【VW ティグアン 新型試乗】マイルドハイブリッドと高性能シャシーが魅力…諸星陽一
レスポンス / 2025年2月8日 12時30分
フルモデルチェンジされたフォルクスワーゲンの『ティグアン』に試乗した。日本に輸入されるモデルは、マイルドハイブリッドの「eTSI」とディーゼルの「TDI」の2種のパワートレインが設定された。
◆より強力にそして軽量化したMQB evo
初代ティグアンは2008年に登場、『ゴルフ』をベースとしたSUVで同社の現代的SUVとしては『トゥアレグ』に続く第2弾である。2代目ティグアンは2016年に登場、このモデルからプラットフォームがMQBとなる。初代に比べるとホイールベース、全長、全幅ともにひとまわり大きくなっている。
現行モデルは2023年にワールでプレミア。日本では出遅れて2024年7月に発表。11月より販売が開始された。プラットフォームは従来のMQBを進化させ、より強力にそして軽量化したMQB evoを採用している。ホイールベースは先代と変わらず2675mmだが、ボディ全長は30mm長い4545mm(Rラインは25mm長い4540mm)、全幅は先代モデルと同じ1840mm(Rラインは1860mm)、全高は25mm高い1675mmとなった。
eTSIのマイルドハイブリッドは150馬力/250Nmの1.5リットルエンジンに18馬力/56Nmのモーターを組み合わせたもので駆動方式はFF。TDIは2リットルで193馬力/400Nmのスペックで駆動方式は4WD。TDIはSCRシステムを2つとするツインドージングシステムを採用し、窒素酸化物(NOx)の排出量を従来よりも削減している。
◆ミラーサイクルのトルク不足をカバーするモーター
試乗車はマイルドハイブリッドのeTSIで、グレードは「Rライン」。搭載されるエンジンはミラーサイクル。モーターアシストのある発進場面ではスムーズそのもの。試乗時には3名乗車となることもあったが、力不足を感じることはない。
その先、登り勾配が続く試乗路でも十分な加速感が得られ、こと加速という面においては不満要素はない。事前の説明でミラーサイクルは低速トルクが薄く、それをモーターがカバーしているという説明があったが、まさにそのとおりというイメージ。
このマイルドハイブリッドエンジンには気筒休止機能がついており、4気筒のうち2気筒が必要に応じて休止して燃費を稼いでいる。アイドリング停止機能もあり、再始動はセルモーターではなくマイルドハイブリッドシステムに使われているBSGを用いるため、ノイズも少なく快適である。エンジンとモーターの協調性もよく、回生も行われるのでエネルギーの無駄づかい感がないのが乗っていて快適だ。
◆高次元の性能を実現するショックアブソーバーと制御
そして秀逸なのが乗り心地やハンドリングなどのシャシ性能。従来モデルに採用されていた「DCC」ではショックアブソーバーの伸び側のみ減衰力調整していたが、新型に採用された「DCC pro」は伸び側、縮み側両方の減衰力調整が可能。エコ、コンフォート、スポーツ、インディビデュアルの4モードが選べる。スポーツにするとステアリングのしっかり感も増すので操舵量の微調整もしやすい。
サスペンションの性能でいえば、スポーツにしているからといって乗り心地が悪くなるわけでもなく、コンフォートだからといって腰砕けのコーナリングになるわけでもない。なにしろ1秒間に1000回というセンシングをして適切な減衰力に調整しているというのだからどのモードでも十分な性能が得られるわけだ。ならば、デフォルトモードはオートでコンフォートはさらに柔らかく、スポーツはさらに硬くしてくれないとモード切替ができる意味が薄らぐと感じた。まあ、それだけショックアブソーバーの性能と制御の性能が高次元だと言えるのである。
定員乗車時のラゲッジルーム容量は352リットルで先代よりも37リットルの増加。ただしリヤシートを前倒ししてフルラゲッジとした際のラゲッジルーム容量は先代より若干ダウンの1650リットルになる。フルラゲッジ時の容量ダウンはリヤシートの快適性を向上したためだとアナウンスされている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
VW新型「ゴルフ」刷新で何が変わった? 世界の「スタンダードカー」がさらに進化!? ディーゼル仕様は乗ってどう?【試乗】
くるまのニュース / 2025年2月2日 22時10分
-
【VW パサート 新型試乗】PHEVは、EVに踏み切る前の一歩として魅力…諸星陽一
レスポンス / 2025年1月26日 17時0分
-
487万円~ワーゲン「新型ティグアン」の◯と✕ 楽しい走りは「目からうろこ」も気になる点も
東洋経済オンライン / 2025年1月25日 13時0分
-
フォルクスワーゲン「ティアグン」の3代目はパワーとスポーティなスタイリングが光るSUV!
&GP / 2025年1月19日 17時0分
-
【VW ティグアン 新型試乗】3代目はVWの再起を担う一台かもしれない…南陽一浩
レスポンス / 2025年1月14日 21時0分
ランキング
-
1ゴミ屋敷から発見した「230万円で売れた“真っ黒のモノ”」の正体は…ゴミ清掃員芸人が語る「衝撃的なゴミ屋敷」の実態
日刊SPA! / 2025年2月8日 8時54分
-
2渋谷サクラステージ"閑散"に見る「再開発の現実」 渋谷の再開発はもう失敗してしまった…のか?
東洋経済オンライン / 2025年2月8日 8時40分
-
3ネトフリに実力派俳優が出演する理由は「お金」だけではない…テレビドラマに起きている深刻な幼稚化
プレジデントオンライン / 2025年2月8日 7時15分
-
4「イラン初の空母」ついに就役へ スキージャンプ式の飛行甲板付きの“商船改造艦” 艦載機は!?
乗りものニュース / 2025年2月8日 8時42分
-
5ののちゃん、髪引っ張られても撮影続行「再生数稼ぐ」「毒親」批判殺到。6歳児に“プロ子供”を大人がやらせる違和感
女子SPA! / 2025年2月8日 8時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください