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クルマの樹脂パーツが蘇る! DIYで簡単にできる「最強補修テクニック」~Weeklyメンテナンス~

レスポンス / 2025年1月16日 6時30分

近年のクルマは内外装に多くの樹脂パーツが使われている。大きな衝撃を受けたり脱着作業中にうっかり破損してしまったパーツでも、工夫次第でDIY補修できるのでチャレンジしてみよう。


クルマの各部分に使われている樹脂パーツ。ABSなどの比較的強度の高い樹脂が用いられていることが多いものの、強い衝撃を受けたり想定外の角度から力が加わると案外簡単に折れてしまう。特にDIYでクルマのメンテナンスやパーツ交換を実施しているユーザーなら一度や二度はそのような経験があるのでは無いだろうか。


そこで、今回は樹脂パーツの破損をDIYで補修する方法を紹介していくこととしよう。破損と言ってもさまざまなケースがあるのだが、意匠パーツで力の加わらない平坦な部分が割れてしまった場合は、比較的補修は簡単。ホームセンターで手に入る樹脂に対応した接着剤を用いて接着するのがもっとも手軽で手っ取り早い方法だ。


しかし、この方法はあくまでも割れた部分を接着するのが目的、割れる前の強度が復活するわけではないのを憶えておこう。例えばパーツを固定しているビスを止めるための受けの部分や、パーツをはめ込み固定するツメ状のパーツのベース部などが割れてしまうと、接着剤で固定できてもパーツを取り付ける際にビスやツメを差し込む際に力が加わると“パキッ”と割れてしまうことが多い。それもそのはず接着しているのは薄い樹脂パーツのわずかな面積だけ。そのため接着剤の力だけでは十分な強度を保てないのだ。


そこで、奥の手として用意したいのがアクリル樹脂を用いた補修剤だ。カー用品店やホームセンターなどでも販売されていることも多いのですでにご存じの読者も多いだろう。もっともポピュラーなアイテムとして販売されているのがプラリペアと呼ばれる補修剤だ。これを使うと割れた面を接着するだけではなく補修剤によって割れた樹脂パーツ同士を一体化して、元通りにひとつのパーツのように固定することができるのだ。しかもクルマで用いられているABS樹脂、アクリル樹脂、塩ビ、AESなどのほとんどの樹脂パーツに対応しているので汎用的に使えるのもありがたい。とにかくこれひとつあれば車両のほとんどの樹脂補修は可能だ。


この補修剤の使い方はちょっと変わっている。接着剤のように液体を接着面に塗ってくっつけるのではなく、溶剤とパウダー状の樹脂を専用の器具を使って混ぜ合わせて、樹脂パーツが割れている部分に流し込むスタイル。短時間で固まって樹脂のような強度になるのが特徴だ。ある程度の粘性があるので割れた部分の補修の際に盛り上げることも可能で、補修部分の樹脂の厚みを自由に調整できるので補強にも使えるのも特徴。さらに折れたり欠けたりして無くなってしまった部分もこの補修剤を流し込んでいくことである程度は復元できるのも魅力。完全硬化すると十分な強度があるので、パーツ固定のためのツメのベース部分やネジの受けなどでも実用性を発揮してくれるのがDIY派には嬉しい。


樹脂の強度を出すという意味で、もうひとつの注目補修方法がヒートリペアという方法だ。プロの内装屋さんなども実際に用いている手法で、電熱ピン(金属製)と呼ばれるステープラーの針のようなパーツを、半田ごて状の専用工具を使って熱して、樹脂の中に溶け込ませる補修方法だ。樹脂同士をこの電熱ピンで橋渡しするようにして接合するので強度も十分。樹脂パーツは比較的破損しやすいパーツなので、DIYでクルマいじりを実施しているユーザーならば、ヒートリペアのキットをひとつ用意しておくと何かと便利だろう。


割れたり欠けたりして困ってしまうことも多いクルマの樹脂パーツ。手軽で高強度な補修方法を知っていると万が一の際にも慌てることはないだろう。普段からDIYでメンテナンスをしているユーザーであればいずれも作業のハードルはそれほど高くないので、割れが気になっていたパーツの補修をこの週末に実施してみよう。


土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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