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【VW ID.4 Pro 新型試乗】並いる輸入BEV勢の中で、ID.4の立ち位置とは…島崎七生人

レスポンス / 2024年5月24日 20時0分

日本市場ではVW初のBEVとして『ID.4』が導入され早1年半が過ぎた。その後も他の輸入ブランドからBEVが登場する中、果たしてID.4の立ち位置に変化はあったかどうか、少しジックリと試乗しながら考えてみた。


◆「Pro」の内外装の特徴


試乗車は「Pro」で外観では20インチタイヤとホイール、ブラックルーフの2トーンのボディ色などが特徴。試乗車はホイールのデザインこそ今どきのセンスながら、白(グレイシアホワイトメタリック)のボディ色ということもあり、相変わらずクリーンでプレーンでシンプルでモダン……といった印象。ルーフエンドの処理にやや細工が施されているものの、スッキリとしたフロント&リヤエンドのデザインなど安心感がり好感がもてる。


インテリアもBEVだからと精一杯斬新さを表現するクルマもある中、モダンでありながらスマートで落ち着いた雰囲気で居心地がいい。トリム類の表面処理、質感、色遣いも上々。ドライバー眼前のメーターパネルは小振りだが、実用上の不便は感じないし、メーター横の捻って操作するシフトセレクターも、前方に捻れば“D”、戻せば“R”と、ロジカルで扱いやすい。


数少ない不満点はパワーウインドゥの操作方法で、現状ではスイッチは左右2個のみの用意で、前後席を切り替えて使う方式だが、これはやはり前後計4つのスイッチがあり個々に扱えるほうが話が早いし、操作性がいい。


◆無意識に新時代を感じさせるハンドリング


シートに座り“ポーズボタンマーク”のブレーキから“プレイボタンマーク”のアクセルに踏み変えれば発進。同じアーキテクチャーのアウディ『Q4 e-tron』とはセッティングが異なるそうで、ID.4は加減速のレスポンスが穏やかな分、快適な乗用車として乗るにはより相応しく、同乗の我が家のシュン(柴犬・オス・2歳)も乗車姿勢が乱されにくい分、快適に乗っていられたようだ。


ただし徐行時などで室内でも聞こえる、車両の接近を伝える濁音混じりのジュルルル音は、音質と周波数(と年齢!?)のせいか筆者にはやや耳に障る。


また筆者自身これまで自分のクルマとしてVW車は何台か乗った経験があるが、いずれもFFで、FRのID.4のスパッとしたハンドリングには、無意識のうちにEVであること以上の新鮮さを感じているのかもしれない。その意味でも新時代のVW車といえる。


◆ID.4 Proを積極的に選ぶ理由


とはいえ、現代のスタンダードなファミリーカーとしてID.4がある暮らしを想像すると、なかなかハッピーなのではないか、と思う。今回は実は先のGW中に借り出しての試乗だったが、我が家はほとんどいつも通りの日常を過ごし、バッテリー充電量100%からクルマを借り出し、途中無充電で、結局、残量38%のところで返却した。今回は犬の福利厚生を兼ねて(!?)近場のドッグランや公園に出向き、しばしノンビリと過ごしてくるなどした次第。


過去に「Lite」も借り出したことがあったが、一充電走行距離はWLTCモードでLiteが435km、Proが618km。パワーの差よりも、この足の長さの差(と装備の充実度)、心持ち、安心感において、ID.4 Proはおおいに選ぶ理由があると改めて感じだ。


■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★


島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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