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[DSP大全]簡易的でも力を発揮! メインユニット内蔵型DSP

レスポンス / 2024年10月4日 6時30分

クルマの中で“良い音”を楽しみたいと思ったときには、「DSP」が役に立つ。当連載ではそうである理由からDSPの選び方、そしてシステムへの組み込み方までを解説しようと試みている。当回からは、タイプ違いがあることについて説明していく。


◆DSPにはタイプ違いが大きく3つある。その中でもっとも手頃なのは…


最初にDSPとは何なのかを簡単におさらいしておこう。これは、デジタル状態の音楽信号の制御を行うユニットだ。車室内には音響的な不利要因がいくつかあるが、DSPを使えばそれらへの対処が可能となり、ステレオ音源をより良い状態で再生できるようになる。


で、DSPにはタイプ違いが大きく3つある。「メインユニット内蔵型DSP」「パワーアンプ内蔵DSP」「単体DSP」、これらだ。


まず今回は、メインユニット内蔵型DSPがどのようなものなのかを説明していく。


なおメインユニット内蔵型DSPは、機種ごとでの性能差がかなり大きい。もっとも簡単なタイプでは、「バランス(左右の音量調整機能)」「フェーダー(フロントとリアの音量調整機能)」「トーンコントロール(高音・低音の音量調整機能)」、これらしか搭載されていない(これらの機能は“デジタル”ではない場合が多い)。


次いでもう少し機能が優秀になると「イコライザー」が搭載されるようになり、さらには「クロスオーバー」と「タイムアライメント」も搭載される機種も出てくる。そしてもっとも上級モデルともなると、「マルチ制御」も行える。


◆マルチ制御が行えればベスト。しかしそうでなくても本格運用が可能なものもある!


なおマルチ制御とは、フロント2ウェイスピーカーのツイーターとミッドウーファーを個別にコントロールすることを指す。ここまでが可能であれば、本格的な運用も行える。


なのでお薦めなのはそのようなタイプだが、マルチ制御までは行えなくてもクロスオーバーとタイムアライメントが搭載されていればある程度本格的な運用が可能となるので、詳細なサウンドチューニングを行えるメインユニットを手にしたいと思ったら、このような機種を選択しよう。


ちなみにそういったメインユニット内蔵型DSPでは、音楽信号の帯域分割を行うクロスオーバーはフロントスピーカーとサブウーファ-間にしかかけられず、各スピーカーから放たれる音の到達タイミングを揃えられるタイムアライメントは、ツイーターとミッドウーファーを“1つのスピーカー”として扱わざるを得ない。


◆簡易型であってもクロスオーバーとタイムアライメントが使える利点は多大!


しかしそうであっても、クロスオーバーとタイムアライメントが搭載されていない場合と比べてのアドバンテージはかなり大きい。クロスオーバーが使えればサブウーファーを導入するときに低音の鳴り方を緻密にコントロールでき、タイムアライメントが使えれば左右のスピーカーから放たれる音を大体同時にリスナーの耳に届けられるようになる。


ところで、スピーカーを市販品に交換していてそのスピーカーに付属されている「パッシブクロスオーバーネットワーク」が「バイアンプ接続」に対応していると、タイムアライメントのマルチ制御が可能となる。


リアスピーカー用の出力をツイーター用の出力として、フロントスピーカー用の出力をミッドウーファー用の出力として使えるようになるので、リアスピーカー用のタイムアライメントをツイーターに対して運用でき、フロントスピーカー用のタイムアライメントをミッドウーファー用として使えるようになる。


今回は以上だ。次回はマルチ制御が可能なメインユニット内蔵型DSPについてさらに詳しく解説していく。乞うご期待。

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