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【シトロエン ベルランゴ 新型試乗】ミニバン大国ニッポンで勝ち抜けるのか?…岩貞るみこ

レスポンス / 2024年7月8日 21時0分

今回のワンポイント確認は、「ミニバン大国ニッポンで、ベルランゴは勝ち抜けるのか」である。


ミニバンは軽自動車と並ぶ日本の国民車だ。ゆえにその性能も機能も、お互いに切磋琢磨してかゆいところに手がとどきまくった日本人好みのミニバンの世界が繰り広げられている。


そこへ切り込んできた『ベルランゴ』だが、なによりも、シトロエン・デザインならではの存在感のあるフロントマスクが際立っている。シトロエンの△マークを活かして横に広がりのあるシルバーデザイン。混雑するサービスエリアでも、とんでもなく広いネズミーランドの駐車場でも、すぐにそこにいることがわかる。


車内に入ると、ウォークスルーってなんだっけと問いかけるほどに堂々と位置するセンターコンソール。ドライバーはドライバー。助手席は助手席。そして、後席は後席と、一人ずつを尊重し、子どもとて情け容赦なく切り分ける。そう、子どもであっても一人の人間と扱うフランスゆえに、後席の三席はそれぞれ同じ大きさで独立していて、中央席が虐げられるということもない。


運転席からちらりとサイドミラーに目をやると、独特の縦長逆四角形が見える。見たことのない形。日本の常識とは異なる形状。でもこれが、必要かつ最低限の必要な情報を実にうまく映し出してくれる。手を伸ばしたところにあるシフトレバーはダイヤル式というのも面白く、走り出す前にどっぷりとシトロエンの、そして、ベルランゴの個性に浸れるというわけだ。


背の高さを活かした荷物スペースはどーんと広く、スライドドアはもうちょっと軽くしてもいいのでは言うほどの重厚感。ゆえに、走りもどっしりとした感じを勝手に想像していたのだが、これが大間違いだった。


1.5リットルのディーゼルターボは、シトロエンの軽いかっ飛びをそのまま表現しているのである。8速ATとの組み合わせもばっちりで、この大きなボディながら、アクセルを踏んだときの走りの軽さは気持ちいい。日本車で想像するミニバン=やわらかな乗り心地のよきパパ(もしくはママ)というイメージは微塵もなく、シトロエンはシトロエンという走りの信念が伝わってくるのだ。


今回のワンポイント確認「ミニバン大国ニッポンで、ベルランゴは勝ち抜けるのか」は、大人も子どもも分け隔てなく、個人を大切にする走りと乗り心地。乗っていて背筋が伸びるミニバンは自立した人の嗜好に刺さるはずである。


■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★


岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

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