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祭りの担い手不足に「お助け隊」 「参加したい」と「祭りを続けたい」をマッチング 新たな交流で地域活性化も

RKB毎日放送 / 2024年5月22日 19時41分

高齢化や人手不足で存続が危ぶまれる「祭り」の課題を解消しようと、福岡県は、参加希望者を要請に応じて派遣する取り組みを導入しています。

田川市で行われた祭りでは県の取り組みを通して参加した「助っ人」が、神輿の担ぎ手として活躍しました。

毎年20万人訪れる風物詩 田川市の「風治八幡宮川渡り神幸祭」

笛の合図とともに声を出して神輿を担ぐ男たち。

福岡県田川市で5月18日から2日間の日程で行われた「風治八幡宮 川渡り神幸祭」です。

約470年前の室町時代に疫病が流行した際、風治八幡宮に終息を祈願したことが起源とされていて、福岡県の無形民俗文化財に登録されています。

民俗文化財に登録される祭り 「お助け隊」が担ぎ手として参加

参加者「怪我なく皆さんの力になれるよう精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願いします」

神輿を担ぐ前に開かれたミーティングであいさつした6人は「地域伝統行事お助け隊」の登録者です。

福岡県が去年8月から開始した制度で、高齢化や人手不足で継続が困難になっている地域の伝統行事の現場に、興味を持って登録した人を要請に応じて派遣します。

福岡県 市町村振興局 政策支援課 宮崎敬介 地域政策監
「市町村の方々と意見交換する中で、伝統行事や祭りなどの維持が難しくなったという声を聞くようになった。伝統行事が衰退するということは、地域の衰退に繋がりかねないので人的支援するためにこの事業が始まった、現時点で237人に登録いただいている」

筑後市の祭りなどこれまでに4件の支援実績 地域活性化へつなげる狙いも

筑後市の熊野神社に伝わる「鬼の修正会」など、これまでに4件の派遣を実施しています。

祭りだけでなく、地域の過疎化による人口減少に悩む地域の活性化にもつなげたい狙いがあります。

福岡県 市町村振興局 政策支援課 宮崎敬介 地域政策監
「祭りへの参加をきっかけに、その地域の関係人口になって、多様な形でその地域に関わっていただき、地域の活性化に携わっていただければ」

祭りの担い手の高齢化 20万人訪れる祭りでも陥る担ぎ手不足

風治八幡宮川渡り神幸祭 みこしをかつぐ会 杉原功一 会長
「どうしても神輿はすごく重たいし長年やってきた人も年齢とともにきつくなってきて引退する人もいる。常に新しい、経験してもらえる人を募集して」

毎年20万人ほどが訪れる風治八幡宮の川渡り神幸祭ですが、地元参加者の高齢化などで、担ぎ手不足に陥っています。

今回、新たな担ぎ手を求める「みこしをかつぐ会」とお助け隊メンバーの思いが一致しました。

「地域伝統行事お助け隊」生熊竜一さん
「(祭りに)参加したときに中から湧き上がるなんとも言えない高揚感と一体感がすごく好きで、参加したいと思いながらも自分の仕事の都合などでなかなか時間が取れず、半ば諦めながら外から見ているようなところだった。今回、中から参加できるチャンスが来たことが何よりも嬉しかった」

お助け隊の力も借りて動き出す神輿 「ここに立たないと見えない景色がある」

「わっしょい、わっしょい」

男たちのかけ声とともに動き出した神輿は、およそ70人の担ぎ手によってお旅所からまず彦山川へ。

川に入って水に濡れると重さは2トン近くになりますが、お助け隊のメンバーも初めての経験を楽しんでいました。

「地域伝統行事お助け隊」生熊竜一さん
Q水の中は違う?「気持ちいいですね。この祭りを知らなかったのがもったいないくらい」

「地域伝統行事お助け隊」知足早馬さん
「ここに立たないと見えない景色があるのでめっちゃいい気分です」

小松勝記者「川の中に次々と山笠が入ってきました。会場、大盛り上がりです」

川には神輿に続いて11基の山笠も姿を見せ、豪華絢爛な装飾とともに前後の車輪を浮かせて揺らす「がぶり」を披露しました。

見物客「神輿と山笠は勇壮でいい、400年の歴史があるのでありがたい。田川が盛り上がるのでうれしい」

川を渡りきった男たちが最後の力を振り絞って神輿を風治八幡宮に奉納し、2日間の祭りはフィナーレを迎えました。

お助け隊は「また参加したい」 新たな交流が将来的な地域活性化にも

「地域伝統行事お助け隊」生熊竜一さん
「疲れましたが不安はなかったし、すごく楽しかった。(お助け隊は)本当にありがたいシステムでこれからも機会があったらぜひ応援に行きたい、また次の募集が出るのを楽しみに待っている」

「地域伝統行事お助け隊」知足早馬さん
「年代が全然違う人たちとたくさん話して仲良くなれたのでそういう交流も祭りの醍醐味かなと。来年も挑戦したいですね」

風治八幡宮川渡り神幸祭 みこしをかつぐ会 杉原功一 会長
「今回のお助け隊などいろいろな人に新たに入ってもらうことで盛り上がっていけるのではないか。来てもらった人には楽しんでもらえた。「来年も来ます」と温かい言葉をもらったのでみこしをかつぐ会として準備していきたい」

祭りを続けたい人と、参加してみたい人。

「伝統行事を盛り上げたい」という共通の思いを持った人同士の新たな交流で、将来的には地域全体の活性化につながるかもしれません。

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