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「ブティック型店舗」で自動車ディーラーの概念を変えたマセラティがめざすものとは

レスポンス / 2024年7月6日 7時0分

マセラティジャパンは、正規ディーラーのスカイグループ/トライデント イタリアが運営する「マセラティ目黒」に、新グローバルコンセプトを日本で初めて採用。その1号店として7月6日、リニューアルオープンさせる。


◆自動車のディーラーとは思えない質感のスペースが広がる


足を踏み入れると、そこは一見して自動車のディーラーとは思えない、温かみあるグレーの優しい質感のスペースが広がる。壁にはミニカーというよりはオブジェのようなボディカラーのカラーサンプルが数台、あるいはレザーのバンチも見える。


店内スペースの少しオフセットした場所には、カウンター付のアイランドキッチンのようなテーブルがあり、スツールが数脚、備わっている。そこに腰を下ろして遠くを見やると、数m先に置かれた最新の『MC20』のプロポーションを、じっくり鑑賞できる、そんな配置だ。


これまでの明るく広々としたスペースに、車両が数台並べられて、隅の方に商談スペースが設けられた店舗とは、対照的な造りであることは確かだ。


お披露目の場で、冒頭の挨拶に立ったマセラティ本国のグローバル チーフ コマーシャル オフィサーのルカ・デルフィーノ氏は、そのコンセプトを次のように説明する。


「それは、私たちのチェントロ・スティーレ(デザインセンター)とニューヨークを拠点とするエクスペリエンス・デザイン会社、エイトInc.との共同作業から生み出されました。マセラティの車が、シックなアートギャラリーに置かれたダイナミックな彫刻のようであること。洗練されたサルトリア(スーツなどの仕立て職人)とオフィチーナ(工房)が融合した革新的な店舗は、お客様がご自身の想像力と情熱を解き放てる場所です。フォーリセリエという、繊細なディテールまで実現可能なパーソナライズを通じて、新しいマセラティ体験を提供します」


氏によれば、マセラティのチェントロ・スティーレではニューモデルの開発当初から店舗での体験まで、すべてをデザインしているとか。情熱と革新、美というマセラティの価値観を伝えていくパートナーとして、氏はスカイグループの笠井成人CEOに13年間の感謝を述べた。


◆エモーショナルな「購入体験」を実現するブティック型店舗


次にスピーチしたのは、マセラティ ジャパン代表取締役兼アジアパシフィック代表の木村隆之氏。新しい店舗の役割をこう解説する。


「従来型の店舗と大きく異なる点を私の言葉で説明しますと、今はオンラインで車の情報を知る方々が多く、スペックのような情報を伝えるにはインターネットが便利で十分なツールになりつつあります。ゆえに店舗では購入体験をますます充実させ、ラグジュアリーにふさわしい体験、ストーリーを担っていって欲しい。ブティック型店舗はこうした体験に最適です。イタリアの田園地帯のようなアースカラー。落ち着いたラグジュアリーな雰囲気の中で、フォーリセリエのサンプルを手にとりながらエモーショナルな体験を楽しめます。ここ東京目黒の1号店に続いて、年内に心斎橋でも、年明けには最大級となる横浜港北でも展開していきます」


続いて正規ディーラー、スカイグループ/トライデントイタリア取締役の大島功孝氏が登壇した。


「新たなグローバルコンセプトをここ目黒で、1号店として広められる喜びを感じております。マセラティの全国の販売台数は今や1700台を超えました。足を運んでくださるお客様に感謝し、マセラティ ジャパンと全国の正規ディーラー様ともども讃えたく思います。マセラティは自動車以上のカテゴリーというか、イタリアの芸術、クラフトマンシップ、美を統合した特別なブランド。その次世代を見つめるショールームで、プライバシーを守りながらアトリエや高級ブティックのように車を仕上げられる、最先端かつ快適な空間を早く体験していただきたい。マセラティの未来を確信しており、お客様の幸せにコミットしていきます」


もちろんブティックを収めた建物には、サービス棟が隣接しており、ディーラーとして車両サービス&メンテナンス体制に変更はない。納車式に用いられるスタジオのようなローンチパッドも新設されている。MC20以降、『グレカーレ』や『グラントゥーリズモ』、さらに『グランカブリオ』など、新世代のニューモデル攻勢と並行して、顧客エクスペリエンスのさらなる向上を図るマセラティに、今後も注目だ。

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