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えっ、こんなに快適? ミニバンで実現する“キャンピングカー未満”の車中泊仕様

レスポンス / 2025年2月12日 18時0分

アジア最大級のキャンピングカーショーとして千葉の幕張メッセで開催(1月31日~2月3日)されたジャパンキャンピングカーショー2025。その中で近年のトレンドとなっている乗用車(ミニバンやSUV)をベースにした手軽で扱いやすい車中泊仕様に注目した。


キャンピングカーと言えば一般ユーザーの認識としては“特別なクルマ”とみられてきた。ベース車にはトラック(トヨタ『カムロード』など)やトヨタ『ハイエース』、日産『キャラバン』といった商用1BOXが多くを占めている。これらのベースに対して架装を施すことでキャンピングカー(多くの場合は8ナンバー/キャンピング登録)としている。しかし、近年ユーザーの間で注目されはじめているのがミニバンなどの乗用車をベースにした車中泊仕様だ。


そのきっかけとなっているのはアウトドアブームやオートキャンプの普及だろう。ベースとなるミニバンで、家族や仲間とキャンプやアウトドアレジャーに出かける際に、車内で仮眠をとるケースも多かった。もちろんミニバンの多くにはリアシートをアレンジすることでフルフラット化も可能。大人が足を伸ばして寝られるスペースを確保できる車種も少なくない。これはミニバンのひとつのウリでもあるのは事実だ。


しかし、実際に車中泊をしてみるとわかるのだが、クルマの純正シートはフルフラットと言っても凹凸が残る。これは走行中の乗車で快適性を確保するために、シートにはS字のシートバック形状や、腰を受け止めるような凹状のシート座面を持っていることが影響している。いくらシートバックを倒しても、完全なフラットベッドにはならない。車中泊のヘビーユーザーになるとこの凹凸が気になる。


そこで、各キャンピングカービルダーが用意してきたのがミニバン以上/キャンピングカー未満の車中泊仕様だ。シンクやコンロ、給排水タンクなどあえて装備せずシンプル化、その上で快適なベッド+アルファが欲しいと言うユーザーに向けて、ミニバンをベースに必要な装備を盛り込んだ仕様がこれにあたる。普段使いはまったくミニバンと同じく乗用の用途で使えつつ、いざキャンプに出かけるとなると、一気に快適な車中泊仕様になる2ウェイ利用できる、便利でムダの無い車種として勢力を拡大中だ。キャンピングカーショー2025の会場にも数多くのミニバンベースのコンバージョンモデルが登場したので、注目モデルをチェックしてみた。


ホワイトハウスが先頃デビューさせた『FREED CROSSTAR EARTH TRECK』はその名の通りコンパクトミニバンのホンダ『フリード・クロスター』をベースにしたモデルなのが特徴だ。展示された車両にはキャビン全面に広がるフラットなベッドに加えて、フロントシートは回転するスイベルシートを装備。これだけで車内の広さ&使い勝手は格段にアップ。車中泊するには十分なスペースが確保できる。


さらにポップアップルーフを備えることで車内高を大きく拡張。ベッド面をお座敷感覚で使っていても天井の圧迫感が無い快適性を確保した。クォーターパネルには家具を装備しテーブルを設置できる構造になるなど、必要な装備を必要な分だけ投入した仕様となっていた。コンパクトな車体でここまでの装備を備えた同車が人気になるのも頷ける。


アウトドアで活躍するミニバンである三菱『デリカD:5』も、車中泊仕様のベースとして人気上昇中だ。Kワークスの『デリカD:5キャンパーエディション』は、キャビンスペースを架装するモデルだ。


全面フラットのベッドモードにすることもでき同時に後部に対面のソファ、前方をベンチシートにするコの字形状のリビングモードにもアレンジ可能。車内で食事したりコーヒータイムを楽しむにもピッタリ。もちろんベッドモードへのアレンジも簡単なのでキャンプ場に着いたらスピーディに就寝環境が整えられるのも魅力だ。さらにポップアップルーフを備え車内スペースを拡張する。また外部電源、サブバッテリー、走行充電を備えて車内の電気機器利用にも力を入れる。


ROCKY2の『デリカD:5 MV』もデリカベースのコンバージョンモデルだ。フラットベッドに加えて後部にコの字形状のリビングスペースをアレンジできるのが独特。12Vクーラーに加えてFFヒーター(燃料を燃焼させるヒーター)を備えているため、夏場/冬場の車中泊でも快適温度をキープできるのも魅力となっている。


車中泊仕様のベース車は近年多様化しており、そのひとつがこのトヨタ『ノア』で、紹介するのは『MR-X車中泊快適パッケージ』。ベース車としてのノアは、従来は、内張り形状が立体的でキャンピング仕様に架装するには手間が掛かると、業者が二の足を踏んでいたのだが、バンテック新潟では独自の架装方法でキャンピング仕様に仕立て上げた。


内装をよく見ると樹脂の内張りはそのままに、家具は立体的な切り欠きを入れてフィットさせているのがわかる。その上でシンク(給排水タンクも装備)や電子レンジなどを装備している。もちろんフラットで広いベッドも装備し、本格的なキャンピングカーと同等の内容としている。ベッドパネルを収納すれば2列目シートはそのまま利用できるので普段使いする上でも便利な仕様となった。


乗用車ベースの車中泊仕様の広がりからSUVベースのモデルも登場している。それがMDFの『アウトランダーE:POP』だ。リアシートを折り畳んだ状態でベッドマットを敷き、ラゲッジにはベッド面の水平を出すためのパネルを設置する構造。これでフロントシート後方からラゲッジ後端までの車内全面を覆うベッドが設置できる仕組みだ。


もちろん純正シートはベッドパネルの下にあり、ベッドを取り外せば元通りのシートアレンジに復帰可能。普段使いではSUVとして用いてフラットなベッドで車中泊の快適性もアップさせる、そんな両面を持ったクルマに仕上がった。ポップアップルーフやテーブルなども備え、従来のSUVとは段違いの居住性を備えているのが魅力だ。


日産ピーズクラフトの『セレナP-SV』も手軽で快適な車中泊仕様だ。乗車定員は7人乗りのまま(純正シートはベッドパネルの下に残されている)でフラットなベッド展開が可能なのが特徴。ポップアップルーフによって車中泊でも室内を立って移動できる開放的なスペースを備えているのも魅力。普段は普通のミニバンとして使いつつ、キャンプに出かける際には快適な車中泊仕様になる装備が光る。


ミニバンの中では車中泊仕様として早くからもてはやされてきたホンダ『ステップワゴン』。ホワイトハウスの『STEP WAGON DECKONE POPJOY』も注目の一台だ。2列目にフラットにアレンジできるシートを採用、さらにラゲッジ右サイドにはギャレー/引き出し式の収納を備えている。フロントには回転シートを備えポップアップルーフを備える仕様も用意されるなどステップワゴンの限られた車内スペースを広く&快適に使える工夫が随所に施されている。


土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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