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[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!

レスポンス / 2024年11月22日 6時30分

本格的なカーオーディオシステムの構築を目指すなら、「DSP」の導入はマストだ。当連載では、そうである理由からDSPの選び方そして使い方までを解説している。前回からは、設定のコツの紹介を開始した。


◆クロスオーバーの設定が上手くいくと、低音が“前方定位”する!?


さて前回は、ある程度本格的な「メインユニット内蔵型DSP」の、「クロスオーバー機能」の扱い方を説明した。今回は、その続編をお贈りする。


なお「クロスオーバー」とは、マルチウェイスピーカーの各ユニットの再生範囲を決める機能だ。で、ある程度詳細な設定を行えるメインユニット内蔵型DSPには、フロントスピーカーとサブウーファーに対してそれを行えるクロスオーバーが搭載されている。


そしてそのセッティングが上手くいくと、「低音の前方定位」が実現される。シート下やトランクに設置してあるサブウーファーから放たれる低音も、フロントスピーカーから聴こえてくるのだ。


で、このような聴こえ方を実現できるか否かは、「位相」を上手く合わせられるか否かにかかっている。


◆異なるスピーカーから聴こえてくる同一の音の「音波のタイミングがピタリと合うと…


ところで位相とは、「音波のタイミング」だとイメージしてほしい。で位相は、複数のスピーカーから同じ音が聴こえてくるときに問題となる。


なのでサブウーファーを導入する場合には、ドアスピーカーとサブウーファーの両方から聴こえてくる同一の音の音波のタイミングが揃うか否かが問題となる。ドアスピーカーとサブウーファーとに再生範囲の割り振りをするわけだが、境目(クロスポイント)付近の音は両方から聴こえてくるので、それらの音波のタイミングを揃える必要性が生じるのだ。揃わないと、サウンドの一体感が損なわれる。


なのでクロスオーバーには、「位相切替スイッチ」が備わっている。そしてこれを入り/切りして(正/逆を切り替えて)音を聴き比べよう。そうして音量が大きくなったように、さらにはサウンドの“向かってくる感じ”が強い方を選択すればOKだ。そのように聴こえる方が、「位相が合った状態」だ。


しかしながら、「正・逆」を切り替えても聴こえ方が変わらないこともある。


◆位相が“どっちつかずの状態”のときには、スロープを活用すベシ!


位相切替スイッチを操作しても聴こえ方が変わらない場合が出てくる理由は以下のとおりだ。位相の実際のズレ方は「正」か「逆」かのふたとおりだけではないからだ。「ゼロ度」から「360度」の範囲でどの程度ズレるかはケースバイケースだ。


なので位相切替スイッチを操作しても変化が感じられなかったときには、次のような操作を行おう。クロスオーバーには「スロープ」が切り替えられるようになっている場合が多い。スロープとは、再生範囲の上限または下限の外側の帯域の音の減衰率を決めるパラメーターだ。


で、これを1段階変えると位相が「90度」変化する。その上で位相切替スイッチを操作して聴こえ方を確認し、変化が生じていればしめたものだ。より音量が大きく、そして向かってくる感じが強い方をセレクトしよう。


今回は以上だ。次回は「タイムアライメント」の操作のコツを解説していく。お楽しみに。

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