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【アウディ Q2 新型試乗】小さくてもアウディをしっかりと味わわせてくれる…島崎七生人

レスポンス / 2024年11月12日 20時0分

アウディ『Q2』が最初に発売されたのは2017年4月のこと。途中のマイナーチェンジで、あの“ビッグクワトロ”のディテールを取り入れた多角形グリルを採用するなどしてきたが、大筋のところは導入以来変わらず今に至っている……といったところだ。


そんなQ2に久しぶりに試乗し、改めて実感したのは「ああ、アウディ・ファミリーの一員だなあ」ということだった。


ご存知のとおりQ2はVWでいえば『Tロック』相当のモデルで、2595mmのホイールベースは事実上共通で(Tロックは2590mm)、トレッドは同数値(前:1545mm、後:1540mm)だ。とはいえボディサイズは同じエンジンを積むTロックのTSIに対しQ2は全長ー50mm、全幅ー30mm、全高ー60mm(Q4はルーフレール非装備)と一回り小振りで、反対に車重は+20kgであることが諸元表から読み取れる事実だ。


そんなQ2だが、走らせると(当たり前だが)アウディであることを今でもしっかりと味わわせてくれる。とくにフラットでスムースな乗り味、たっぷりとしたサスペンションのストローク感にその印象は強い。また座面の前後長があり、ファブリックの表皮の張りとクッションの反発でしなやかに体重を受け止めてくれるシートの着座感(=前後とも)も、かなり昔のアウディ車(=B3時代の『80』のころなど)のイメージを今でも思い起こさせてくれる。


1.5リットルの4気筒ターボ(150ps/25.5kgm)と7速Sトロニックが無駄なく性能を発揮してくれることで動力性能も快活で、クルマのキャラクターにあった快活な走りを実現している。走行時の静粛性もさり気なく高い。ACCも全車速対応だ。燃費は今回は街中の試乗がメインで、まさにカタログの市街地モード(12.4km/リットル)と同じ数値だった。


デジタル/エンタメ系の機能は部分的にひと世代前ながら、操作系でいうと、空調関係が物理スイッチで残されている点は昭和なオヤジ(=筆者)にとってはありがたい。ありがたいといえば、今どき珍しく、ふと見るとリヤドアのガラスがティンテッドタイプではなく素通しのため、その分室内が明るく、ドライブ中ここに座って外の景色を眺めたい我が家のシュン(柴犬・オス・2歳9か月)にとっても好都合(なよう)だった。


■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★


島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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