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世界が驚く新技術を搭載したオールシーズンタイヤ『ダンロップ シンクロウェザー』発表

レスポンス / 2024年7月23日 14時15分

ダンロップはサマータイヤとしてのグリップ力や燃費性能・静粛性と、スタッドレスタイヤとしての雪道の走行性能を併せ持つ“どんな路面も安心して走れる”新型のオールシーズンタイヤ『シンクロウェザー』を10月に発売すると発表した。


◆どんな路面にも “変化するゴム”でオールシーズンタイヤを製造


ウインタースポーツを楽しだり、しっかり雪が降るという地域に住んでいれば、冬にスタッドレスタイヤへ交換するのが当たり前だが、基本的に雪道には行かないけれど、年に数回雪が降る地域だとスタッドレスタイヤまでは必要無いと判断することもあるだろう。サマータイヤからスタッドレスタイヤ交換の手間や、タイヤを保管しておく場所などを考えれば、全てのシーズンを同じタイヤで過ごせたら快適と思いたくなる。


そのような思いを解決してくれるのがオールシーズンタイヤで、その名の通り全てのシーズンをそのタイヤで走ることができる。しかし、全てのシチュエーションを完璧にクリアできるのではなく、得意と不得意という場面が存在する。それはタイヤの主成分であるゴムの特性にあり、暖かければ柔らかくなりグリップ性能を持ち、寒くなると固くなりグリップ力は落ちてしまう。


スタッドレスタイヤは寒くなってゴムが固くなることをシリカやポリマーを冬に合わせた配合を行うことで寒くても柔らかさを確保しているのだが、その代わりスタッドレスタイヤをサマータイヤとして使うと、排雪性能を生かすためのブロックの大きさがアダとなり、グリップ力を万全には発揮できない。その相反する領域をダンロップは新開発の「アクティブトレッド」を採用することでクリアしたのだ。


◆水や温度で変化するゴムに、より全ての路面へ高レベルに適合する


このアクティブトレッドは、ゴムの内部に水や温度にアクティブに反応する水スイッチと温度スイッチを組み込んで、天候や路面の変化に合わせてゴムの性質を切り替える。


ドライ路面では両スイッチはオフになっているが、ウェット路面では水スイッチがオンになり、氷上路面では温度スイッチがオンになる。水スイッチはイオン結合剤が通常では結合して硬さを持っているが、水スイッチが入ることで結合が解離し柔らかいゴムに変化する。


温度スイッチはゴムの柔らかさを決めるポリマーが、従来はグリップ成分とポリマーが一体化することにより低温で固くなっていたが、新ポリマーでは温度スイッチが入ると、グリップ成分とポリマーを切り離すことで柔らかさを持続するようになっている。これらを体験するために北海道の旭川にあるテストコースで、冬の試走会に参加した。


◆性能を特化させたタイヤと比べても遜色ない走りを披露する


新型オールウェザータイヤのシンクロウェザーで圧雪路や氷板路を走行したが、従来のスタッドレスタイヤと遜色ない走行を見せてくれ、オールシーズンタイヤが弱いとされる氷板路では、しっかりグリップして走るだけでなく、急制動でタイヤをロックさせた状態でも、停止距離はスタッドレスタイヤと遜色ないレベルで停止でき、圧雪路においてもスタッドレスタイヤと遜色無く走ることが可能であったし、テストコース内で軽いスラローム走行をしても操作不能になるようなことは起きなかった。また一般路でも走行したが、オールシーズンタイヤと思えないほどしっかり路面を掴んでいるのが感じられる。


ではサマータイヤとしての性能はどのようなものか。その性能を試すために岡山県のテストコースで試走する機会に参加した。サマータイヤ性能比較対象としてダンロップタイヤの中でも静粛性とグリップ力を謳うルマンV+が用意され、スタッドレスタイヤとの性能比較ではウインターマックス02、そして今回のシンクロウェザーとの比較という試走だ。


高速周回路での静粛性と安定性はルマンV+の静けさが際立つが、シンクロウェザーも負けていない。新しく採用されたパターンデザインがロードノイズやうなり音を低減させている。一方のウインターマックス02はスタッドレスタイヤらしくブロックが大きいことなどからパターンノイズが車内に入りこんでくる。


ハンドリング路での安定性もルマンV+が一番だが、シンクロウェザーはスタッドレス性能を生かすために、独自のV字パターンを持つにも関わらず、ヨレたりせずしっかりとグリップしながらコーナリングできる。ここがスタッドレスタイヤとの違いが大きい。ウインターマックス02もハンドリングは悪くないが、乾燥路ではブロックがヨレてしまいハンドリングはやや分が悪い。


路面に水を撒いたスキッドパッドではシンクロウェザーの排水性が際立った。ルマンV+はサマータイヤとしての排水性の高さも見せてくれたが、シンクロウェザーのV字パターンと、繋がってはいないが縦溝での排水性の良さが、定常円で走るスキッドパッドとの相性が良く感じられた。定常円が破綻せず走れるのはグリップ力とタイヤの柔らかさ、そして排水性の良さがあるからだろう。ウインターマックス02も健闘しているが、定常円のような高い横Gがかかるような場面ではブロックがヨレてしま円旋回は苦しくなってきてしまう場面もあった。シンクロウェザーは総じてサマータイヤとして高いレベルで走行が可能で、これで雪道も走れるあれば鬼に金棒状態だ。


高速道路での冬用タイヤ規制に関しては、サイドレターにあるスノーフレークマークが示す通り通行が可能だ。全車チェーン規制になった場合はどのタイヤであろうとチェーンを装着しなくては走行できないのは言うまでもない。さらに今回、恐らく世界で初めてオールシーズンタイヤに刻印される「Ice Grip Symbol」が表示されているのだが、これは欧州基準で氷上のμが基準に達したら刻印できるマークとなる。


つまり氷上でのグリップ力が優れているということを示している。このことからも分かる通り、今回のシンクロウェザーでは、オールシーズンタイヤの弱点とされていた、氷上路面でのグリップ力をアップさせたことにより、まさにオールシーズンさまざまな路面に対応するようになった。


オールシーズン全ての路面、どんな天候でも対応できるシンクロウェザーの凄さを体験できた。今までのタイヤに対する常識を変える可能性まである新技術だが、まだ先の進化もあるとメーカーは断言する。もちろんどんな路面においても過信は禁物だ。オールシーズンタイヤだから大丈夫ではなく、状況に応じた判断をしっかり下して安全に走行することはどんな場面でも重要となるのは、どれだけクルマやタイヤが進化しても忘れないでおこう。

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