純正から卒業! オリジナル感を極めるホイール交換完全ガイド~Weeklyメンテナンス~
レスポンス / 2024年11月28日 6時30分
ドレスアップと同時にパフォーマンスアップにも繋がるホイール交換はクルマのパーツ交換の代表的な項目になっている。そんなホイール交換に不可欠なサイズ選びの基礎知識を紹介しておこう。
◆足元強化は見た目を大きく変化させる
クルマのイメージを大きく左右するのがホイール。おしゃれは足もとから、なんて言葉があるがクルマも同じ。かっこいいホイールを履きこなせばクルマは何倍にもかっこ良く見えてくるもの。逆にホイールが薄汚れているとクルマ全体がくすんで見えてしまう。そこでドレスアップの第一歩としてホイール交換を実施してみると良いだろう。
多くのホイールメーカーからさまざまなアルミホイールが発売されているが、多種多彩なデザインのモデルが用意されているので、愛車のイメージやオーナーの思い描くドレスアップの方向性でセレクトの幅は多種多様。同じクルマに乗っていても他と差を付けるのはまずはホイールだ。デザイン性はもちろんだが、軽量モデルや高剛性のホイールを選ぶことでバネ下重量の軽減や走りの剛性感アップなど、パフォーマンスアップにも役立つのもホイール交換の魅力。デザイン性&パフォーマンスアップを両立できるホイール交換、クルマを購入して自分だけのオリジナル化を実施するには優先順位上位のパーツなのは間違いないだろう。
純正ホイールからアフター品のアルミホイールに交換する際に、いくつかの選択肢がある。純正サイズのまま交換する手法(セイムホイールなどとも呼ばれる)と純正より大径のホイールを選びインチアップだ(ごく一部のカスタムスタイルでは小径ホイールを選ぶインチダウンもある)。これらのホイール交換を実施する場合に、気をつけたいのサイズ選びだ。
純正ホイールはもちろん車種ごとに専用のサイズが設定されているのがアフターパーツのホイールは“汎用品”だ。そのため愛車に適合するサイズを選んでフィットさせる必要がある。インチアップの場合はサイズ選びがなおさらシビアになってくる。ただしサイズの基礎知識さえ知っておけばセレクトは難しくないので、この機会にホイールにまつわるサイズの知識をしっかり身につけておこう。
◆ホイールのスペックを知ることがホイールチェンジの第一歩
ホイールメーカーのWebページを見たりホイールショップに行ったりすると表記されている18インチ、7J、IN45、114.3、5Hなどローマ字と数字がズラッと並んでいるのを見たことがあるだろう。これがホイールのサイズを示すスペックなのだ。愛車に適合するかどうかはこのホイールのスペックを見れば概ね判断できるので注目だ。
ホイールのスペックには径、幅、オフセット(インセット/アウトセット)、ハブ径、ハブボルトの穴数などを表している。それらを見るだけで各部のサイズがわかる仕組みになっている。愛車のホイール交換を考えているならば、クルマに合う適合サイズもWeb情報やショップなどであらかじめわかることも多いので、ホイール選びのひとつの指標にしてみると良いだろう。
では具体的なスペックの見方について紹介しよう。まずはホイールの径についてはインチで表記される。17インチ、18インチ、20インチなどの表記がリム径=ホイールの直径を表している。当然数字が大きいホイールほど大径になる。純正が15インチだったホイールを16インチなどにサイズアップすることをインチアップと呼ぶ。ホイールが大きくなることでディスク面も広くなり(相対的にタイヤが薄くなる)足もとのアピール度も高くなるのが特徴。偏平率の高い極薄タイヤを組み合わせた大径ホイールがかっこいいのはドレスアップの世界ではなかば常識になっている。
重要なスペックは、取り付けに必須条件となるスペックだ。まずはハブ径。P.C.D.(ホイールピッチ)と呼ばれるもので、各ハブボルトをつないだ円の直径を示している数値だ。100や114.3、139.7などさまざまなサイズがある。
車重が重くなるとホイールに加わる荷重も高くなるためP.C.D.の数字は大きくなる傾向にある。これは純正のスペックと合わせて選ぶのが必須(変換方法もあるがこれは上級者向け)。また純正や専用ホイールではホイールの裏側を見るとハブがホイールにピッタリとはまってセンターを出す役目を果たしているのだが、車外ホイールの場合は汎用性を持たせるためにハブ径(内径)を大きめに設定している場合が多い。そこで隙間を埋めるためのハブリングと呼ばれるパーツも用意されている。取り付け精度を上げるためにホイール交換時に用いると良いだろう。
さらにホイールを取り付ける上でもうひとつ欠かせないのがハブボルトの数。4本、5本、6本など耐荷重に合わせて本数が変わる。ホイール側はそれに合わせてハブボルトの穴が空けられている。これが4H、5H、6Hという数字で表記されているのだ。もちろんP.C.D.、ハブボルトの本数はホイール選びの必須項目となる。
次にホイールの幅とオフセットについても紹介しておこう。インチ数を決めてP.C.D.などをチョイスしたら、次はホイールの太さを選ぶ段階だ。この太さを表しているのが6.5Jや7Jなどの数字。これはリム幅を表している。インチ表記なので1インチ=2.54cmで計算すればだいたいのサイズ(幅)が想像できるだろう。リムの幅を広くすると適合するタイヤが太くなる。ワイドタイヤを履かせたい場合にはリム幅を太くする必要がある。ただし、クルマのタイヤハウスには限界があるので、あまりタイヤを太くするとインナーフェンダーに干渉するため許容サイズを調べてから選ぶのが必須。
さらにインセットと呼ばれる数値もタイヤと車体(特にフェンダー)の関係性を整えるのには必須の数値だ。これはホイールの中心からハブへの取り付け面までの距離を示した数値。ホイールの中心よりも外側に取り付け面がある場合には+表記(インセット/プラスオフセットと呼ぶ)、ホイールの中心よりも内側に取り付け面がある場合には-表記(アウトセット/マイナスオフセットと呼ぶ)になる。表記は少しややこしくインセットの場合にはIN○○、アウトセットの場合にはIN-○○と表記されることも多い。このわずかな数値の違いでフェンダーからホイールがはみ出してしまったり引っ込んでしまうことになる。フェンダーにピッタリ収まるホイールを選びたいならば細かくインセットを選ぶことになる。
これらのホイールスペックを知っておくと、愛車にぴったりのホイール選びもスムーズ。欲しいホイールもピタリと選び出せるので、基本的なホイールスペックの読み方を憶えておくと良いだろう。ただしギリギリ適合すると思われたホイールでもキャリパーの干渉など、必ずしも絶対では無いので最後の決め手にはショップなどのアドバイを仰ぐようにすると間違いが無いだろう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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