車検に通らない? ヘッドライトの黄ばみを逃すな!~Weeklyメンテナンス~
レスポンス / 2025年1月9日 6時30分
クルマに乗り続けていると内外装は少しずつ劣化してくる。中でも経年劣化による傷みが目立ちやすいのがヘッドライト。しかしリペアアイテムも揃っているのでDIYでメンテナンスを実施してみよう。
◆ヘッドライトはなぜ黄色く変色していくの?
愛車を駐車場などで何気なく見ていると、きれいに洗車しているのにどこかスッキリしない、なんだかくすんだような雰囲気で美しくない、そんな経験をしたことある読者も多いのではないだろうか。そんな時の原因として考えられるのがヘッドライトの黄ばみ/くすみだ。ボディは隅々まできれいに磨き上げられているので、なおさらヘッドライトの劣化が目立ってしまう。
しかし洗車時にはヘッドライトも同時にクリーニングしているのに、なぜ汚れが落ちていないのだろう。原因はヘッドライトの表面が劣化してコーティングが剥がれてしまったり、樹脂パーツが黄ばんだりしているため。これはシャンプーでは落ちずコーティング剤などもほぼ効果が無いのだ。透明な樹脂パーツの透明感がなくなって愛車の外観からシャープさが失われるのはそんな理由だ。
しかもヘッドライトの黄ばみ/くすみは夜間のヘッドライト照射にも影響を与えるので要注意。レンズ面が汚れると光の透過率が下がり規定の光量や光軸に悪影響を与えてしまって車検にパスしない場合も出てくる。ショップで車検を受ける際には光軸テストの前にヘッドライトの濁り除去のために軽く磨きを掛けている場合もあるのはそのためだ。
クルマの美観&安全性を左右するヘッドライトの劣化。原因になっているのは近年のヘッドライトが樹脂(ポリカーボネート)のレンズを使っているからだ。この樹脂パーツは紫外線やヘッドライトの熱によって少しずつ劣化が進み、新車時は透明だったレンズ面が経年劣化で徐々に黄ばみんだりくすんだり、白く濁ったりしてしまうのだ。樹脂の表面には劣化を抑えるためにコーティングが施されているのだが、これが時間とともに剥がれてくるのも劣化の要因。レンズ面を近くで見て、ザラザラとした表面であったりヒビ割れ状の傷みがある場合はすでにコーティング剤が剥がれはじめていることを現れだ。
◆ヘッドライトを復活させる溶剤が多数販売されている
そんな劣化したヘッドライトを蘇らせるアイテムはカー用品店でも多数用意されている、ヘッドライトクリーナーやヘッドライトリペアなどとネーミングされているアイテムがこれにあたる。
ヘッドライトの樹脂やコーティングの補修に最適な内容が含まれている専用のキットなので安心して使えるだろう。1液性のアイテムや下地+コーティング剤を用いる2ステップのアイテムなど、いくつかのタイプがあるので、手間と完成度を考慮して選ぶと良いだろう。
ひとつ知っておきたいのはヘッドライトクリーナー/ヘッドライトリペアは一度施工すればずっと効果が発揮されるものではなく、再び劣化するので定期的な施工が必要になる点。アイテムによって異なるが、おおよそ1年程度が耐久性の目安と考えれば良いだろう。
そんなヘッドライトクリーナー/ヘッドライトリペアの施工には大きく分けて2つの作業工程がある。ひとつが黄ばみ/くすみを除去する工程、そしてもうひとつがヘッドライトが再び劣化しにくくするためのコーティングの工程だ。
まずは黄ばみ/くすみを除去する工程。もっとも代表的なものは液剤に研磨剤を含んでいて、ヘッドライト表面の汚れを削り取ってしまうアイテムだ。研磨剤入りのヘッドライトクリーナーを使ってレンズ表面を磨いていくとみるみる汚れが落ちてすっきり透明なレンズが蘇ってくる。これはかなり気持ち良い作業だ。また溶剤が含まれていてヘッドライト表面の汚れを溶かして除去するアイテムもある。
これらのレンズ面の汚れを取る研磨作業を行った後は、純正状態のコーティングが剥がれた状態だ。そのままでは樹脂面の劣化が進むので表面を保護する必要がある。それがコーティングの工程だ。磨き上がったヘッドライトに対してコーティング処理を行うことで耐久性と美しさをアップさせる。
ヘッドライトのリペアアイテムには研磨+コーティングと2液を使うアイテムと、1液で磨き&コーティングの工程を一度にこなしてしまうアイテムの大きく分けて2タイプがある。仕上がりを求めるのか、作業の手軽さを求めるのかで使い分けると良いだろう。
次の洗車のタイミングでヘッドライトをリペアして、これまでどことなくくすんで見えていた愛車の外観をリフレッシュしてみよう。洗車だけではなし得なかった美しさが蘇ってくるはずだ。専用のアイテムを使えば施工も比較的簡単で、説明書通り進めれば間違うこともない。DIYメンテナンスとしてはハードルが低いのでリペア初心者にも最適なメニューとなる。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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