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スズキとエステー、車酔い対策の芳香剤を共同開発…森の香りで車内を快適に

レスポンス / 2024年10月11日 18時38分

スズキとエステーは10月11日、車酔いに悩む人向けの新型芳香剤『Air Forest YOWAN(エアフォレストヨワン)車用エアケアキューブ』を共同開発し、2025年春までに発売すると発表した。同日、東京都新宿区のエステー本社でプレゼンテーションが開催された。


スズキの社内調査によると、自動車に同乗する人の約23%が乗り物酔いに困っているという。また、運転者は乗り物酔いになりにくいが、同乗者は乗り物酔いになる。将来的に自動運転技術が発達すれば、全ての乗員が乗り物酔いの対象となる可能性があり、この課題はさらに拡大すると予想されている。


新製品は、車内の不快なニオイを軽減し、快適な空間を実現することを目的に開発された。北海道トドマツの天然精油を配合し、爽やかで心地よいグリーンの香りが特徴だ。車の中の不快臭に対する高い消臭効果もあるという。従来の芳香剤が、車の外から持ち込まれた臭い、タバコや食べ物の匂いを消すことが目的だったのに対し、新型芳香剤は車内の環境改善が主眼になっているところが異なる。


スズキ側で新型芳香剤の開発を担当し、現在はコーポレートベンチャリング事業担当として米シリコンバレーに駐在する瀬尾洋幸氏は「新型車の開発を担当していた当時、私がテスト車両を運転していて、同乗者が乗り物酔いになってしまった。たくさんの人が乗り物に酔いに困ってるんじゃないか、と考えた。調べると、乗り物酔いする人には、車のドアを開けた瞬間、その車内からの匂いを感じた瞬間に、気持ち悪いと感じる人がいることが発見された」と発端を説明する。


そこで、インキュベーションセンターのARCH(東京虎ノ門)にスズキとともに参加していたエステーに、課題解決のための共同開発を持ちかけたという。


この製品は、北海道トドマツの間伐材から抽出した機能性樹木抽出成分「クリアフォレスト」を活用している。これまで自然廃棄されていた未利用の枝葉を有効活用し、樹木の香りで空気の質を改善する画期的かつサステナブルな成分だ。


エステー側で新型芳香剤の開発を担当したのは、エステーR&D本部兼日本かおり研究所株式会社代表取締役社長の奥平壮臨氏だ。「日本でいちばん空気がきれいな森、窒素酸化物が少ない森を調べていた。2年かけて66か所を調べて、北海道の阿寒湖の近くの森がいちばんきれいな空気だった。そこの空気に何が入ってるか調べたところ、トドマツの香りが入っていた」という。


ちょうどそのタイミングでスズキから話を持ちかけられたそうだ。ただし、最初からトドマツの成分を使うと決まっていたわけではなく、最終的に9種類の候補からトドマツが選ばれた。


内容量は29.5gで、トドマツのキューブ型の中身は詰め替え式となっている。香りは約1~2カ月持続するとされるが、季節や使用状況により異なる。価格は本体2000円、詰め替え1000円程度を予想し、販売ルートはスズキの公式ECサイト「S-MALL」とスズキ販売店の予定だ。


製品名の「YOWAN」は「Your Wants」の頭文字を組み合わせた造語で、「森の香りの力を借りて、不快な移動空間にアプローチし、快適なクルマでの移動を希望するあなたの望みに寄り添う」という意味が込められている。


スズキとエステーは、この共同開発を通じて、車内環境の改善と乗り物酔いの軽減に貢献することを目指している。

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