最大60人乗り、新型電動スクールバス『ジュリー』発表 カミンズの新世代「eAxle」採用
レスポンス / 2025年1月15日 19時0分
北米最大手のスクールバスメーカーのトーマス・ビルト・バスは、第2世代となる電動スクールバス『サフ-T-ライナー C2 ジュリー』を発表した。
同社はダイムラー・トラックの子会社で、2017年に初代『ジュリー』を発表して以来、北米の顧客に1000台以上を納入してきた実績を持つ。
新型ジュリーの最大の特徴は、アクセレラ社(カミンズ社のゼロエミッション技術ブランド)が開発した新世代「eアクスル」の採用だ。このeアクスルは、モーター、2速トランスミッション、ディスクブレーキ、リアドライブギアセットを1つのパッケージにまとめ、後軸に搭載する。従来のドライブシャフトが不要となり、駆動系の軽量化、効率化、簡素化を実現している。
さらに、アクセレラ社のELFAインバーターと組み合わせることで、車輪に直接動力を伝達し、加速性能とトルクを向上させ、より滑らかな乗り心地を提供する。eアクスルの採用により、可動部品の数が減少し、主要コンポーネントが集約されたことで、メンテナンスが簡素化され、学区にとってはサービスコストの低減と稼働率の向上につながる。
新型ジュリーは、顧客からの要望が高かった219インチ(5.56m)のホイールベースオプションを新たに追加し、最大60人の乗客を収容できるようになった。eアクスルの採用により、より短いホイールベース設計が可能となり、車両の全体的な操作性が大幅に向上。狭い場所での運転や整備場への出し入れが容易になった。
バッテリーシステムには、プロテラ社の800ボルトシステムを採用。発進性能、登坂性能、加速性能が向上している(バッテリー容量246kWh、出力220kW/295hp)。
トーマス・ビルト・バスは、ノースカロライナ州ハイポイントの製造工場で、219インチ(5.56m)ホイールベースの第2世代サフ-T-ライナー C2 ジュリーの生産をすでに開始している。さらに2025年には、異なるホイールベース仕様も導入される予定だ。
この新型電動スクールバスの登場は、北米の学校輸送システムの電動化をさらに加速させる可能性がある。ダイムラー・トラックは、環境への配慮と技術革新を両立させた次世代スクールバスを普及させていく。
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