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【スズキ Vストローム250 試乗】もはやアドベンチャーの定番! 250ccにオールマイティーさを求めるならコレ…佐川健太郎

レスポンス / 2024年8月27日 20時0分

◆GSX250Rをベースにした優れた走行性能、ラインナップも充実


スズキ『Vストローム250』は軽量クラスを代表するアドベンチャーツアラーである。登場が2017年ということで、すでにロングセラーの定番モデルとなった感がある。それだけ完成された人気モデルということだ。


「Vストローム」シリーズには現在V型2気筒エンジンを搭載した大型モデルの1050と650、昨年デビューした並列2気筒の800があり、その末弟となる250クラスにも新たに250SXを追加している。アドベンチャーセグメントでここまで充実したシリーズ展開をしているのは国産メーカーではスズキだけだ。


中でもVストローム250は軽量クラスならではの扱いやすさを武器に、街中からちょっとしたダートも含めた幅広いシチュエーションを快適に移動するための性能と装備を備えたモデルと言える。


ベースになったのはフルカウルスポーツの『GSX250R』。そう聞くとちょっと意外な感じもするが、中速トルクに優れる水冷並列2気筒エンジンとしっかりとしたスチールフレームの大柄な骨格はまさにアドベンチャー向き。これに専用セッティングを施した前後サスペンションを取り付け、シリーズ共通イメージの冒険テイスト溢れる外観が与えられている。こうした出自からも走りの良さは保証付きだ。


◆安定感と乗り心地を兼ね備えたツアラー性能


さて、今回あらためて乗ってみると、やはり低速トルクが充実していて発進もしやすく、ハンドル切れ角も大きいのでUターンも楽々。重心が低い感じでバランス補正もしやすく、歩くような速度でも安定している。それでいて、高回転まで伸びやかに回るエンジンは5速からでも十分な加速が得られ、高速道路でクルマの流れに混ざってもストレスを感じることはない。


現代的なフルデジタル液晶メーターは走行中でも見やすく、ギヤポジション表示もあるので何速で走っているか即座に分かって便利だ。


車体は250ccとしては大柄で車重も191kgとこのクラスとしては軽くはないが、メリットはゆったり乗れて安定していること。これはツアラーとしては大事なポイントだ。また、シートが肉厚で乗り心地も確保しながらシート高は800mmと低めなこと。いわゆるアドベンチャータイプの“足長バイク”としては抜群に足着きが良いと思う。


これも普段使いにはとても重要なこと。加えてシートはフラットで前後に移動しやすく、ハンドルは高めでグリップは手前に絞られているのでリラックスした自然なライポジで乗れるのが良い。


前後サスペンションは車重に対して充分にダンパーが効いている感じで、ふわふわしすぎないオンロード寄りの味付けだ。スタイリングはかつて国際ラリーで活躍した「ファラオの怪鳥」と呼ばれたDR-Z由来のビーク(くちばし)が印象的だが、前後17インチのキャストホイールを装着していることからも、乗り味としてはオンロード中心の万能型スポーツツアラーと位置付けるのが妥当だ。


◆長距離ツーリングにも対応する装備と燃費性能


ハンドリングはひと言で言うと“まったり系”。ベースになったGSX250R同様、常に安定感があって、コーナーに向けて倒し込むとベターッと穏やかに寝ていく。けっしてクイックではないが良い意味で安定成分が強め。車体がエンジンに勝っている感じとも言えるが、安心してバイクに身を任せられるのだ。エンジンのキャラクターに負うところも大きく、アクセルを開けてもドンとこないので疲れないしビギナーにも扱いやすいと思う。


ノーマル状態で旅の装備が充実している点も見逃がせない。スクリーンはコンパクトだが、高速巡行ペースでも顔下半分と体幹をちょうどカバーしてくれる感じで、ナックルガードも含めて冬場はさらに有難いはず。


他にもがっちりとしたアルミ製やキャリアと幅広いリアシート、エンジンガード等も含めオールマイティな長距離ツアラーとしての側面も持っている。そして、フルタンクで500kmを超える燃費の良さも大きな魅力だ。


250ccクラスで長距離ツーリングも不満なくこなせて、普段から街乗りでも何でも使えるバイクを探している人には、まさにうってつけのモデルと言えよう。


■5つ星評価
パワーソース:★★★★
ハンドリング:★★★★
扱いやすさ:★★★★★
快適性:★★★★★
オススメ度:★★★★★


佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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