ターボ車が進化する! エンジン負担を抑えてパワーを引き出す『ブーストアップ』の秘訣~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2024年11月16日 6時30分
ターボ車にのみ存在する。コストパフォーマンス抜群のライトチューンがブーストアップだ。ターボチャージャーは排気ガスの勢いでタービンを回し、その力を使ってエンジンに空気を送り込む装置のこと。
排気量以上の空気をエンジンに押し込むことができるので、その分その空気量に合わせたガソリンを噴射して爆発させることができるので、排気量以上のパワーを引き出すことができる。それが小さな排気量で大きなパワーを出せるターボエンジンのメリットだ。
◆ターボ車パワーアップのキモはブースト圧
そのエンジンに空気を押し込む圧力のことをブースト圧と呼ぶ。このブースト圧はコンピューターやアクチュエーターなどで制御されていて、一定以上には上がらないようになっている。そして、ブースト圧をチューニングによって高めることで、エンジンによりたくさんの空気を送り込もうと言うのがブーストアップチューニングだ。
方法としてはブーストコントローラーでブースト圧を高めて、エンジン制御コンピューター(ECU)の内部データを書き換える。もしくはECU書き換えのみでブーストアップできるクルマもある。それらによってよりエンジンにたくさんの空気を送り込み、それに合わせて適切な量のガソリンを噴くことでよりパワーを引き出すことができるのだ。
もちろん無限にブーストアップできるわけではなく、やりすぎると、燃焼室に空気が入りすぎ、混合機を圧縮していく途中で爆発してしまうノッキング現象を起こしてしまいやすい。そうなると、エンジンに多大なダメージを与えてしまう。
そうならない範囲でブーストアップをしていくが、一般的にノーマルのブースト圧の1.5倍位が許容範囲。そうなるとパワー的には、元のパワーの大きさにもよるが20馬力から30馬力以上は軽くアップすることができる。トルクも同様にアップするので以上に効果を大きく感じられやすい。
◆長く乗る愛車であればかなりコスパ高いチューニング!
車種にもよるが一般的にブーストアップにかかる費用は10万円から20万円ほどとなると、極めてコストパフォーマンスの高いチューニングにである。
ちなみにNAエンジンの場合20~30馬力アップさせようと思うとかなり難しい。カム、マフラー、触媒、インテークなど様々なパーツを変えなければ、数十単位でのパワーアップは難しく、50万円程度でも数十馬力単位のアップは難しい。
ところがターボ車の場合はブーストアップをすれば数十馬力を簡単に得られてしまうので、極めてコストパフォーマンスが高いのだ。
ちなみにそれ以上にパワーを要すると、基本的にはより大きなタービンへ交換することとなる。タービン自体は20万~30万円のことが多いが、場合によってはタービンが大きくなったことに合わせてインジェクターを大容量なものに交換しなければならなかったり、エキマニ交換が必要とか、トータルで様々な部分のチューニングが必要になる。そうなると、一気にかかる費用が上がってしまう。費用対効果を考えると、ターボ車でのブーストアップが最も効率の良いパワーアップチューンなのだ。
ちなみにフルノーマルの状態でもブーストアップは可能だが、周辺パーツを一緒にチューニングすればより効果が大きい。特にオススメなのが排気系パーツだ。
タービンから出た排気ガスはその後、触媒を通過してマフラーに送られ排出される。この触媒を低抵抗なスポーツキャタライザーに交換すると、排圧が下がってよりタービンがピックアップよく回りやすくなる。
そうなるとアクセルレスポンスも良くなるしパワーも引き出しやすい。同時にマフラーも効率の良いものにすると同様の効果が得られるので、ブーストアップをするときは排気系パーツのチューニングもオススメである。
ブーストアップ程度では正直エンジンライフにもまず影響はない。それでいて十分なパワーアップが得られる。また、ブーストアップ程度であればミッションが壊れたり、ドライブシャフトがダメージを受けることもまずない。さらにラジエーターやオイルクーラーなどの冷却系もノーマルで対応可能。サーキット走行をガンガンするというのではれば、それぞれ対策は必要となるが、普段乗りのクルマでブーストアップしたからと行って、特別に冷却対策はまずいらない。ブーストアップはオススメのチューニングなのだ。
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