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【VW Tクロス 新型試乗】初のマイナーチェンジで走りも一新、18インチに好感触…諸星陽一

レスポンス / 2024年9月27日 12時0分

フォルクワーゲンのBセグメントSUVである『Tクロス』が発売以来初のマイナーチェンジ。東京近郊で試乗した。


TクロスはフォルクワーゲンのラインアップのなかでもっともコンパクトなSUVで、『ポロ』をベースとしている。プラットフォームはMQB。MQBはポロから『アルテオン』まで使われるものだが、Tクロスはポロベースで、その上の『Tロック』は『ゴルフ』ベースとするのがフォルクワーゲンの見解でもある。


Tクロスのワールドデビューは2018年で、日本では2020年1月に販売を開始。搭載されるエンジンは116馬力/200Nmの1リットル3気筒ターボ。ミッションは7速のDSGが組み合わされる。駆動方式はFFで、サスペンションはフロントがストラット、リヤはトレーリングアーム。


Tクロスは2020年から2022年まで輸入SUV登録台数ナンバー1を記録。2023年は2位となったが、2023年のトップはTクロスの上位に位置するTロックがナンバー1となっている。2020年の発売以来、特別仕様の設定や小変更、追加グレードなどを受けてきたTクロスが、2024年7月にマイナーチェンジを受けた。エンジンやミッション、サスペンションなどの機能的な面は基本的には変更を受けていない。


◆マイナーチェンジで刷新された内外装


エクステリア面ではフロントのグリル、バンパーなどを刷新。従来楕円のフォグランプが装着されていた部分には、縦長・長方形のデイタイムラニングライトを配置。三角形のクロームベゼルが装着された。ヘッドライトは「アクティブ」グレードがLED、「スタイル」と「Rライン」はLEDのマトリックスヘッドライトとなるIQライトが採用された。リヤまわりも一新され、スタイルとRラインはリヤコンビランプにX型デザインを採用するとともにシーケンシャルウインカーも組み込まれた。


インテリアでは液晶メーターのデジタルコクピット、スマートフォンワイヤレスチャージングを標準化。ダッシュパネルのパッドをソフト素材に変更している。機能面では従来はアクティブにオプション、スタイルとRラインに標準だったACCとレーンキープアシストは標準化され、さらに高機能な同一車線内全車速運転支援システムであるトラベルアシストも全グレードで標準となった。


ボディカラーは従来モデルから設定のあるピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクト、アスコットグレー、スモーキーグレーメタリック、リフレックスシルバーメタリックの5色は存続。新たにキングズレッドメタリック、グレープイエロー、クリアブルーメタリックの3色を追加。マケナターコイズメタリック、リーフブルーメタリック、ナジェティックオレンジメタリックは廃止された。


装備をかなり充実させているがアクティブは従来モデルに比べて1万7000円高、スタイルは2万1000円高。Rラインについても装備を充実させ、従来は標準装備だったリヤトラフィックアラートなどをオプション化することで10万3000円安を実現している。


◆18インチでも乗り心地がいい、必要十分な性能


試乗車は中間グレードとなるスタイル。標準装着のタイヤは205/55 R17サイズだが、オプションの「デザインパッケージ」が装着されるため、1サイズ扁平な215/45 R18サイズが装着されていた。1リットル3気筒エンジンはスペックの変更はないが、従来モデルより振動が抑えられている印象があった。アクセル操作に対するトルクの立ち上がりも十分で、普通に走る分には一般道も高速も必要十分な性能だ。


サスペンションセッティングの細かい内容は確認できていないが、2023年に試乗したモデルに比べると乗り心地がいい印象。2023年に乗ったモデルは205/55 R17サイズのタイヤを履いていたが、今回の18インチは印象がいい。サスペンションのスプリングレートを落としつつ、ダンパーの減衰力をアップしたような感じで、全体としてまろやかさを得ているような印象だ。とくに攻め込むような走りはしていないが、コンパクトSUVに求められる性能は十分に確保していると感じた。


試乗時、アクアラインの橋の上は吹き流しが真横になるほどの強い横風が吹いていたが、その影響はほとんどないほど安定していた。背の低いスポーツカーやセダンならまだしも、コンパクトなSUVであるTクロスが横風安定性に優れているのはなかなか関心させられた。


◆欧州Bセグならではの割り切りも


若干気になったのはACC使用時。ACC走行時は先行車の速度が安定しないとこちらの速度も細かく調整されることになるが、200Nmのトルクだと速度調整が遅れ気味になる。すると後続のクルマが迫ってきてしまう。後続車が余裕を持って走っていてくれればいいのだが、こちらがちょっとでも遅れると、いらだってしまうクルマもあり、そうした場面では少し気をつかってしまう。とはいえ今回からはトラベルアシストも標準となったので、巡航や渋滞はかなり楽になったのは言うまでもない。


ラゲッジルームは最小で385リットル。リヤシートを前倒ししたフルラゲッジで1281リットルを確保。ラゲッジフロアは上下2段階に調整可能だ。リヤシートはシートバックが6対4分割で可倒するものの、スライド時にクッションは分割せず一体で140mm動かせる。スライドを一番前まで出した状態で、リヤシートを前倒しするとシートバックとラゲッジフロアの間にすき間ができてしまう。日本車ならこうした場所にはフラップを付けるなどしてすき間を無くすものだが、そこをしないのがいかにも欧州Bセグの割り切りという感じだ。


■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★


諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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