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実験枠でも「トップ10ねらえる」スズキ、バイオ由来燃料で『鈴鹿8耐』に挑戦する理由

レスポンス / 2024年7月21日 8時0分

7月21日に決勝がおこなわれる、夏の風物詩「鈴鹿8耐」(“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会)。久々のレース復帰となるスズキは、「チームスズキCNチャレンジ」としてサステナブル燃料をはじめ、環境に配慮した様々なアイテムを駆使しての挑戦をおこなう。イベント広場にある出展ブースでは、参戦マシンに採用されたサステナブルアイテムが展示され、訪れたファンの注目を集めた。


実験的クラスとして設定される「エクスペリメンタルクラス」での参戦となるが、プロジェクトリーダー兼チームディレクターの佐原伸一氏は20日に開催されたトークショーの中で、「トップ10ねらえるポテンシャルは十分にある」と、マシン、ライダーの仕上がりに自信を見せた。


◆レースを長く楽しむために必要なサステナブル技術


参戦車両の「GSX-R1000R ヨシムラ SERT EWC CN仕様」は、40%バイオ由来のFIM公認サステナブル燃料のほか、プロジェクトに賛同するパートナー企業のタイヤ、オイル、カウル、ブレーキなどサステナブルな新技術を満載したマシンだ。これらを耐久レースの厳しい条件の中での実走行を通してデータを検証し、開発を促進、今後の製品への技術フィードバックをおこなっていく。


公開されているサステナブルアイテムは以下の通り。これらがスズキブースに所狭しと並べられた。


・燃料:エルフMoto R40 FIM 40%バイオ由来原料
・マフラー:ヨシムラジャパン 触媒内蔵サイレンサー
・タイヤ:ブリヂストン 再生資源・再生可能資源比率を向上したタイヤ
・オイル:MOTUL バイオ由来ベースオイル
・カウル:JHI 再生カーボン材(プリプレグ材)
・前後フェンダー:トラス スイスBcomp(天然亜麻繊維を使用した革新複合材料)
・前ブレーキ:サンスター技研 熱処理廃止鉄製ディスク、ローダストパッド
・バッテリー:エリーパワー 車載LFPバッテリー、ピット電源供給用蓄電池


佐原氏はCNチャレンジのねらいについて、「レースの世界でも、環境に向けて考えなきゃいけない時代にもうなっている。これからもレースをこの先長く続けていき、そしてファンのみなさんにとってもレースを長く楽しんでいただくためには必要な活動だと思っている」と語る。


開発を主眼に置いた実験的参戦ということで、より多くのデータを取得するためにもこれまでは「まずは完走」と話していた佐原氏だが、これまでのマシン開発、そして予選での好成績を踏まえ「トップ10ねらえるポテンシャルは十分に持っていると思う。トップ10をねらって最後まで頑張りたい」と思いを新たにした。


◆ライダーもサステナブル? 準備万端で決勝へ


ライダーは、現ヨシムラSERT Motulのライダーであり、4月18日から21日に行われた「ル・マン24時間耐久レース」の優勝にも貢献したエティエンヌ・マッソン(Etienne Masson)選手、2017年に「SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM」で鈴鹿8耐への参戦経験がある濱原 颯道(はまはら そうどう)選手、長年「GSX-R」でのレース経験があり、自身のチームを率いて鈴鹿8耐への参戦も行ってきた生形 秀之(おがた ひでゆき)選手の3名体制。トークショーではそれぞれの参戦への意気込みも聞かれた。


現在もヨシムラSERT Motulでスズキに乗るマッソン選手は、CNチャレンジのマシンについて「2つのバイクの違いは大きくなく、いつも通りに走れる」と話す。ただ鈴鹿はペースが速いのが大きな違いだといい「そのために、かなり練習も積んできた」。「昨日の予選でもリザルトがすごくよかったので
心配なくできる。準備は万端だし、バイク自体も速い。自分にもバイクにもアジャストしていけるように緊張感をもってプッシュしていきたい」と抱負を語った。


しばらくレース参戦から遠ざかっていたという濱原選手は、「鈴鹿は1年半ぶり、GSX-Rは7年ぶりだったが、違和感なく乗れて、というかすごく乗りやすかった。そういう意味ではブランクは感じなかった」としながらも、「ただ昨日(19日)の予選ではちょっと失敗しちゃって…僕らのクラスはタイヤの使用制限なかったが、タイヤをバンバン使うのは僕らのプロジェクトの本来の形とも違うと思い『一発で決めます』と言ったのにバックマーカーに引っ掛かってしまった。(本線では)たくさん走ることでデータを持って帰れて次につながる。いい仕事ができたら」と話し、会場のファンを沸かせた。


生形選手は昨年3月、レース中の事故で大怪我をおい、10月の復帰戦でもさらに負傷、100日の入院生活を余儀なくされるという厳しいシーズンだった。それだけにこのCNチャレンジへの思いも人一倍強く、「なんとかこのスズキCNチャレンジでチャンスをもらって、ここまで這い上がってきた」と笑顔を見せながらも真剣に意気込みを語る。


生形選手がそう話すと、隣にいた佐原氏がこっそりと「ライダーのリサイクル…」とつぶやき会場が笑いの渦に。これを受けた生形選手は「サステナブル枠ということで使っていただければ」とユーモアを見せると、決勝に向けては「ライダーとしてチームに貢献して、みんなでチェッカーを受ける。これでいきます」と語り、ファンの喝采を浴びた。


◆決勝は7月21日、11時30分にスタート


鈴鹿8耐、決勝は7月21日、11時30分にスタート。日が暮れる19時30分まで8時間、全46台のマシンが鈴鹿サーキットを駆け抜ける。


予選ではヤマハの「#1 YART Yamaha」がポールポジションを獲得。同じスズキ系では「#12 ヨシムラSERT Motul」が5位につけている。初挑戦で16位につけた「#0 チームスズキCNチャレンジ」の奮闘に注目だ。


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