【ホンダ アコード 新型試乗】「クルマの基本型はセダンである」ことを改めて確認した…諸星陽一
レスポンス / 2024年3月23日 21時0分
フルモデルチェンジし11代目となったホンダ『アコード』。モデルチェンジを重ねるにしたがって車格を上げてきたホンダのセダンに試乗した。
初代アコードは1976年のデビュー。いまでこそアコードといえば4ドアセダンが基本型だと思われているが、初代は3ドアハッチバックからのスタートだった。アコードにセダンが登場したのは翌1977年のこと。当時はアコードがホンダ車のなかでもっとも上位に位置するモデルであった。
1981年にフルモデルチェンジを迎え2代目となると姉妹車として『ビガー』が設定される。ビガーはアコードよりも上のモデルに位置づけられ、アコードのフラッグシップ時代は終了。以降『レジェンド』の登場などもあり、アコードはホンダの上から2番目のクルマとして存在していたが、2022年にレジェンドが姿を消し、ふたたびフラッグシップとなった。
2023年にフルモデルチェンジ(北米、日本では2024年発表)となったアコードは、名実ともにホンダのフラッグシップとして返り咲いたこととなる。
◆プラットフォームを踏襲しアップデートした新型
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1994068.jpg)
新型アコードは先代モデルのプラットフォームを踏襲しつつ改良。ボディサイズは全長が75mm延長されて4975mm、全幅は先代と変わらず1860mm、全高も変わらず1450mmとなっている。ホイールベースも先代と同寸の2830mmなので、オーバーハング要素が延長されたというわけだ。
搭載されるパワーユニットは2リットルガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド(e:HEV)で、先代よりも2馬力/7Nmほどスペックを向上させている。モーターは先代同様の135馬力だが、トルクは20Nm増え335Nmとなっている。
通常の走行はエンジンを停止したEVモードなのでじつにスムーズで静粛性も高い。発進の加速感もEVのようにグッと押し出される感じで力強い。バッテリーの容量が足りない場合はエンジンが始動してシリーズハイブリッド状態となるが、エンジンの静粛性も高く、上手にエンジンの存在感をなくしている感じだ。
一方で高速道路などではエンジンが直接タイヤを駆動するという方式になる。エンジン走行している際も静粛性は高い。アクセルをグッと踏み込むとモーターアシストも行われ、さらに強い加速を得られる。
◆車格を考えると乗り味はちょっと硬い?
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1995619.jpg)
走行モードはスポーツ、ノーマル、コンフォート、E-CON、インデビディアルの5種。走行中にステアリングコラムを操作すると減速度の調整が可能だ。感覚的にはEVの回生ブレーキの強さを調整するようなもの。先代では4段階だったが新型では6段階とより細かい調整が可能で、ワンペダルドライブのようなアクセル操作も可能となっている。
従来は減速度の固定がスポーツモードでのみ可能だったが、新型ではスポーツモード以外でもマイナス側パドルを長引きすることで固定モードに移行できるようになった。これによりワンペダルドライブがあらゆるモードで可能になったというわけだ。
乗り出し時、走行モードはノーマルであったが、アコードという車格を考えるとちょっと乗り味が硬いという印象。モードをコンフォートに切り替えると乗り味はソフトになり快適であった。路面状況にもよるが、整備の行き届いていない荒れた路面の際(というのも試乗会場の駐車場路面はあまりいいものではなかった)はコンフォートモードがいいだろう。
というのもコンフォートモードにしたからといって、ハンドリングがプアになるということもないのだ。その下支えとなっているのがタイヤだ。新型アコードはミシュランのe・プライマシーを履く。低燃費性能や静粛性に重きを置いたタイヤなので基本は硬めだが、グリップのよさも確保されている。
◆クルマの基本型はセダンである
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1995621.jpg)
アコードはリヤのオーバーハングがキッチリとある正統派セダンのパッケージングなので、トランク容量も多い。数値的には先代同様の570リットルで、ゴルフバッグ4個の搭載も可能だ。コンパクトSUV『WRV』の定員乗車時ラゲッジ容量が458リットルなので100リットル以上多いことになる。
リヤシートの居住性も十分に満足のいくもので、クルマの基本型はセダンであることを改めて確認できた試乗であった。
![](https://response.jp/imgs/zoom1/1994069.jpg)
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ホンダ新型「“小さい”ミニバン」登場! 4WD性能も大進化 & 3列目の乗り心地も「GOOD!」 “FF VS 4WD”実際どうなのか?
くるまのニュース / 2024年7月19日 12時50分
-
【2024年】スズキ 新型スペーシアの価格や買い得グレードを解説! サイズ・内装・納期は?
MōTA / 2024年7月8日 16時0分
-
ホンダが「フリード」の新型モデルを発売! 日々の暮らしに笑顔をもたらすクルマへ
バイクのニュース / 2024年7月5日 15時10分
-
電動車なのに荒ぶる12気筒! ランボルギーニ「レヴエルト」を富士で全開試乗
マイナビニュース / 2024年7月4日 11時0分
-
【シトロエン C5 X PHEV 新型試乗】人生、まあゆったりと行きましょう…島崎七生人
レスポンス / 2024年7月1日 12時0分
ランキング
-
1「1人で食事が常態化」現役世代の孤食という問題 コミュニティーディナーを始めた会社の意図
東洋経済オンライン / 2024年7月29日 14時0分
-
2「再訪したい国」日本が世界首位 人気地域に人出集中する傾向
共同通信 / 2024年7月29日 16時51分
-
3エンジンを冷やす「冷却水」は“水道水”で代用できる? 漏れ「放置」は絶対NG! 経年車で起こるトラブルとは
くるまのニュース / 2024年7月29日 14時50分
-
4トランプ氏がもし撃たれていたら? AR-15銃の恐怖の殺傷力(シェリーめぐみ)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月29日 9時26分
-
5妻への「別にいいけど」はケンカの火種でしかない 夏休みは「家庭内の不適切発言」を回避する機会
東洋経済オンライン / 2024年7月29日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)