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「墓じまい」含む墓の改葬件数が過去最多に 人気の樹木葬や自宅で管理する新商品も…多様化するお墓事情

RKB毎日放送 / 2024年5月29日 18時56分

高齢化で1年間に亡くなる人が過去最多を更新する一方、少子化などを背景に今、お墓のあり方が大きく変化しています。

樹木葬や自宅で管理できるコンパクトなお墓など、多様化する「最新のお墓事情」を取材しました。

「墓じまい」を含む改葬件数 過去最多の15万件超に

厚労省によりますと、「墓じまい」を含む「改葬」の件数は、2022年度に過去最多の15万1076件。10年前と比べると2倍近くに増えました。

核家族化や少子化が進むなかで、お墓の継承をめぐる問題も起きています。

久留米市の墓地 半数以上が放置された「無縁墓」 年々増加

長い間、人が訪れた気配のないお墓は、受け継ぐ人がおらず、放置された「無縁墓」です。

久留米市環境保全課・角洋一郎 課長
「基本的には市が毎年、『有縁調査』を行って、連絡先とかに変更がないかを確認させて頂いております。調査票が返ってこないケースもあるので、そのままにすると無縁化していくような形にはなっていきますね」

久留米市には市が所有する22の墓地に1500基以上のお墓がありますが、半数を超える800基近くが「無縁墓」です。

市は25年以上前から、無縁墓にプレートを付けて親族に連絡を求めていますが、回答はほとんどありません。

無縁墓の数は1年で約10基ずつ増えていますが、個人の所有物なので処分できず、手つかずの状態となっています。

久留米市環境保全課・角洋一郎 課長
「無縁墓が増えてくるとその墓地自体の管理ができなくなるので、そのあたりが荒廃するというケースもあります。親戚、縁者の方としっかり話をされて、どこにお墓があるのか確認が必要になってくるのではないか」

死者数が過去最多更新 お墓選びにも変化が

去年の日本の死者数は159万人あまりと、3年連続で過去最多を更新し、2040年まで増え続けると予測されています。

多死社会という状況ですが、お墓の維持・管理で子や孫に迷惑をかけたくないという人が増えているのか、お墓選びに変化があらわれています。

「終活サービス」を提供する会社の調査では、2018年に購入されたお墓は「一般墓」が半数近くを占めていましたが、2020年には「一般墓」と「樹木葬」のシェアが逆転。今や半数近くが「樹木葬」になっています。

人気の樹木葬 期間経過後は永代供養も

佐賀県伊万里市のお寺に4月にオープンした樹木葬は、78区画が設置され、1区画約45万から購入できます。使用期間は50年で、その後は合祀されて永代供養されます。オープン前から問い合わせが殺到したそうです。

樹木葬を手がけるアイエムの担当者
「樹木葬は宗旨・宗派問わないので、様々な宗教の方に入っていただける。いくつかのタイプがあるが庭園型の樹木葬が今一番の人気となっております。ライフスタイルの変化などによって従来のお墓を維持管理していくのがすごく難しい時代になってきている」

墓石の販売が減少 石材店が自宅で供養できる新たな商品も

お墓事情の変化に伴って、墓石を扱う石材店も対応を迫られています。

森石材工業 森猛 代表取締役
「(墓じまいをする)8割くらいの方が渋々手放しているっていう方が多い」

この石材店では月に10基ほどの墓石を販売していましたが、今では月に数基程度に減少。そこで半年ほど前から自宅でも供養できる、コンパクトなお墓の販売を始めました。

森石材工業 森猛 代表取締役
「引き戸みたいに開くようになってます。そしてこちら2名分ですけど、こちらに入れて頂いてふたを閉めて頂く」

価格は16万5000円からで、一般的なお墓よりも安く購入することができ、維持費もかかりません。

森石材工業 森猛 代表取締役
「分骨になりますが、遠方にいる人でもお墓とセットで購入して頂いて各地で手を合わせていただける。これからこういう形が主流になってくるのではないか」

価値観の変化とともに多様化が進むお墓事情。家族で霊園に行って墓前に花を手向け、手を合わせるというお盆やお彼岸の時期の風景も変わっていくのかもしれません。

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