[入門・ハイエンドカーオーディオ]スーパーマルチウェイという超上級アプローチとは…?
レスポンス / 2024年3月12日 19時0分
「理想のサウンドを追求する」という楽しみ方のことを当特集では、「ハイエンド・カーオーディオ」と定義しその魅力を分析している。今回は、近年徐々に実行されることが増えている超上級スタイル、「スーパーマルチウェイ」をクローズアップする。
◆「フロント3ウェイ」よりもさらに高度なスピーカーレイアウトが人気に!?
早速、「スーパーマルチウェイ」とは何なのかを説明していこう。まず「マルチウェイ」とは、口径の異なるスピーカーユニットを複数用意し、各スピーカーに役割分担をさせて全帯域をよりスムーズに鳴らし切ろうとするものだ。
ちなみにカーオーディオでは、「フロント2ウェイ+サブウーファー」というスピーカーレイアウトがスタンダードで、それに続いて「フロント3ウェイ+サブウーファー」が上級者に挑戦されることが多くなっている。そしてその「フロント3ウェイ」については前回の記事にて解説した。
で、「スーパーマルチウェイ」とは当記事にて命名した名称なので今のところ一般的には使われてはいないが、つまりは「フロント3ウェイ」よりさらに多くのスピーカーユニットを用いるやり方のことを指す。昨今、音にこだわる強者が集う「サウンドコンテスト」会場で各車のシステムをチェックすると、「フロント4ウェイ」や「フロント5ウェイ」、さらにはそれらにセンタースピーカーも加えた複雑なスピーカーレイアウトを敷く車両を度々見かける。それらが「スーパーマルチウェイ」だ。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1991803.jpg)
◆「スーパーマルチウェイ」には大きな利点がある反面、デメリットもある…
では、この利点と不利点とを説明していこう。もっとも大きな利点は、「各スピーカーの負担を減らせること」だ。スピーカーユニットの数が増える分、各ユニットの担当範囲を狭められる。結果、各スピーカーそれぞれが得意な仕事に専念できるようになるので、サウンドのクリア度が上がる。
しかし不利点もある。それは主には2つある。1つは「コントロールの難易度が上がること」だ。スピーカーユニットが増える分、サウンドチューニングにおいてケアすべきポイントが増える。その増え方は、足し算ではなくむしろかけ算で増す。経験豊富なプロでないと、利点を引き出すための良好で的確なコントロールをし難い。
そして不利点の2つ目は、「コストがかかること」だ。スピーカーユニットが増える分だけ製品代がかさみ、加えてインストール費用も多くかかる。そしてパワーアンプのch数も多く必要となる。カーオーディオでは高度なシステムを構築しようとするときには「マルチアンプシステム」が組まれることが一般的になっていて、当システムでは1つのスピーカーにパワーアンプの1chずつをあてがうこととなるので、スピーカーの数が増えれば自然とシステムは大型化せざるを得なくなる。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1991804.jpg)
◆実践方法は主には3つ。創意工夫を発揮して、それぞれのスタイルで良音を追求!
続いては、「スーパーマルチウェイ」の具体的な実践法を紹介していく。やり方は大きく3つある。なおすべて「フロント3ウェイ」からの発展型となる。
まず1つ目は、「スーパーツイーターを足す」というやり方だ。「スーパーツイーター」とはツイーターの再生範囲の上側の帯域の再生を担当するもので、これを導入することで超高音がスムーズに再生されることとなり、その影響により低音から中音のクオリティもアップする。
2つ目のやり方は、「ミッドレンジ(スコーカー)を増やす」というものだ。ミッドレンジは、音楽のもっとも美味しい部分の再生を担う重要なユニットなので、それをもう1つ加えることで両方のミッドレンジがストレスなく伸び伸びと中音を再生できるようになる。さらにはミッドウーファーの担当範囲も狭められるので、低音の再生クオリティアップも見込める。
そして3つ目のやり方は、「サブウーファーを足す」というものだ。そのサブウーファーにもともと備わっていたサブウーファーの上側の帯域とミッドウーファーの下側の帯域の再生を担わせる。そうすることでサブウーファーとミッドウーファーの負担を減らして、低音の充実を図れる。
カーオーディオでは、創意工夫を発揮することが楽しみどころともなる。「スーパーマルチウェイ」はそれぞれのやり方ごとで工夫のしどころが多くあり、その意味でもやり甲斐が大きい。
今回は以上だ。次回以降も「ハイエンド・カーオーディオ」の楽しさについて深掘りしていく。お楽しみに。
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