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EVコンセプトからカーボンファイバー製の自転車まで、様々なゼロエミッション車両を展示…E-Tokyo Festival 2024

レスポンス / 2024年4月1日 17時35分

東京都は、排ガスを出さない「ゼロエミッション・ビークル(ZEV)」の普及に向けた取り組みとして「TOKYO ZEV ACTION」プロジェクトを行っている。その一環として、3月30日と31日の週末に「E-Tokyo Festival 2024」が東京ビッグサイトで開催された。


今年は、電気自動車によるモータースポーツの世界選手権「フォーミュラE」が日本に初上陸。土曜日に行われたゼロエミッションのレースとタイミングを合わせての開催となった。モビリティ関連企業の展示やフォーミュラEのパブリックビューイング、子ども向けの「脱炭素実験講座」やヒーローショーなど、「子どもから大人まで楽しくZEVを学べ、環境にやさしい東京の未来を実感」という趣旨に合わせた様々なコンテンツが用意された。


◆来年には公道走行試験を始めるTHKのEV


西2ホールの「ZERO EMISSION PARK」で存在感を放っていたのは、機械要素部品メーカー「THK」のブースだった。同社は昨年秋に行われたジャパンモビリティショー2023で、実走行可能な電動コンセプトカーを出展。元日産の中村史郎氏がデザイン開発を手掛けた「クロスオーバー4シータークーペ」の『THK LSR-05』には、独自開発によるアクティブサスペンションとインホイールモーターが搭載されている。


ジャパンモビリティショー2023に続く大規模な出展から、同社のEVにかける意気込みが伝わってくる。「自動車メーカーになる計画は?」と問いかけたところ、「LSR-05は、これからの自動車技術のあり方について、THKなりの考え方を具現化したもの」との回答だった。ベンチャー企業を含め、同社の製品・技術に関心を示す企業とは積極的にパートナーシップを検討していきたい意向のようだ。


「2025年末までには公道での試験走行を始める計画」(広報部)とのことで、来年のJMSではナンバープレート付きのLSR「06」の姿を見ることができるかもしれない。


◆炭素繊維強化樹脂の幅広い可能性


東レ・カーボンマジックのブースには興味深い製品が展示されていた。同社は、レーシングカー開発で培った軽量化設計とCFRP(炭素繊維強化プラスチック)成形加工に関する独自の技術を有している。航空・宇宙や産業機器などの幅広い分野において、製品設計・解析・試作から量産までを手掛けている。


ブースでは、『V-IZU』というトラック競技専用の黒い自転車が目を引いた。独自のコンポジット設計と製造技術を使い、高性能CFRPで空力を最優先した複雑な形状を実現している。自転車競技に出場するアスリートに使用されており、すでに国際大会などで活躍しているそうだ。


また、今回のイベントで同社が初公開した『プラチナカー』は、歩道走行が可能な「歩行用パーソナルモビリティ」という位置づけ。電動車いすやシニアカーとは一線を画すお洒落な形状で、幅広い層に受け入れられそうだ。安全で快適な移動を可能にするキャノピー状のボディは、当然、CFRPで造られている。


ブース中央に鎮座していたのは、47%がカーボンやアクリルなどの樹脂で造られているEVの『ItoP』。強度を保ったまま、曲面など様々な形状に加工できる樹脂素材の可能性を示したコンセプトカーだという。車名には、「Iron(鉄)からPolymar(樹脂)へ」という意味が込められているそうだ。


そのほかにも、BEVに改造可能なフォーミュラ4レーシングカーやドローンなど、東レ・カーボンマジックのブースらしい炭素繊維を活用した創造的な製品を見ることができた。


◆モータースポーツで技術を磨くZF


自動車用部品業界で世界三大サプライヤーの一角を占めるドイツのZFはフォーミュラEに参戦している。モーター、減速機、インバーターで構成されるパワートレインをインドの自動車メーカー・マヒンドラのワークスチームに供給。同じユニットは、「アプト・フォーミュラEチーム」にも搭載されて世界選手権を闘っている。


EVの効率向上に欠かせないインバーター用のシリコンカーバイド(SiC)は、市販車用に先立ってフォーミュラEのパワートレインに採用されたという。モータースポーツという過酷な環境下で新しい技術の信頼性や耐久性の開発が行われ、その後、量産車向けの電動ユニットに転用されている。


ZFジャパンによれば、フォーミュラEへの参戦はブランドの構築だけでなく、こうした技術開発にも大きな役割を果たしているとのことだ。


◆トヨタ車体のコムスは手軽な電動モビリティ


トヨタ車体は2台の『コムス(COMS)』を出展。 “ちょっと お出かけ 街まで スイスイ”の頭文字を取ったという「超小型モビリティ」は、約6時間の充電で57km(※)の走行が可能なEVだ。


デリバリーなど業務用の「B・COM」と、パーソナルユースを意識してスタイリッシュなデザインを施した「P・COM」という2種をラインナップ。すべての仕様が100万円を切る価格に設定されており、電動モビリティ向けの各種補助金を活用すれば導入費用が抑えられるメリットがある。


※:JC08モード相当での走行パターンによる自社測定値

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