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暑さでくたびれた愛車が蘇る! 吸気温度を下げてパフォーマンスを最大限に引き出す技~カスタムHOW TO~

レスポンス / 2024年8月27日 6時30分

猛暑になると影響を受けるのは人間だけでなくクルマも同じ。それは水温が上がったり、エンジンオイルの油温が上がったりもするが、直接的に性能に影響を与えるのは吸気温度だ。


◆エンジンにとって重要な要素となる吸気を学ぶ


クルマはエンジンに吸い込まれる空気の温度を計測している。それが吸気温度と呼ばれるもの。空気は温度によって体積が変わる。温度が高くなるほど膨張するので、エンジンに吸い込まれる酸素の量が少なくなってしまう。逆に空気温度が下がればそれに合わせて酸素の量が増える。


この空気の量に合わせてガソリンを噴射して、最適な空燃比になるようにエンジン・コントロール・ユニット(ECU)が計算しているのだ。


ということは、同じ排気量のエンジンでも吸気温度によってパワーが変わるということ。吸気温度が下がればパワーアップし、吸気温度が上がればパワーは下がってしまう。


街乗りではエンジンの限界性能を必要とされないので関係ないようだが、吸気温度が低くパワーが出しやすい状況でアクセル開度を抑えて走ったほうが燃費にも良い影響を与えてくれるのだ。


◆性能を引き出すために効率良い吸気方法を選択


レースやチューニングカーによるタイムアタックの世界では少しでも吸気温度を抑えるために、できるだけ冷たい空気をエンジンに直接取り込めるように外気導入ダクトを設け、ダイレクトに温度低い空気を吸わせようとしている。


エンジンルーム内の空気を吸ってしまうと、吸気温度は一気に上がってしまうので、そういった外気導入ダクトを設け、ボンネットにはダクトを配置してエンジンルーム内の温度を少しでも下げようとしているのだ。


この吸気温度を下げるチューニングは街乗りでも有効なだけにぜひ取り入れたい。また、すでにチューニング済みの中古車に乗っているようであれば、吸気系に施されたチューニングを見直すのも重要だ。


●吸気温度対策1:外気を導入できるエアクリーナーボックスを装着する


最近の流行りが、外気を導入してガッチリ吸わせるタイプのエアクリーナーボックス。アフターパーツメーカーからリリースされているもので、高効率で大きな面積のフィルターのまわりをボックスで囲んで、そこに外気を直接導入する。エンジンルーム内の熱気を吸わず、フィルターは抵抗が少ないものでさらに面積も大きいので、吸気抵抗を減らすのにも効果的。問題点は価格が高いこと。


●吸気温度対策2:むき出し系エアクリーナーは隔壁を作る


最近はこれを単体で装着することはすくないが、ひと昔前に多かったのがむき出し系のエアクリーナーを装着してそのままのクルマ。低抵抗のフィルターで吸気効率は良くなるが、エンジンルーム内の熱気を吸ってしまい吸気温度が上がってしまいがち。


本来このパーツはそのまま使うのではなく、エンジンルーム内の熱気を吸わないように隔壁を作るもの。チューニングショップで燃えない素材を使って、外気を導入して冷たい空気を吸えるようにする。そういった意味では1のエアクリーナーボックスを考え方もアプローチもまったく同じだ。


逆に言えば昔はこういった製品を隔壁を作ったりひと手間加えて取り付けることが多かったが、最近はDIYでサクッと取り付けたりすることも多く、そういう人に向けて1が開発されているという経緯もあるのだ。


●吸気温度対策3:ダクト付きボンネットにする


エンジンルーム内の温度自体を下げることももちろん有効。そのためにはダクト付きボンネットが役立つが、難しいのが穴が空いていれば温度が下がるとも限らないこと。


ダクトも空気を導入するタイプと排出タイプがある。どちらかというと排出タイプの方が温度が下がりやすいというが、エンジンルーム内のレイアウトやそもそもボンネットが長いスープラのようなクルマと、フィットのようなボンネットが短いクルマでは全然変わってしまうので、どちらが良いとは一概には言えない。そのあたりはプロショップに相談したいところ。


あとは純正エアクリーナーボックスや、アフターパーツのエアクリーナーボックスを遮熱シートで覆うのも効果的。エンジンからの熱を遮ることで吸気温度を抑えることに貢献する。


最近だとOBDに接続するタイプの追加メーターで吸気温度が見られることが多い。その温度を見ながら昼間と夜で走り比べてもらえると、吸気温度が下がる夜間は幾分クルマが速くなっていることがわかる。そんな吸気温度ひとつでも走る楽しみを得られるのだ。

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