ホンダは「UNI-ONE」と「SmaChari」展示でビジネス分野の拡大を目指す…ジャパンモビリティショー2024
レスポンス / 2024年10月16日 17時10分
「ジャパンモビリティショー ビズウィーク2024(Japan Mobility Show Bizweek 2024)」が、10月15日に開幕した(18日まで)。千葉県の幕張メッセを会場にモビリティに関するビジネスイベントとなった同ショー。ホンダブースではパーソナルモビリティや電動アシスト自転車に関するサービスが紹介されていた。
◆パーソナルモビリティ「UNI-ONE」
ビズウィークと銘打って開催された今年のジャパンモビリティショー。モビリティ関連企業と次世代を担うスタートアップによるビジネス共生を生み出すビジネスイベントと位置づけられた。それだけに既存のモビリティ企業が、ベンチャーをはじめとした新たな分野の企業と協業することを念頭に置いたさまざまな取り組みが見られるショーとなったのが特徴だ。
そんな中、ホンダが展示したのはクルマではなくパーソナルモビリティの「UNI-ONE」と自転車を電動化・コネクティッド化するサービスである「SmaChari」だった。いずれも新たな分野での活用を目指し、スタートアップとの協業で事業を拡大することが念頭に置かれ、ビジネス分野の拡大を目指したブース展開となった。
パーソナルモビリティの「UNI-ONE」はブース前で実際に試乗できるデモを実施した。すでにモビリティリゾートもてぎで稼動している同モデル、最大の特徴となるのは着座型のパーソナルモビリティである点。同時にハンズフリーで両手が自由に使えるのもこのモデルの魅力だ。イス状のUNI-ONEに腰掛けてスマホを使ってシステムを起動するとスッと着座位置が持ち上がる仕組み。同時に身体の重心移動に反応して前後左右に移動できる。センシングやロボット制御の技術には同社のASIMOの技術がフィードバックされている。
筆者もその場で着座して体験したのだが1分ほどすると操作にも慣れて腰から上の体重移動(下半身はまったく動かさない)だけで自由に動き回れるようになった。両手が使えるので移動と手を使う動作を同時にこなせるのもこのモビリティの大きなメリットだと感じた。従来のこの手のパーソナルモビリティはシニアカーなどの用途がメインだったが、UNI-ONEは子供からお年寄りまでが使えるモビリティと位置づけられている。例えば博物館などの施設内の移動も含めて、さまざまな用途で活用されることが見込まれているパーソナルモビリティなのだ。
最高速度は約6km/hに抑えられているので安全性も高く、両手がフリーに使えるので手を繋いで移動することも可能。重心移動だけで利用できるので下半身が不自由な人も利用できるなど、さまざまなメリットを備えたモビリティだ。先に紹介した各施設での移動手段として利用するほか、UNI-ONEとAR/VRを利用した次世代エンターテインメントでの利用も想定されている(VRゴーグルを付けてUNI-ONEに乗ってバーチャル空間を体感するなど)。まだまだ活躍の分野が広がるUNI-ONE、逆に言えばピッタリはまる活躍ステージはまだ見つけられていないのが現状だろう。それをサポートするパートナーを見つけ出すのも出展の大きな目的となっていたようだ。
◆アシスト自転車化できる「SmaChari」
もうひとつの展示となったのが「SmaChari」だ。既製品の自転車に対して通信ユニットやモーター、バッテリーを後付け設置することでアシスト自転車化することができるサービスだ(平坦な道路であれば80km程度の航続距離を持つ)。いちからアシスト自転車を設計するのでは無く、既存の自転車をベースにアシスト関連の機器を後付けで設置できることから、各自転車メーカーとの協業でアシスト自転車をより身近なものにすることができるのが特徴だ(将来的にはパーツに販売による既販自転車への後付けも検討中)。
SmaChariには従来のアシスト自転車には無かった機能もプラスアルファされる。例えばスマホによるコントロールもそのひとつ。電動によるアシスト設定としてパワー/レスポンスをそれぞれ好みに設定できる。またアプリを家族などとシェアすれば、例えば駅の駐輪所に自転車を停めておいて他の家族が利用することができるのも魅力。またスマホの地図画面で自車位置確認も可能、ホンダインターナビのデータを利用して周辺の注意地点を知らせる機能なども備えているのも見どころとなった。
ホンダのブースではその他にも「Honda Xcelerator Ventures」と呼ばれる取り組みも紹介。こちらはスタートアップ企業との協業を促進することも目的としたもの。AIや合成燃料、電池リサイクル、核融合発電などの先端技術を有するスタートアップへの投資も加速させるホンダの新たなチャレンジにもなっている。
パーソナルモビリティ、自転車の電動化など、さまざまなジャンルのモビリティを提案したホンダ。次世代のモビリティとそれをサポート・利用する企業との協業も視野に入れた新しいビジネスのスタートが垣間見られるブース展示だった。
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