日野がEVトラック用標準電池の提案…人とくるまのテクノロジー展 2024
レスポンス / 2024年5月23日 16時45分
人とくるまのテクノロジー展 2024における日野自動車の展示は、『デュトロEV』と商用車向けバッテリー技術が目立っていた。
山積する物流課題において電動化やSDVは避けられないトレンドだ。注目は業界への提案となる商用車向け標準電池のコンセプトだ。展示はモックによるものだが、見る人が見ればその意義や価値は十分に伝わるだろう。
商用車でのコンソーシアムではCJPTがあるが、複数の認証不正でメンバー企業の出入りがあったりと、表向きの成果に時間がかかっている。日野自動車はいったんは袂を分かったものの、現在はCJPTに復帰している。設立当初、大型のトラックバスについては三菱ふそう(ダイムラーグループ)が参画していなかったが、現在はダイムラートラック、三菱ふそうもCJPTの枠組みに合意している。ボルボトラックスおよびUDトラックスはいすゞを介しての関係となるが、国内大型商用車のコンソーシアムは完成した形になる。
日野自動車が提案する、標準電池は、長辺1.5メートル、奥行き0.7メートル、高さ0.3メートルの立方体。想定する電圧は350Vと若干低くなっている。電流容量は200Ah。電力量は70kWhとなっている。バッテリーは一般的なリチウムイオン電池を想定している。標準化にあたって、バッテリーの充放電制御や温度管理などBSMの機能をどこで切り分けるかという問題がある。基本的なコンセプトを提案するが、詳細は賛同するメーカーや事業者との協議によってつめていくことになる。
現状、小型のEVトラックは20kWhのパックを用途やサイズに応じて複数個搭載する形が基本なので、70kWhのバッテリーパックは中型以上のトラックバスを想定したものとなる。ただし70kWhあれば現状の4トン前後の小型トラックなら1個でほとんどのニーズに対応できそうである。
EVの設計において、標準バッテリーの存在は数々のメリットを生む。設計および調達コストが下がることはいうまでもない。充放電の制御や熱マネジメントは各社の競争領域(差別化)として重要だが、競争を促進するためにも、バッテリー部分の基本性能や安全性が標準によって確保される必要がある。
ホンダが小型モビリティや二輪車向けに「Mobile Power Pack e:」として交換式の標準バッテリーの提案を行っている。日野自動車の提案は、交換式に限定するものではないが、標準化されれば交換式への応用はむしろしやすい。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トヨタ新型「“超スゴイ”バン」発表! 大口顔&斬新シフト採用の「超静音モデル」! 全長4.4m級ボディの「プロエースシティE」伊に登場
くるまのニュース / 2024年7月25日 6時10分
-
三菱ふそう『eキャンター』新型、郵船ロジスティクスが導入…インドネシア第一号に
レスポンス / 2024年7月23日 13時0分
-
江淮のEVトラック、中国新エネルギー商用車性能評価大会で三冠達成…航続や省エネ性能に評価
レスポンス / 2024年7月21日 15時30分
-
ホンダが新型「軽バン」発表! 斬新“1人乗り&前後2人乗り”設定も!? 一方で「交換式軽バン」発売は? N-VAN同士で何が違うのか
くるまのニュース / 2024年7月5日 17時10分
-
急坂もスイスイ進む力強さ! 電気で走る小型トラック「eキャンター」試乗で感じたEV活躍の場
くるまのニュース / 2024年7月4日 15時40分
ランキング
-
1メルカリ「フルリモート廃止?」に私が感じたこと 一体感を得るには「ある種の非効率さ」も重要だ
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 11時0分
-
2エリート官僚にトラックドライバーの気持ちはわからない…「長時間労働の禁止令」に運転手たちが猛反発のワケ
プレジデントオンライン / 2024年7月26日 8時15分
-
3<最低賃金、過去最大増の1054円>それなのにパート、アルバイトから大ブーイングのワケ「扶養控除ライン据え置きはオフサイドトラップ」「賃金はオーストラリアの半分」「政治家の報酬だけは世界トップクラス」
集英社オンライン / 2024年7月26日 18時56分
-
4再送-NY外為市場=円が対ドルで一時2カ月半ぶり高値、米GDP受け伸び悩み
ロイター / 2024年7月26日 6時40分
-
5スキマバイト「タイミー」が上場、27歳社長の素顔 時価総額1000億円超「ユニコーン」に導いた手腕
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください