本田技術研究所、皮膚に貼る新型センサー共同開発…血糖値の連続モニタリングが可能に
レスポンス / 2024年9月24日 10時0分
本田技術研究所、東京大学、大阪大学、三洋化成は、体にやさしく長持ちする最先端のハイドロゲルを使い、皮膚に貼って用いる中空型針状センサを共同開発した、と発表した。
このセンサーは、血糖値の連続モニタリングが可能であり、個別化医療の発展や健康の増進に寄与することが期待されている。
この中空型針状センサは、リソグラフィー技術を用いてポリ乳酸を長さ1000μm、先端の孔直径50μmの中空型針状構造に成形し、その後、ポリ乳酸に金めっきを施すことで、針の中空内部を電極とした構造を持つ。さらに、高い生体適合性と長期安定性を備えた高分子ハイドロゲルを埋め込むことで、応答性や感度が向上し、生体内での連続モニタリングをリアルタイムで実施することに成功した。
医療技術の進展に伴い、多彩な生体情報をリアルタイムで計測できる生体装着型の小型ウエアラブルデバイスのニーズが高まっている。従来の針状センサは、穿刺用の針に感応膜を重ね合わせる単純な構造であったが、共同研究では中空の針を提案し、内部をセンサとして用いる戦略を採用した。これにより、痛みを低減しながら正確なバイオマーカーの分析が可能となった。
研究チームは、この中空型針状センサを動物(ラット)に装着し、リアルタイムで正確に血糖値をモニタリングできるかを試験した。その結果、血液中のグルコース濃度とセンサーで検出した細胞間質液のグルコース濃度の高い相関が得られた。また、生物学的安全性試験により、ヒトとマウスの細胞に対する毒性がないことも確認された。
今後、研究チームはセンサーの機能を拡張し、複数のバイオマーカーを同時にモニタリングできるようにすることで、さらなる個別化医療の拡充を目指している。このシステムが普及することで、日常生活でいつでもどこでも健康状態を知ることが可能になると見込まれている。
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