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【ホンダ フリード 新型試乗】“こころによゆう”コンセプトの先に「笑顔」はあるか?…内田俊一

レスポンス / 2024年7月22日 12時30分

フルモデルチェンジしたホンダ『フリード』のグランドコンセプトは“こころによゆう“。そしてその先には笑顔があるという。そんな新型フリードに実際に試乗して、笑顔は得られたのか。


◆後席の乗り心地は上々


今回試乗できたのはガソリン車の「クロスター」(ガソリン・FF・5人乗り)と、e:HEV(ハイブリッド車)の「AIR」(4WD・6人乗り)の2台。


クロスターの2列仕様の後席はベンチシートで開放感のある仕上がりだ。若干座面が短いことを除けば居心地は良い。特にフロントシートの肩口付近がカットされているので、見晴らしもよく、前席の人たちとの会話も弾みやすいだろう。また足元の広さも十分以上で、窮屈な感じは一切ない。助手席後ろにチャイルドシートを設置し、前端までスライドさせれば子供の世話もしやすく、かつ、前述の肩口がカットされていることからチャイルドシートから運転席の親の顔が見やすくなるため、子供も安心できそうだ。


さらに先代と比較し室内が明るくなったのは2列目や3列目に乗車する人にとっては嬉しいポイント。ベルトラインが水平基調とされたことが大きな要因で開放感にもつながっている。


一方、これは致し方ない面もあるのだが、2列仕様後席のホールド性が低く、かつ、アシストグリップがスライドドアのため設定できず、センターアームレストもないため体を支えにくい。最終的にルーフにあるグリップをつかむことになるので、何らかの工夫が欲しいと感じた。2列目がキャプテンシート仕様の場合はそれぞれにアームレストを備えるので、そちらであれば問題はない。


運転を任せて2列目席に座っていると、ボディ剛性の高さも伺えた。剛性が低いとステアリングを切ってワンテンポ遅れるように2列目席が曲がるような印象を伴い、これが酔いにもつながるのだが、それが一切ないのだ。さらに、1700mm強ある車高の高さも一切感じさせないのも安心して乗車できる要因になっている。


◆自然な運転フィーリング


運転席に座ってみるとAピラーが寝ているので若干圧迫感を感じるものの、慣れるとともに気にならなくなる。ガソリン車のCVTはもちろん、e:HEVの2モーター内蔵電気式CVTも極めて自然な走りだ。どちらも制御によりまるでシフトアップ、ダウンが為されているような印象を与え、CVTのイメージをほとんど感じさせない。


ブレーキペダルを踏み込んだ時のフィーリングもどちらのパワートレインも違和感のないもの。若干軽めではあるもののそのコントロール性は高く、e:HEVであっても回生が介入していても踏力の変化はない。また、オートホールドブレーキを使って信号などで停止後、アクセルを踏み込むとショックもなく解除されるのも高く評価できる。


e:HEVで信号からのスタートはまず電気のみで走り出し、途中でエンジンがかかることが多いのだが、その際はエンジン音で気付きはするものの、ショックなどがあるわけでもないので、その制御もよく出来ている。


乗り心地はこのセグメントとしては非常に良く、それは2列目も同様だ。e:HEVの方が車重が重いため若干固さを感じるものの、不快なほどではなく、それ以上にきちんとサスペンションが動きショックを吸収してくれるので、快適なドライブが楽しめるだろう。


視界も良好で安心して運転できるうえに、先代からメーターがステアリング内から見られるようになり、さらに、シフトレバーはe:HEVであっても普通のセレクトレバー式なので、操作はとてもしやすい。


このように運転に不慣れな人であっても、違和感なく自然に、かつ思った通りに運転できるのがフリードの魅力だ。ドライバーがリラックスすれば、自然とそれが同乗者にも伝わる。その結果、コンセプト通りにフリードの室内に笑顔が生まれるだろう。


■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★


内田俊一(うちだしゅんいち)|日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わりその後独立。長距離試乗のほか、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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