルールはなく、タイムアタックイベントごとにオリジナルのルールが存在しているので、様々なチューニングやアプローチがあるのが特徴。
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現在日本国内ではもっとも大規模に開催されているのが「Attack」だ。今回は筑波サーキットで開催される「シバタイヤ presents Attack Tsukuba 2024(Attack筑波2024)」にシボレー『コルベット(C6)』が参戦。歴代3位の公式記録となる51秒231のタイムを叩き出し、驚きの速さを見せた。
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アメリカから参戦したフェラス・カルトゥーミ選手は自らクルマをメイクし、自分で乗る純然たるプライベーター。クルマはカーボンケブラーを駆使した軽量ボディが目を引き、車重は1200kgそこそこだという。純正比で300kg近く軽量化されている。
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エンジンの排気量は約7リッター。ノーマルではNAだが、そこにターボを組み合わせる。巨大なタービンを普通はどうエンジンルームに収めるべきな悩まされる所だが、このコルベットの場合は潔くフロントタイヤ後方に設置。フロントフェンダーをぶった切って左右に取り付けられたタービンは、それぞれ片側のバンクを受け持つツインターボ方式だ。
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タービンを効率よく回すにはできるだけエンジンにタービンが近い方が良いのがセオリー。この位置にあるとエンジンからかなり距離があり、タービンを回すのには不利だが、そんな不利が気にならないほどの排気量があるということなのだろう。
筑波サーキットのタイムランキングではファイヤー安藤選手のランエボが49秒897でトップ。エンジンは純正2Lを2.2Lにして使用。2位のアンダー鈴木選手のシルビアも2Lを2.2L化して使用している。
それらの日本的な軽量コンパクトなエンジンをベースにするのとは真逆で、このコルベットではその3倍以上の排気量がある。圧倒的な排気量はあふれるトルクを生み出し、タービンレイアウトの不利さをもフイにしてしまっているのだろう。
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ピークパワーは1300psほどというが、日本に来てからはブーストが上がりきらない細かなトラブルもあったようで1050ps程度のブースト圧に押さえていた。
それでもバックストレートの最高速は250km/h。ファイヤー安藤ランエボが253km/hとわずかに劣るだけで、フルパワーだったらば、それ以上の最高速と50秒切りも見えてきてしまうのでは……? と思わせた。
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そこまでタイムに影響はないと思うがファイヤー安藤選手もアンダー鈴木選手もパドルシフト化されているが、このコルベットの場合はシーケンシャルにミッションのIパターンシフト。パドルシフトによるメリットもあるが、複雑さは増すのでトラブルに備えてのことだろう。
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足まわりはどれだけすごいのかと思うと案外普通。ペンスキーの別タンク式ダンパーにコイルスプリングを組み合わせ、スタビライザーもブレード式などにはなっておらず穴位置で調整するタイプ。ブレーキはアルコンの2ピースキャリパー。アームも延長などされておらず至って普通なのだ。
視察に来ていたアンリミテッドワークスの佐藤和広代表は、サイバーエボのメンテナンスを請け負いオーストラリアのWTAC(ワールドタイムアタックチャレンジ)で優勝経験もあるが、驚くのはそのチーム体制。
「数人でアメリカから来ていることにビックリです。この速さのクルマで数人で走れるということはそれだけトラブルが少ないということ。しかも、ドライバーは普通にエンジンを掛けてそのままコースインしていく。ジャッキアップして駆動系のウォームアップとかも特にないです」とクルマの完成度さに感心する。
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オーストラリアや日本にまで遠征するだけあって、できるだけトラブルを起こさないようなクルマづくりがされているのだろう。その作り込みこそ速さだけでなくこのコルベットの凄さ。世界のどこでも存分にサーキット走行を楽しめるように作られているのだ。
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