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カワサキの「水素エンジンバイク」、鈴鹿8耐で世界初のサプライズ走行!

レスポンス / 2024年7月20日 17時1分

カワサキは7月20日、鈴鹿8耐(“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会)が開催されている鈴鹿サーキットで、開発中の「水素エンジンバイク」での走行をサプライズで披露した。2023年12月に発表されていた車両だが、走行シーンを一般に公開するのは世界初。思わぬカワサキからのプレゼントに、会場のファンは目を輝かせた。


カワサキ『Ninja H2 SX』をベースに水素エンジンや水素タンクを搭載した車両で、ガソリンと同じように水素を燃焼して走ることができる。エンジンそのものの仕組みは既存のガソリンエンジンとほぼ同じで、部品なども基本部分は共通なことがメリット。走行中は排気ガスではなく水のみを排出することからクリーンなパワートレインとして注目されている水素エンジン。これをバイクに搭載することで、エンジン車ならではの鼓動感や高揚感をそのままに、カーボンニュートラルを実現するというのがカワサキのねらいだ。


鈴鹿サーキットのホームストレートに突如現れた水素エンジンバイクは、テストライダーの運転によって本コースを1周。8耐のレースマシンのようなスポーツ走行をおこなったわけではないが、エンジン音が静かなように感じられた。パニアケースのようにリアに2つ搭載された水素タンクをはじめ、未来的な外観の車両がスムーズにサーキットを走行する様子はレース観戦に訪れた観客を驚かせ、走行が終了すると大きな拍手が巻きおこった。


この水素エンジンバイク、現在は研究段階ですぐに市販できる状態ではないというが、走行後にカワサキモータースの水素プロジェクト担当で川崎重工業の執行役員である松田義基氏は「2030年初頭までには、みなさんに届けられるようにと研究開発を進めている」と語った。


水素エンジンバイクの開発は、2023年5月にホンダ、スズキ、ヤマハ発動機との4社合同で設立した技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合「HySE(ハイス)」を通じておこなわれている。2024年1月には水素エンジンを搭載した4輪バギー車『HySE-X1』でダカールラリーに参戦し、完走した。またスーパー耐久で水素エンジンを搭載した『カローラ』で参戦を続けるトヨタ自動車とも連携。電気一辺倒ではなく、カーボンニュートラルに向けた様々なパワートレインの可能性をマルチパスウェイで進めている。


松田氏は語る。


「カーボンニュートラルというと、すべてEVになって、エンジンがなくなってしまうのではないかと報道されている。『何が勝つか』ではなく、EVだけでも水素だけでもない。目的はカーボンニュートラルだ。カワサキモータースとしてはもちろんEVも開発しており、エンジンを乗せたハイブリッドも開発している。今回はさらに燃料をガソリンだけでなく水素を使ったエンジンで、カーボンニュートラルを実現する世界をめざすというもの。エンジンの鼓動感や胸のすく加速感、そういった“FUN”(楽しさ)をしっかりと大事にしたうえで、ひとりひとりが知らないうちにカーボンニュートラルを実現している、そういう世界を実現したいと考えている」


水素エンジンバイクは、7月21日まで開催される鈴鹿8耐のカワサキブースに展示中。カワサキファンでなくとも注目の1台だ。


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