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<新連載>[サウンドシステム設計論]「パッシブ」と「アクティブ」、それぞれの利点と不利点とは?

レスポンス / 2024年6月12日 6時30分

カーオーディオシステムの構築法はさまざまある。今回からスタートする当特集ではその1つ1つにフォーカスし、それぞれの実践法や楽しみ方のポイントを解説していく。愛車のサウンドシステムを進化させることに興味があれば、各回の記事を大いに参考にしてほしい。


◆カーオーディオシステムには、「パッシブ」か「アクティブ」かの2タイプがある!


ところで実は、カーオーディオシステムの設計法は大きく2つに分類できる。細かくはさまざまあるが、要の部分に着目すると以下の2つのうちのどちらかとなる。1つが「パッシブシステム」で、もう1つが「アクティブシステム」だ。今回は、このことについて解説していく


さて、この2つはどう違うのかというと……。


異なるポイントはズバリ、「信号の帯域分割をシステムの中のどこで行うか」だ。マルチウェイスピーカーを使う場合、例えばそれが2ウェイならフルレンジの音楽信号をツイーター用の高音とミッドウーファー用の中低音とに分割する必要がある。で、「パッシブシステム」ではそれがパワーアンプの後段にて実行される。対して「アクティブシステム」ではそれが、パワーアンプの前段にて執り行われる。


なお「パッシブシステム」で信号の帯域分割は、「パッシブクロスオーバーネットワーク」にて行われる。で、これは市販スピーカーに付属されていることが多い。そして、信号の分割のし方は、後からは変更できない。スピーカーメーカーによって決められた方法にて、信号の帯域分割が実行されるというわけだ。


◆「アクティブシステム」では「DSP」がパワーアンプの前段に組み込まれる場合が多い!


対して「アクティブシステム」では、パワーアンプの前段にプロセッサーと呼ばれる機器が組み込まれ、これにて信号の帯域分割が実行される。


なおプロセッサーにはアナログタイプとデジタルタイプとがあり、前者では信号制御はアナログ信号に対して行われ、後者ではそれがデジタル信号に対して実行される。ちなみに現代カーオーディオにて使われるプロセッサーは、そのほとんどがデジタルタイプだ。なぜならこちらの方が「より緻密なサウンド制御を行えるから」だ。アナログタイプのプロセッサーでは行えない機能も搭載されていて、そして各機能をきめ細やかに運用できる。


また「デジタルタイプ」のプロセッサーは、「デジタル・シグナル・プロセッサー」と呼ばれていて、その頭文字を取り「DSP」とも称される。


続いては、「パッシブシステム」と「アクティブシステム」それぞれの、利点と不利点とを説明していく。まずは「パッシブシステム」から。これの利点はひと言で集約できる。それは、「コストがかかりにくいこと」だ。


◆「パッシブシステム」では、パワーアンプの必要ch数が少なくて済む!


「パッシブシステム」ではコストがかかりにくいのは、まずは先述したとおり「パッシブクロスオーバーネットワーク」が基本的にはスピーカーに付属されているからだ。そしてパワーアンプのch数も少なくて済む。フロントスピーカーが2ウェイであっても3ウェイであっても、パワーアンプの出力は右スピーカー用のchと左スピーカー用のch、この2つがあればOKだ。


対して「アクティブシステム」ではDSPを別途用意する必要があり、パワーアンプのch数も多く必要となる。フロントスピーカーが2ウェイなら、パワーアンプの出力は計4chが必要となる。


また、必要なケーブルの本数にも違いが出る。「パッシブシステム」ではメインユニットとパワーアンプとを結ぶケーブルは右ch用と左ch用の計2本を用意すれば良いのだが、「アクティブシステム」ではプロセッサーとパワーアンプ間を結ぶケーブルはスピーカーの数と同数が必要となる。そして「アクティブシステム」ではプロセッサーを操作するスキルも必要となる。かくして「アクティブシステム」の方が、実践に際しての難易度は高まる。


しかし音的に有利なのは、「アクティブシステム」だ。より緻密にサウンド制御を行えて、1つ1つのスピーカーユニットをパワーアンプの1chずつで鳴らせるのでスピーカーの駆動力もアップする。


今回は以上だ。次回以降はこれを踏まえて、それぞれの具体的な実践方法を説明していく。お楽しみに。

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