ボディ補強の進化! 伝統的な方法から革新的なアプローチへの移行~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2024年3月23日 6時30分
ボディ補強チューンは昔から人気のカスタマイズのひとつ。ボディがしっかりするとステアリング操作に対する精度が高まるし、乗り心地も良くなる。
デメリット少なく、得られるものが多いとさまざまなアプローチのチューニングが行われていた。そこでは時代によって流行があり、爆発的に流行ったと思ったら違うものが流行ったりと実は入れ替わりが激しいもののひとつでもある。これまで人気のあったボディ補強チューンを振り返ってみる。
1:発泡ウレタン注入
これはメインフレーム内の空洞にウレタン樹脂を注入する。それが膨張してフレーム内に充満することでボディ剛性がアップするというもの。90年代から00年代には大流行した。ボディ補強というとタワーバーの追加などが一般的だが、重量増は避けられない。それが発泡ウレタン注入は重量増がほとんどないので、デメリットが少ないと人気のチューニングだった。
効果には賛否あったが、一定の効果はあると言われていた。しかし、経年劣化でウレタンがボロボロになってきてしまう。事故やクラッシュ時にフレームなどに溶接が必要になったときに、ウレタンに火が付いてクルマごと燃えてしまう可能性がある。などの理由から発泡ウレタン施工済みのクルマは修復が難しいと言われ、徐々に施工されるクルマは減ってしまった。それでも短期間使う予定のレーシングカーや草レース車両などではありな選択肢だろう。
2:スポット増し
ボディはさまざまなカタチにプレスされた鉄板をスポット溶接して組み立てられている。このスポット溶接を追加するのが「スポット増し」と呼ばれるチューニング。ドアのまわりなど純正スポット溶接の間にスポット溶接を追加して入れることで、ボディの接合を強くして剛性アップをしようという狙い。こちらも利点はクルマが重くならないこと。
しかし、ボディを溶接するので一旦該当部分の塗装を剥がして、スポット溶接後は再びサビ止めと塗装が必要。それでも錆びやすくなるなどのデメリットもあった。レーシングカーではボディ全体にバランスよくスポット増しをするのが常識だが、そこまでしようとするとあらゆるパーツを剥がしてホワイトボディ状態にしなければならない。そうなるとかなりのコストが必要。そこでドアまわりとかトランクまわりだけスポット溶接を入れる場合もある。
現在でも行われているが、最近のクルマはそもそも剛性がある程度あり、ここまでしてボディ補強をしなくても十分なレベルが多いのも、以前ほど行われていない理由だと思われる。
3:リベット打ち
スポット増しに近い効果を得るために、鉄板が重なっている箇所にドリルで穴を開け、そこにリベットを打っていくのがリベット打ちチューン。溶接ほどではないがリベットで鉄板同士の接合を強くすることでボディ剛性アップに貢献するという。どちらかというとプロショップよりもDIY派に行われていたチューニング。休日のたびにせっせとドリルで穴を開けてリベットを打っていくという地道なボディ補強だ。
今でも旧車などでも行っている人もいるが、かなりの手間が掛かる割に本当にリベットでボディ剛性が変わるのかという部分もあり最近ではなかなか見ないチューニングになってしまった。
4:ロールバー装着
こちらは今でもサーキット派には定番だがすっかりストリート派では装着が減った。そもそもロールバーは車内に鉄パイプを張り巡らすことでボディ剛性をアップさせるように思えるが、メイン目的は横転時などの乗員保護。レーシングカーではピラーやボディに溶接留めするのでボディ剛性アップになるが、ストリートカーで車内にネジ留めでロールバーを入れる場合、ボディ剛性アップの効果はほとんど期待できない。
むしろ数十kg重くなるデメリットもあるので、ボディ剛性と言うよりは安全パーツとして捉えてもらいたい。そういった意味でサーキット派では装着率は高いが、ボディ補強として装着する人が減ったこともあるだろう。
5:パフォーマンスダンパー
逆に最近流行しているのがパフォーマンスダンパーなどの剛性アップとは異なるボディパーツの装着。これはYAMAHAの特許である「パフォーマンスダンパー」が代名詞的なもので、ボディ前端と後端に装着し、ボディの無駄な振動や揺れを吸収することでハンドリングが良くなり、乗り心地もマイルドになるというパーツ。
似たような狙いではTRDやSTIからもボディを固めないボディ剛性パーツがリリースされている。最近はこういったボディのしなりを活かした剛性パーツが増えて来ている。
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