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一番のネックは「膨らむ警備費」 物価・人件費の高騰で40年近く続く花火大会が存続の危機に… 実行委員が開催に向け奔走

RKB毎日放送 / 2024年5月28日 18時4分

物価と人件費の高騰はこれから夏にかけて各地の夜空を彩る花火大会にも影響を与えています。例年、7月に開催されている北九州市の花火大会が今、存続の危機に直面しています。

若戸大橋から流れ落ちる仕掛け花火が目玉 北九州市の花火大会が存続の危機

40分間に4千発の花火が打ち上げられる北九州市・洞海湾の「くきのうみ花火の祭典」。

例年7月に開催され、若戸大橋から流れ落ちるような仕掛け花火「ナイアガラ」が目玉です。

この地域に根ざした花火大会が今、存続の危機に直面しています。

くきのうみ花火の祭典 実行委員会 石川利彦さん
「予算の関係で開催できるかどうか瀬戸際のところにきている。花火自体の費用が上昇している。警備の人数も増やさないといけないので人件費も上がっている。今まで通りの予算だと足りなくなっている」

警備費が去年の1.5倍に 安全な開催には欠かせない費用だが…

実行委員会が頭を悩ませているのが花火価格と人件費の上昇による開催経費の増加です。

去年の花火大会では、見物客による路上駐車や私有地への無断駐車が問題となりました。

今年は、多くの警備員を配置する必要があるため警備の費用も去年の1.5倍に上昇しているのです。

くきのうみ花火の祭典 実行委員会 事務局 大倉淳一さん
「くきのうみの翌週は戸畑祇園だったり、その前の週は小倉祇園だったり、北九州はこの時期、毎週のように祭りがあり、祭りが集中している状況。たくさんの警備員を確保する必要があるが、市内の会社だけでは確保できない」

例年約2000万円だった花火大会の開催経費は、今年、3000万円近くまで膨らむ見通しとなりました。

最悪の場合中止も…足りない900万円 資金集めに奔走する執行部

企業からの協賛金は例年通り集まっているものの、開催のための資金は、900万円ほど不足しています。

そのため実行委員会は、協賛金の上積みや初めてとなる有料席の設置などによる資金集めを続けています。

くきのうみ花火の祭典 実行委員会 石川利彦さん
「中止は絶対したくないことですが、本当に予算足りなければその判断もありますし、例えば『ナイアガラ』は、なくなってしまうとか縮小も考えながら、でもそれをしたくありませんので」

花火の製造会社「原料が毎月のように値上がり」 受注額同じなら数を減らすしか…

「くきのうみ花火の祭典」で打ち上げられる大部分の花火を手がける北九州市の花火製造会社です。

火薬などの原料のほか、防水用の紙なども値上がりしているため1発の花火にかかる経費が、3割ほど上がっているといいます。

ワキノアートファクトリー 野崎規裕さん
「花火の玉の原料って海外から輸入して入ってくるものもある。戦争や円安の影響で全部が値上がりしている。原価は全部上がっている。毎月値上がりの知らせが原料仕入れている会社からきている状況」

花火大会の主催者から受注する額が去年と同じだった場合、納品する花火の数を減らすなどせざるを得ません。

「くきのうみ花火の祭典」については、・受注額を増やして花火を例年と同じ数にする・去年と同じ受注額で花火の数を減らしたりサイズを小さくしたりする・開催見送りなどが想定されています。

ワキノアートファクトリー 野崎規裕さん
「(くきのうみ花火の祭典は)自分が初めて見に行った花火大会。本当にやりたい気持ちはもちろん強いんですけど…こればっかりはですね。急になくなると寂しいですし地域も寂しいとなりますよね」

物価と人件費の高騰で存続の岐路に立たされている「くきのうみ花火の祭典」。

実行委員会は、30日に開催の可否を判断することにしています。

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