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サイバーセキュリティ・インフォテインメント・生成AIの3テーマを強化、「オートモーティブソフトウエアエキスポ2024」の見どころは? 11月20日~22日開催

レスポンス / 2024年11月14日 8時0分

11月20日から22日の3日間、パシフィコ横浜にて「EdgeTech+ 2024(エッジテックプラス 2024)」が開催される。開催に先立ち、主催者によるプレス説明会が開催された。その内容から今年の見どころなどをチェックしたい。


EdgeTech+ 2024の概要


EdgeTech+はもともとET(Embedded Technology)という名称で開催されていた国内最大規模の組み込み技術関連の展示会および国際カンファレンスだ。IoTやDXといった技術革新は組み込み業界に大きな影響を与え、ETもEdgeTech+として生まれ変わっている。


EdgeTech+の名称になってからは、コアとなる組み込み技術のほか、拡大するIoT技術が追加された。名称に+(プラス)がつく所以である。2023年はオートモーティブ市場へのアプリケーション技術が展示会内展示会として追加された。2024年は、さらにクラウドや生成AIなどが拡張されるという。


組み込み機器もIoTによってネットワーク化されたことで、開発技術や手法も様変わりしている。組み込み機器にOSが導入され、さらにLinuxの利用が広がっている。また、高度化するアプリケーションに対応するため、ネットワークモジュールやデータベース、画像処理などのミドルウェア技術の発展している。近年では、システム開発に仮想化技術を取り込み、クラウド環境で組み込み機器の開発が行われるようになってきた。アジャイルやDevOpsといった手法は、組み込み業界でも採用が広がりつつある。


EdgeTech+2024では、コアとなる組み込み技術、デバイス技術からクラウドアプリケーションまでカバーすることになる。


強化された「オートモーティブソフトウエアエキスポ」


会場の構成は昨年同様にパシフィコ横浜の展示ホールとアネックスが利用される。昨年好評だった特別企画「オートモーティブソフトウエアエキスポ(Automotive Software Expo)」もDホールを中心に展開。このホールには専用のセミナーステージが用意される。主要テーマはサイバーセキュリティ、インフォテインメント、生成AIだという。


サイバーセキュリティは、すでに家電製品から重要インフラまであらゆる分野の重要課題となっており、自動車業界も例外ではない。AIおよび生成AIは、製造業でも設計やソフトウェア開発の自動化や品質向上に活用が進む。製品実装では、機能やUIの向上に生成AIの活用が欠かせなくなってきた。自動運転やアクティブセーフティでもAI技術の画像認識領域での応用以外に、自動運転の進路判定や車両制御に大規模言語モデル・生成AIの適用が進んでいる。


関連する展示やカンファレンスでは、スバル、マツダ、日産といった主要OEMのセミナーのほか、デンソーやチューリングといったサプライヤーからスタートアップの技術が注目だ。スバル、マツダ、チューリングは基調講演も担当する。また、マイクロソフトによるSDVおよび生成AIをテーマとした基調講演も用意されている。車両展示は、スバルがストロングハイブリッドを搭載した新型『クロストレック』を、マツダが『CX-80』を予定しており、スバル EyeSight(アイサイト)のSDV技術やCX-80における安全性能技術などが紹介されるはずだ。


アワード受賞技術にも注目


プレス発表会では、EdgeTech+ アワードの発表も行われた。


【オートモーティブソフトウェア】優秀賞
・タイヤグリップインディケーター:NIRA Dynamics AB
 CANデータからタイヤグリップを推定するソフトウェア
・生成AIを支えるコア技術(Transformer)の車載適用:パナソニックオートモーティブシステムズ
 車載用Transformerモデルによりカメラ映像の天気などの補正・認識する技術


このうち、NIRA Dynamics(ナイラダイナミクス)タイヤグリップインディケーターは、加速度センサーや圧力センサーなどハードウェアセンサーを使わず、ソフトウェアのみでタイヤのグリップ状態を推定する技術。追加ハードウェアなしにECUソフトウェアの書き換えだけで、グリップセンサーの機能を追加できる技術として、SDV時代の技術として注目だ。


パナソニックオートモーティブシステムズの技術は、ChatGPTなど大規模言語モデルのAIに活用されている「Transformerモデル」を車載ECU用SoCに実装できるようにしたというもの。Transformerモデルは、会話や動画などストリーム全体のコンテキストを含めた推論を得意とする機械学習だ。動画ストリームを前後の状況を含めてリアルタイムで認識することができる。雨や雪のような「ノイズ」をリアルタイムで除去する推論に効果を発揮する。


Transformモデルは、モデルの規模(サイズ)が大きくなり組み込み機器や車載用としての実装が難しかった。これを軽量・高速化することでECUに搭載可能とした。


【Edge Technology】優秀賞
・組み込みソフトウェア開発 on AWS:アマゾンウェブサービス
 仮想化技術の組み込みソフトウェア開発への応用
・CHERI(Capability Hardware Enhanced RISC Instructions):Codasip
 ソフトウェアの脆弱性を低減するRISV-V拡張インストラクションセット


【AI/生成AI】優秀賞
・Secondmind適合ソリューション:Secondmind
 ICE、モーター開発における適合(キャリブレレーション)プロセスに適用できる機械学習モデル


なお、11月21日の15:30~16:10には、展示会場内のRoomFにて受賞企業によるショートピッチが行われる。


ロボコンなどサイドイベントも充実


前回も好評だった企画・展示はほぼ継承される。各社のソリューションやテクノロジーをマップ俯瞰できるカオスマップはオートモーティブ版とET+版の2種類が作成された。3回目となるチップミュージアムも継続される。歴代CPUやチップセットなどの展示が見られる。


期間中の業界交流イベントや「ETロボコン2024」も健在だ。


サイバーセキュリティゾーンでは、韓国のNSHC/REDAlertによるスマートシティのジオラマを使ったデモが見られるという。韓国では、街中のCCTVや各種センサーネットワークと高精度の都市3Dモデルデータを利用したサイバーフィジカル空間による都市管制・スマートシティ技術が進んでいる。サイバー攻撃に対する都市レベルでの対応やセキュリティに関するデモが見られるはずだ。


開催地である横浜市との連携イベントも企画される。会場となるパシフィコ横浜から桜木町駅に向かう途中のランドマークタワーに設置された「TECH HUB YOKOHAMA」では、EdgeTech+が終わる夕方から半導体技術に関するカンファレンスや交流イベントが開催される。


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