グッドイヤーの新SUVタイヤ! ASSURANCE MAXGUARD SUVの実力とは?
レスポンス / 2024年7月31日 10時0分
グッドイヤーが7月から販売を開始した「ASSURANCE MAXGUARD SUV(アシュランス・マックスガードSUV)」はSUVを乗用車のように街中で利用することが多く、休日には郊外にも出かけるというユーザー向けのタイヤだ。
グッドイヤーのSUVタイヤのラインナップには、スポーティな「ASYMMETRIC 3 SUV(アシンメトリック3 SUV)」、コンフォート系の「EFFICIENTGRIP 2 SUV(エフィシエントグリップ2 SUV)」というプレミアム系タイヤがある。アシュランス マックスガードSUVはこの10年間ほど定番商品として人気のあったスタンダードタイヤ「EFFICIENTGRIPSUVHP01(エフィシエントグリップSUV HP01)」に代わるタイヤとなる。
◆SUVの性能を引き出すタイヤとして定番化を狙う戦略的製品
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新製品のアシュランス マックスガードSUVが性能向上にこだわったのは静粛性、ウェットグリップ性能と耐久性の3点、それに比較的お手頃な価格設定。
近年、SUVは街中を中心に乗用車感覚で所有するユーザーも多い。突然の豪雨などへの冠水にも対応できることからSUVが有利な点もあり選ぶ方もいるだろう。一方、近年から今後に向け、クルマの電動化がさらに加速するにつれ必然的に車両自体の静粛性も高まり、足下でもそれを快適に保ちたくなるというもの。加えて、それらをなるべくなら出費を抑えて手に入れたいと願うユーザーにターゲットを当てたタイヤだ。
タイヤ交換の際、「どれを選んだらいいのだろう」と迷う方も多いと思うが、SUVの大きなタイヤは比較的高価となることも多い。「価格も重視したいけれど、これまで長きに渡る実績のあるメーカーの、性能も安心感の一部として考慮したいというユーザーに訴求していきたい」と日本グッドイヤーの方は言う。
アシュランス・マックスガードSUVのトレッド面は水を排水する機能を持つ直線的な縦溝の周囲に角度のついた小ぶりなブロックと細かく多角的に刻まれた切れ込み(サイプ)が多めに入っているのが印象的だった。もちろんそれらには意味がある。まずは代表的な特徴を性能に分けて紹介したい。
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●静粛性
角度のついた小ぶりなブロックは路面を叩くノイズを抑制するという。さらに両サイドのショルダーの縦に細長い「ノイズ低減リブ」は、溝のなかに入った空気の広がり(拡散)を抑える役割を果たし空気の共鳴音を低減する。このノイズ低減リブに加え、ショルダー部の縦横の溝の幅を狭めることで、溝のなかの空気の抜け“エアポンピング音”を抑制し、車内外のノイズを低くするパターンが実現しているそうだ。これらにより従来のHP01に対し、パターンノイズは27%、ロードノイズは30%の低減を実現させているという。
●ウェットグリップ
多角的に刻まれたサイプはウェットグリップ性能を高める「ActiveGripテクノロジー」の一部だった。このトレッドの(資料の黄色やブルーで示す部分)に刻まれた縦横斜めのサイプ=「マルチバイディングエッジ」は、路面とタイヤの間にできる水膜を切り、水膜を作りにくくし雨の日も優れたグリップを得やすくなる。おかげでブロックやパターンの角=エッヂが路面を噛む力(性能)も活かしやすく、結果的に向上する。様々な走行シチュエーションでトレッド面の向きが変わっても多方向の切れ込みのおかげで優れたグリップを発揮すると想像ができる。
このパターンの設計に加え、コンパウンド(ゴムの素材)もウェットグリップ性能を高めている。柔軟性を高めて、しなやかさを保つシリカを配合した「アクティブグリップ・キャップコンパウンド」の採用により、路面への追従性を高めながら雨の日でも優れたブレーキ性能を発揮。これらの技術によりウェットブレーキは先代のHP01よりも制動距離は6%(100km/hからのABSブレーキ)の短縮がされている。
●耐久性
SUVは乗用車と比べ車重もあり、その荷重を支える丈夫な構造に注目した。アシュランスマックスガードSUVは2プライ構造+強力なスチールベルトを組み合わせた「DuraGyardテクノロジー」を採用。荷重を支えながら操縦安定性も確保している。RVタイヤほどガッシリとした構造ではなく、あくまでオンロードでの常用ユースに焦点を当て、乗り心地とハンドリングと丈夫さをバランスさせている。高速走行領域で少々堅さを感じたのはタイヤの堅牢さを保つためだろう。余談だが、アジア方面でも販売されているこのタイヤは“堅牢さ”もウリの一つだそうで、日本のように恵まれた道路環境ではない国や地域で欠けや千切れに対する丈夫さも持ち合わせている。
◆試乗して分かったSUVタイヤとしての高い性能
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今回は三菱『エクリプスクロス』(PHEV=プラグインハイブリッド車)にこのアシュランス マックスガードSUVを履き、都内から横浜までシティドライブをしてみた。
PHEVのエクリプスクロスは、走り始めた市街地ではバッテリーの充電もそれなりに貯まっていたのでモーター走行が可能だった。おかげでさっそくタイヤの静粛さに自然と注目してしまう。アシュランスマックスガードSUVは静粛さも十分なうえ乗り心地も良く、耳から聞こえるものと身体で感じるゴツゴツというノイズも抑えられ、いきなり「なるほど!」と感心させられてしまった。路面の補修箇所やザラザラ路でも体感はあるが音は抑えられ、滑らかに通過する。すぐさま後席に座る編集者にも印象をたずねると、ホイールハウスなど後方からのロードノイズなども聞こえにくく静粛で快適だという。
しいて言えば、首都高などで速度域が上がるとタイヤが硬く感じられた。速度が上がるにつれシャキッとした直進安定性の頼もしさはより強まる一方で、路面のつなぎ目や例えば複数車線でも車線によって路面のキメが異なる場面であえて荒れた路面を選んでみるとインフォメーションが体感的に伝わりやすい。ランプウェイのカーブではスポーツタイヤのようなカッチリとしたライントレース性よりコンフォートタイヤの滑らかな接地感とコントロール性を持ち合わせているという印象を抱いた。
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改めて首都高を降りて横浜の市街地や石畳が続く商店街を試してみた。石畳のゴツゴツやゴロゴロしそうな路面をやっぱり静かに滑らかに通過する。おかげでグッドイヤーが街乗りを中心としたSUVタイヤと謳う理由がわかった気がした。
今回、PHEVの音や振動対策との相乗効果もあって、特に街中での快適性が印象的だった。車内では「普段使いにかなり良いタイヤだけれど……、これでいくらなんだ?」と話題になるくらい。試乗後のインタビューで日本グッドイヤーにうかがうと、「オープン価格なので一概には言えないが、SUV用タイヤのなかではお手頃な設定」とのことだった。
日常、街中で乗用車のようにSUVを使用するユーザーにとって性能も大事だけどちょっとコストも抑えたいという方には、街中の安心と快適さに目を向けた“街中ときどき郊外”なSUV専用タイヤがあってもよいのではないかと、納得のできるアシュランス・マックスガードSUVなのであった。
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