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福岡市はなぜ部長?ほかの自治体は首長なのに  元寇750年 問われる歴史との向き合い方

RKB毎日放送 / 2024年5月16日 18時26分

鎌倉時代にモンゴルが福岡市などに攻めてきた「元寇」。今年は最初の元寇から750年の節目の年です。

長崎県松浦市や鎌倉市などゆかりの自治体が歴史の発信と地域活性化に向けたネットワークを発足させました。

参加自治体は、多くの史跡が残る福岡市に熱視線を送りますが温度差もあるようで、歴史を後世に伝えるための向き合い方が問われています。

「鎌倉武士たちの活躍」発信ネットワークが発足

元寇所縁のネットワーク会長・友田吉泰 松浦市長「今年ちょうど1回目の元寇から750年という節目の年でありますので、鎌倉武士たちの活躍を所縁のある自治体が改めて見つめ直し、掘り起こし、磨いて、そしてネットワークとして発信していく」

福岡市西区で先月開かれた「元寇所縁(ゆかり)のネットワーク」発足式。

モンゴルが攻めてきた元寇の際に戦った鎌倉武士などにゆかりのある25自治体が参加しました。

今年は2度にわたる元寇のうち最初の文永の役から750年の節目の年。

これをきっかけに地域活性化につなげようと、海底から元寇の船の発見が相次いでいる長崎県松浦市の呼びかけで発足したものです。

15自治体はトップ参加も開催地・福岡市は区役所の部長

「エイエイオー」福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の12自治体の市長と3自治体の町長が出席し、トップが参加した自治体は15にのぼりました。

一方、福岡市からの参加は西区のみ。

発足式の開催地でしたが、出席したのは西区役所の総務部長でした。

その西区にある生の松原でモンゴル軍を食い止めた「元寇防塁」を視察した一行。

福岡市の積極的な参加に期待感を示しました。

元寇所縁のネットワーク会長友田市長インタ@生の松原「元寇で多くの人たちが集まって守った地が福岡ですから、一緒になってですね、この取り組みにご賛同いただいて、これまで以上にご協力いただけると、その広がりの速度が増すんじゃないかなと思ってますので、ご協力いただければと思います」

福岡市にこれだけある「元寇」史跡

福岡市内には元寇にゆかりのあるものがどれだけ残されているのか、調べてみました。

西区には今津にも国指定史跡の元寇防塁があります。

海岸線は鎌倉時代より沖に移動していますが、約3キロにわたって当時の構造が良く残されています。

その一方で・・・

故障で流れない紹介映像

RKB今林隆史記者「元寇防塁の近くには映像で紹介するための施設があるんですが、ボタンを押しても映像は流れず故障しているようです」

福岡市で元寇にゆかりがあるのは西区だけではありません。

文永の役の後、博多湾の西から東まで約20キロにわたって元寇防塁が張り巡らされました。

早良区の西新には「防塁」という地名とともに実際の元寇防塁も残っています。

海側から防塁を眺めた時に「石の城」のように見えたことにちなむ「石城町」という地名が博多区にあります。

モンゴル兵のものと伝わる鎧

その博多区の東公園に建つのは、元寇の前に外国からの侵略を警告していたとされる日蓮聖人の銅像。

目の前には日蓮聖人銅像護持教会が運営する元寇史料館があります。

事前予約制で申し込みがあった際に開館します。

RKB今林隆史記者「史料館の中には元軍のものと伝えられている鎧や兜など貴重なものが数多く展示されています」

管理する宗教法人 「後世に渡したいけれど・・・」厳しい現実

現在の建物が出来て40年近くの月日が経ち、老朽化が進んでいます。

日蓮聖人銅像護持教会 立野良顕主管「今の時代でいうと、湿度とかそういう関係からいくと、なかなか今これじゃまだもたないしね、後世に繋ぐためにはもうちょっと綺麗に保湿とかいろいろしていかないと難しいだろうと思っております」

銅像が建立された明治時代に集められたモンゴル兵のものと伝わる鎧などの貴重な史料。

それを一つの宗教法人の力だけで後世に伝えていくことには困難もあります。

記者
Q貴重な史料を残されてると思うんですけど国とか行政県とか市とかから助成があるわけではない?

日蓮聖人銅像護持教会 立野良顕主管
「もう全然これはございませんので、できますればですね、たくさんの方々に助成をいただければありがたいなと思うところでございます。本当によくよくぞこれだけ残ってるなと思うところでもございます。ちゃんと次の代に渡していきたいなとやっぱり思います」

九大跡地からも元寇防塁を発見

福岡市東区では、東部には残っていないと見られていた元寇防塁が再開発される九州大学箱崎キャンパス跡地から発見され、福岡市は整備に向けた検討を進めています。

福岡市 史跡整備活用課 中村啓太郎課長「これから行われる街作りの中で、それに調和した形での遺跡の見せ方とかですねそういったものを検討していきながら、最適な手法も探していきながら整備を行っていければと思っています」

福岡市長「お金のかかるハードの整備をする」

去年、観光客向けに2800万円をかけて生の松原の元寇防塁近くに駐車場を整備した福岡市。

元寇という歴史的な遺産とどう向き合っていくつもりなのか、高島市長に聞きました。

福岡市 高島宗一郎市長「お金がかかるハードの整備ということを福岡市がして、そして地域の皆さんを中心とした実行委員会で750年というところに向けて盛り上げていこうということをですね、福岡市としてはしっかり側面から支援をしていきたいということで、750年、また歴史というところに思いを馳せるきっかけになってくれたらというふうに思っています」

鎌倉武士が協力して防塁を築き、力を合わせて戦った元寇。

そのゆかりの自治体が再び力を合わせ歴史を活かして盛り上げていくことができるか注目です。

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