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[カーオーディオ・素朴な疑問]パワーアンプ編…「クロスオーバー機能」って何? 使う利点は?

レスポンス / 2024年12月25日 19時0分

カーオーディオシステムのアップグレードに興味を持っても、なんとなくの“とっつきにくさ”が壁となりがちだ。当コーナーはそれを払拭し、カーオーディオ愛好家をさらに増やそうと展開している。毎回、疑問に思われがちな事柄の意味や成り立ちを解説している。


◆「クロスオーバー」とは、音楽信号の「ろ過装置」!


現在は、「外部パワーアンプ」に関する難解な事項について説明している。今回は、これに搭載されている「クロスオーバー機能」にフォーカスする。


さて、当機能は何なのかというと、答はズバリ、「音楽信号のろ過装置(フィルター)」だ。


例えば1台の「4chパワーアンプ」でフロントスピーカーとサブウーファーとを鳴らそうとするときには、Achの出力を右スピーカーのパッシブクロスオーバーネットワークに繋ぎ、Bchの出力を左スピーカーのパッシブへと繋ぐ。またCchとDchの出力を「ブリッジ接続」してサブウーファーへと繋ぐ。


このときに外部パワーアンプにクロスオーバー機能が備わっていれば、以下のようなことを実行できる。AchとBchから出力される信号の低音成分をカットして、さらにはCchとDchの中低音成分をカットして、各スピーカーに不要な信号を送らないようにできるのだ。


◆「クロスオーバー」を活用すると、ステレオイメージの再現性が上がる!


というのもサブウーファーを導入する場合には、できるならフロントスピーカーとサブウーファーに役割分担をさせた方が良い。それをしないとステレオイメージがリアルに再現されにくくなるからだ。


そうなる理由は以下のとおりだ。役割分担をさせないと、中音から超低音までがドアスピーカーとサブウーファーの両方から聴こえてくる。そうなると、音の出どころが分かりやすくなりスピーカーの存在感が高まる。


しかし役割分担をさせた上でサウンドチューニングが上手く決まると、サウンドの一体感が高まりスピーカーの存在感が希薄になる。そうなると、ステレオ感が高まりやすくなる。スピーカーから音が出ている感じが弱まって、目の前に音像が出現する。結果、演奏している現場にいるかのように感じられるようになるのだ。


◆クロスオーバー機能を使うと、マルチアンプ駆動も可能に!


なお外部パワーアンプに搭載されているクロスオーバー機能の中にはさらに、ツイーターとミッドウーファーに対しても再生範囲の役割分担をさせられるものがある。そうであると、フロント2ウェイスピーカーの「マルチアンプ駆動」が可能となる。


マルチアンプ駆動とは、左右のツイーターと左右のミッドウーファーの計4つのスピーカーユニットを、「パワーアンプ」の1つずつの出力をダイレクトに繋いで鳴らすという駆動方式のことを指す。そしてクロスオーバー機能を活用すれば、ツイーターに繋いだchでは中低音のカットを、ミッドウーファーに繋いだchでは高音のカットを行えるので、このような接続法を実行できるのだ。


ただし外部パワーアンプのクロスオーバー機能は、緻密な設定を行いにくい。各スピーカーの担当範囲をざっくりと設定することとなる。なのでマルチアンプ駆動が実行される場合には何らかの「DSP」が導入されて、それに搭載されているクロスオーバー機能が使われることが多い。


とはいえDSPの導入がコスト的な理由等で見送られる場合には、外部パワーアンプのクロスオーバー機能を活用するという手が浮上する。覚えておこう。


今回は以上だ。次回はマルチアンプ駆動についてさらに詳しく解説する。乞うご期待。

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