本格アドベンチャー、ヤマハ『テネレ700』最新モデルが登場! シート高が低いモデルも
レスポンス / 2024年11月6日 16時0分
ヤマハ発動機は欧州で、新型『テネレ700』と『テネレ700ラリー』を発表した。1990年代に世界一過酷なラリーと言われるパリ・ダカール・ラリーを制覇したモデルを起源に持つ本格アドベンチャーバイクの最新モデルだ。軽量で取り回しのしやすさが特徴のテネレだが、新型ではシート高が低くトラベルサスペンションが短いモデルも登場。間口を広げると同時に、ラリーではオフロード愛好家向けに「真のパワーアップ」を遂げたという。
◆人間工学、重量バランスに基づいた新デザイン
新型テネレ700はデザインが大きく進化。直立したフロントエンドやリヤに向かうに従って絞られたシルエットは、従来からのテネレらしさを踏襲しつつ、人間工学に基づきオンロード/オフロードでの走りにさらなる効率と魅力的な乗り心地を実現するべくデザインされた。
燃料タンクはより前方に移動し、クラシックなテネレのデザイン言語を維持しながら、サイズと最適な人間工学のバランスをとるよう細心の注意が払われた。16リットルのタンクの上部はより低くなっており、バランスの取れた重量配分と、ハンドリング性能の向上に寄与している。シートは荷重移動を容易にできる形状とし、着席時と立ち位置の両方で空気の流れを最適化することに重点を置いた。ラリーにインスパイアされたというワンピースシートとなったのも新しい。
新しいヘッドランプデザインは、ヤマハの現代的なラリーレーサーのスタイルで、アルミニウム構造に積み重ねられた4つの個別のLEDライトユニットが特徴。「Y」字型のマウントが個性を表現している。ワンピースのウインドスクリーンとボディパネルは新形状となり、よりシームレスに統合。ラリー走行に求められる軽量さと頑丈さを両立した。
カラーはテネレの性能を強調すべく開発された2色としており、標準モデルでは、マシンの頑丈さを強調する「フローズンチタニウム」、または1996年以来「YZモトクロッサー」や「WRエンデューロバイク」を飾ってきたヤマハの「クラシックアイコンブルー」のいずれかを選択できる。
◆調整可能な前後サスがスムーズで安定した乗り心地を実現
フロントサスペンションはレースからのフィードバックを得たもので、圧縮およびリバウンドのダンピング特性は、フォークの両端にあるネジを回すことで微調整が可能に。また、新たに15mmのプリロード調整機能を設け、各フォーク脚の上にあるアジャスターから簡単に調整することが可能になった。新しい倒立フォークは、屈曲に強い43mmチューブと210mmの前輪トラベル(低シート高バージョンでは190mm)により、240mmの地上高(低シート高バージョンでは225mm)を実現している。
また鍛造アルミニウムの下部クランプと鋳造アルミニウムのクラウンを組み合わせた新しいヨークも開発。これにより、強度が増すとともに、非常に軽く自然な感覚のバイクが実現し、ライダーが一体感を感じるようになるという。
リアサスペンションはオンロードでもオフロードでもスムーズで安定した乗り心地を実現するように設計。新しいリアリンケージ設計と改良されたリアショックアブソーバーを組み合わせ、プリロード、圧縮、リバウンドダンピングを簡単に調整することができる。新しいプログレッシブリンケージは、従来モデルと同じ200mmのホイールトラベル(低シート高バージョンの場合は180mm)を維持しながら、サスペンションストロークを増加させる。
◆6.3インチのフルカラーTFTダッシュボードを搭載
機能面では、6.3インチのフルカラーTFTダッシュボードの搭載がトピックだ。ラリーレイドのロードブックからヒントを得たというデザインを採用したで垂直に積み重ねられたこのスクリーンは、スマートフォン連携が可能。ヤマハのMyRideアプリを介して音楽やターンバイターンナビゲーションだけでなく、通話やメッセージ閲覧の操作もできる。左ハンドルのスイッチギアで制御できるため、ハンドルから手を離さずシームレスにアプリ体験が可能だ。
操作をおこなう「スイッチギア キューブ」も新開発。より多くの機能を簡単かつ直感的にスクロールできる。人間工学に基づいて簡単に操作できるように設計されており、フレキシブルプリント回路を使用することで、5方向ジョイスティックを搭載。方向指示器もアップグレードされ、左側のスイッチギアに3回のフラッシュ信号または自動キャンセル機能付きの連続インジケーターを追加している。
690ccの並列2気筒「CP2」エンジンは、構成要素はそのままに「YCC-T」(ヤマハチップ制御スロットル)を採用することでパフォーマンス向上を図った。CP2プラットフォームで初めてスロットルマップの切り替えが可能となっている。「スポーツ」と「エクスプローラー」という2つのマップを選択できるようになった。モードの切り替えは右側のスイッチギアのボタンで簡単におこなうことができる。このほかにも吸気ダクトのショート化、クラッチ作動位置の変更、ギアボックス内部の改良などにより、スムーズかつ力強い走りを実現する。
◆エクストリームなライダー向け『テネレ700ラリー』
テネレ700ラリーは、よりエクストリームなライディングを楽しむライダー向けの上級モデル。伝統のマシンにインスパイアされた「スカイブルー」の専用カラー、ラリーレイドマシンの代名詞である象徴的なハイフロントマッドガード、ゴールドカラーのリムが組み合わされる。ソリッドブルーのボディには、当時のヤマハファクトリーレーサーで使用されていた象徴的な「スピードブロック」デザインが採用されている。
オフロードでの制御をさらに向上させるために、トラベルが長いサスペンションを採用。ラリーは、よりハードコアな「テネレ700 Extreme」をベースにしており、ハイエンドのフルアジャスタブルKYBフロントフォークを採用している。強化チューブとスティクションを低減する特殊コーティングにより、フォークのストロークが標準より20mm増加、フロントホイールのトラベルは230mmとなる。リアショックアブソーバーも同様のストローク増加により、地上高が255mmになる。
また、頑丈な4mmのアルミニウムサンプガードも備えており、一体型のラリーシートも独自のものだ。より高く直立したライディングポジションはライダーがバイク上で動き回りやすくするため。エンボス加工された「Rally」ロゴが付いた豪華なデュアルマテリアル仕上げのシートは910mmのシート高を備え、座っても快適だとヤマハはアピールする。
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