運転が楽になる! ドライビングポジションを調整する簡単な方法~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2024年8月18日 6時30分
チューニングというとマフラー交換や車高調装着など、過激な走りを楽しむとかそういった趣向を想像する人も多いが、本来は調律という意味。速くするだけではなく、乗りやすくするのも大切なチューニングなのだ。
そこで提案したいのがドライビングポジションのチューニングについて。自分にあったポジションを作り上げれば、運転は楽になるし操作も上手くなる。メリットしかないのがドライビングポジションチューニングなのだ。
◆メーカーの設定は最大公約数
ドライビングポジションはカラダに合わせてアジャストできるようになっている。シートの前後スライドと背もたれの角度は多くのクルマで最低限装備されている。そこから高さの調整があり、座面の角度を変えることができるものもある。
そうした調整で乗りやすいようにカラダにアジャストさせるわけだが、必ずしもそれでベストなポジションができるとは限らない。
自動車メーカーが設定しているシート調整範囲なので、そのなかで多くの人が当てはまるはずではあるが、逆に言えば最大公約数的なポジションでもある。全員にベストマッチになるまで調整できるとは限らない。また、そもそもドライビングポジション自体をどう設定するのかという問題もある。そこでまずはポジションの基本から。
◆ペダルを踏み切ったときに膝が伸び切らない
マニュアル車ならクラッチペダルがもっとも深くまで踏む。オートマ車ならブレーキペダル。これら最大まで踏んだときに膝が伸び切るのは遠すぎる。かといって、膝が曲がりっぱなしでは踏み変え操作などがしにくい。奥まで踏んだときに、膝が伸び切らないギリギリくらいかオススメ。
◆ハンドルを切ったときに肩がシートから離れないとはいうが……
9時15分の位置を両手で持って、そこから手を離さずに180°切ったときに肩が背もたれから離れないようにする、というがこれは個人の解釈が難しい。肩の全面がシートから離れないようにするととんでもなく背もたれを立てなければならない。そこまでするとむしろハンドルは回しにくい。おすすめは肩甲骨がシートから離れない位置にすること。
あとは肘が伸び切らないようにすることも言われるが、これは好みによる。プロドライバーでも肘が伸び切らないようにする人もいるし、肘が思い切り伸び切るタイプの人もいる。これはカラダ使い方の好みの問題なので、どちらが正しいわけではない。
これらの基本に則ってドライビングポジションを作る。できればやや背もたれは寝かし気味にして、体重のいくらかをお尻ではなく背中から背もたれに預けたい。こうしておくといざ強くブレーキを踏むときや、スポーツドライビングするときにはカラダが前に行きにくく、ハンドル操作を的確にしやすいのだ。
では、こうしたポジション作りをするにはどうしたらいいのか。
1:カラダに合ったシートに交換&ポジションを下げるのも手
スポーティな走りをする場合、シートはある程度低いほうが目線が低くなって見やすく走りやすい。ノーマルシートではシートが高いことが多いが、シート交換をするとシートレールの設計によって多くの場合適度にシート高が下がる。それによって目線が楽になる効果が大きい。
シート自体は純正シートのようなリクライニングタイプ、もっとサポートが深いセミバケット、背もたれの角度調整ができず一体型のフルバケットの3種類に分かれる。
それぞれ良さがあるが、フルバケットもきちんとポジションを作れば意外と疲れないし、最近は日本製のBRIDEでは大柄な人向けのXLサイズ、小柄な女性向けのサイズなど、サイズラインアップがあるのでそれでカラダに合ったものを選ぶこともできる。
2:ハンドル位置を手前にする
とくにコンパクトカー系に多いのが、ハンドル位置が遠いこと。小柄な女性が背もたれを立てて乗ることが念頭にあるのか、前後位置を足で合わせればハンドルはとても遠い。ハンドルに合わせて座ると足がとんでもなく窮屈、なんてことがある。
そんなときはハンドル位置を見直したい。車種によってはエアバッグ付きで、数十ミリ手前に持ってこれるハンドルがあったり、純正ハンドルとボスの間に専用スペーサーを入れることでハンドルを手前にするパーツもある。
エアバッグを撤去しても良ければ、アフターパーツのハンドルに交換すれば、スペーサーなどで最適な位置にアジャスト可能。最近はほとんどの保険会社でエアバッグ特約も廃止されているので、エアバッグを外すことでの保険面での不安がなくなったのも大きい。
3:ペダルはゴムの厚みで調整
クラッチペダルを踏み切ったときに足が伸び切ってしまう場合もある。そんなときはペダルのゴムが厚いものがアフターパーツメーカーから市販されている。それに交換するとペダル自体が数十ミリ手前に来ているので、踏み切ったときに足が伸び切りにくい。ペダルカバーなどでも調整できる。ペダルカバーは外れると危険なので、きちんとしたメーカーのものを選んでいただきたい。
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